アメリカの対中半導体規制があまりにもエグい。

アメリカの対中半導体規制があまりにもエグい。中国の半導体産業は終了、韓国企業も大きな巻き添えを食らい、さらに台湾有事が早まる可能性も
https://rakukan.net/article/497081406.html

 ※ 世界情勢の「大きな流れ」が読めないと、こういうことになる…。

 ※ さんざん、警告されてたハズだ…。

 ※ 世の中のプライオリティは、安全保障>経済活動>文化活動(学術、スポーツ、芸能など)…、という順番となる…。

 ※ 安全保障と経済活動が衝突した場合、「安全保障」に軍配が上がる…。

 ※ 身の安全や財産の保全が保(たも)たれないなら、「経済活動(利益・儲けを追求する行為)」もへったくれも無いからだ…。

 ※ ドイツのノルドストリームも、しかりだ…。

『なぜTSMCが米日欧に工場を建設するのか ~米国の半導体政策とその影響(EETimes)

  2020年になってコロナの感染が拡大し、爆発的にリモートワーク、オンライン学習、ネットショッピングが普及したため、2021年に世界的に半導体が不足する事態となった。加えて、「半導体を制する者が世界を制する」というブームが到来し、世界中で半導体工場の建設ラッシュとなった。 (中略)

 本稿では、米国の半導体政策に焦点を当て、それが世界にどのような影響を及ぼしてきたか、または及ぼすと予測されるかについて論じる。

 結論を先取りすると以下のようになる。2022年10月7日に米国が発表した対中規制(以下、「2022・10・7」規制と呼ぶ)は異次元の厳しい措置であり、中国半導体産業に甚大なダメージを与えることになる。しかし、その報復措置として中国が台湾に軍事侵攻する、いわゆる「台湾有事」を誘発するかもしれない。そして、そのような時の保険として、TSMCが生産能力を分散するために米日独にファウンドリーを建設することにしたのではないか、と推測した。
(引用ここまで)

 Twitterで「これ読んで!」って先の数時間ほど騒ぎ続けていた記事。
 明日の本日の動向でピックアップするか、Twitterで完結させるか悩んでいたのですが。
 まあ、韓国についても言及があるので本編でも取り上げようかなということで。

 以前から楽韓Webでは「今回のアメリカによる対中国半導体輸出規制はすごい」「すごいうというかやばい」「これなんで日本のメディアは取り上げないの」と言い続けてきました。
 その内容を網羅して書き記すことすら一苦労なので羅列はしてきませんでしたが。
 本記事を見てもらえればそのやばさが一目瞭然であると思います。

 そもそも2020年5月にTSMCがHuaweiへの半導体出荷を取りやめた時点で「え、これを理由として中国の台湾侵攻くらいありえるぞ?」って思っていたのですが。
 これはまだ序章だったのですね。

 去年8月のCHIP法への署名が行われ、ついで10月に課されたCHIP法で補助金を受け取った企業は中国への工場投資一切を禁じるという発表がありました。
 もう、本当に微に入り細に入り。
 中国の半導体工場は息をすることも禁じるっていうレベルでの規制。

 これによって韓国企業のサムスン電子、SKハイニックスは中国に大規模投資したNANDフラッシュメモリとDRAM工場の競争力を奪われました。

TSMCにおける中国南京工場の割合は同社の10%にも満たないが、Samsungの西安工場で生産する3次元NANDは同社の約40%を占める。また、SK hynixの大連工場で生産する3次元NANDは同社の約30%、無錫工場で生産するDRAMは同社の約50%を占める。
(引用ここまで)

 半導体製造、特にメモリー製造においては最新プロセスを採用してなんぼの代物なので、アメリカの規制でこれらの工場は細々と古いプロセスでの製造をするしかなくなったのですね。

 一応、工場への納入は「許可制」ではありますが、基本的に拒絶されるものとなっています(ただし、1年間の猶予あり)。

 韓国メディアが「SKハイニックスはインテルの中国工場をつかまされた。だまし討ちだ」と言うのもまあ多少の理があるのではないかって感じられるほどのもの。
 まあ、もっと正直な話をすればアメリカ政府の方向性を見ていたらなんであんな投資したんだって話ですけどね。

 さらにアメリカは12月に長江メモリ(YMTC)を「中国人民解放軍と関係性が高い」として貿易禁止リストに入れる意向を示しました。

中国YMTCなど30社超を禁輸リスト 米商務省が発表(日経新聞)

 YMTCは積層NANDフラッシュメモリの開発に成功して、アップルが「安いならサプライメーカーに入れるかも」くらいに言っていたメーカー(でした)。

アップル、中国半導体の調達保留(日経新聞)

 この時の衝撃度はちょっと筆舌に尽くしがたいというか……「そこまでやるんだ」って感じでしたね。
 YMTCはもう廃業するしか手がないです。いや、本気で。

 「実を言うと中国の半導体産業はもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。
 でも本当です。2、3日後にものすごく黒いリストにYMTCが掲載されます。
 それが終わりの合図です。程なく大きめの反発が来るので気をつけて。
 それがやんだら、少しだけ間をおいて終わりがきます」

 石油禁輸どころじゃない。
 中国国内では28nmプロセスが作れるかどうか、主力は40nmプロセス以上っていう状況で5世代以上先を行っているTSMCと競わなければいけないとかね。
 その結果として冒頭記事の筆者は「台湾有事が早まったのではないか、そのリスク対策としてTSMCは工場を分散させたのではないか」と推測するのですが。
 まあ、その結論の是非はともかく。

 記事中のアメリカの本気度を読んでみてください。
 楽韓さんがこれまで「これやばいよ」と言い続けてきた理由が分かってもらえるかと思います。
 メンテすらできないんじゃ終わったも同然。

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