『元ロシア軍情報将校のイーゴリ・ストレルコフことイーゴリ・ギルキンFormer Russian commander Igor Ivanovich Strelkov, also known as Igor Girkinは先ごろ、ウクライナ侵攻が続けばロシアで「内戦’Civil War’」が起こり、多数の犠牲者が出る可能性があると警告を発した。ギルキンはウクライナ東部の親ロシア派部隊の司令官を務めたこともある人物だ。
元ロシア下院議員で人権派弁護士のマルク・フェイギンMark Feygin右 は昨年10月、本誌に対し、プーチンがウクライナで完全敗北すれば、さまざまな勢力や地方が権力を奪い合う「血みどろの」内戦 a “bloody” civil war with a range of factions and regions seeking power.が起きるかも知れないと語っていた。
「状況は、この戦争がどのように終わるかに大きく左右されるだろう」とフェイギンは言った。
また、ウクライナ軍がヘルソン、ザポリッジャ、ルハンスク、ドネツク Kherson, Zaporizhia, Luhansk, and Donetsk oblastsの各州を完全に解放できれば、ウクライナはクリミア半島Crimeaを取り返すまでもなく、プーチン政権を「粉砕」できるかもしれないとも語った。「最も簡単なのは、ロシア国内のエリートたちが決心してプーチンの後釜を選ぶことだ。西側と交渉ができて、(ウクライナでの)戦争を終わらせるための最初の枠組みを提示でき、将来の選挙に向けて働くことのできるような人物を」とフェイギンは言った。 2-russian-military-morale-GettyImages-1240248266
11月に本誌が入手したロシア連邦保安局(FSB)の内部告発者からの電子メールでも、プーチンの側近たちが関与して内戦が始まる可能性について触れられていた。このFSB職員は「Wind of Change(変革の風)」と名乗り、bbindex 亡命中のロシア人人権擁護活動家ウラジーミル・オセチキンVladimir Osechkin:右 に定期的にメールで情報を送っている。メールには、FSB内部でウクライナ侵攻に対する失望や不満が高まっていると書かれていた。
またメールでは、ロシア政府内の動揺や対立についても詳しく触れられている。また内戦は「不可避」であり、人々の厭戦気分が高まる一方でロシアは遠からず「テロの奈落(地獄)の渕(ふち)へ落ちる”descend into the abyss of terror”」だろうとの見方が伝えられている。参照記事 英文記事 筆者の判断で一部英文和訳を修正、編集』