中国が人口減 働き手10年で9%減、老いる世界けん引役

中国が人口減 働き手10年で9%減、老いる世界けん引役
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1428S0U3A110C2000000/

 ※ こうなってくると、「大規模軍事行動」も起こし難くなってくる(しかも、年月が経つにつれて、ますます困難となる)…。

 ※ しかし、逆に、「それが可能なうちに、やってしまおう…。」という判断への誘因も働く…。

 ※ 今般のウクライナ事態は、「それ、だった。」とする論者もいる…。いわゆる、「衰退する大国の罠」論だ…。(大日本帝国の行動も、それだった…、とも指摘されている)。

 ※ いずれ、注視していく必要がある…。

『【北京=川手伊織】中国が人口減少時代に入った。2022年末の人口は61年ぶりに前年末を下回り、世界最大の人口大国をインドに譲ったもようだ。産児制限のツケで少子高齢化が止まらず、23年からの10年間で生産年齢人口は約9%減る。働き手の減少が足かせとなり、世界経済をけん引してきた中国の成長にブレーキがかかる。

国家統計局が17日、22年末の人口推計を発表した。外国人を含まない中国大陸の総人口は14億…

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小黒一正
法政大学経済学部 教授
分析・考察

LSEのグッドハート名誉教授らの力作『人口大逆転』という書籍があります。日本国内では現在のインフレが一時的という見方が多いですが、この書籍では、今後30年間は、中国を中心とする世界人口の大転換により、世界全体がデフレ状態からインフレ状態の経済に方向転換すると予測しています。なぜなら、今後は中国も人口減少や少子高齢化が進みますが、このような状況のなか、世界的に生産を担う現役世代の人口は縮小し、労働供給が減少していく一方で、高齢者が需要…。』

『国家統計局が17日、22年末の人口推計を発表した。外国人を含まない中国大陸の総人口は14億1175万人で、21年末から85万人減った。

出生数は106万人減の956万人と1949年の建国以来、初めて1000万人を割った。死亡者数は27万人増の1041万人。人口減少は大躍進施策で多数の餓死者を出した61年以来だ。一時的要因ではなく、今後も減少傾向が続く見通しだ。』

『中国は長年、人口が世界最大の国だった。国連推計では、1日時点のインドの人口は14億2203万人。中国は外国人を含めても届かず、インドが抜いたとみられる。

マクロ経済への影響が大きい、働き手の数も減少が進む。2020年の国勢調査によると1963~75年生まれは各年2000万人を超す中国版「団塊世代」。63年生まれの男性が法定退職年齢の60歳(女性管理職は55歳)に達する2023年から大量退職が本格化する。』

『日本経済新聞社は国勢調査をもとに、今後の生産年齢人口を試算した。男性が20~59歳、女性が20~54歳と定義すると、23~32年の向こう10年間に計2億3400万人が定年退職の年齢を迎える。一方、少子化で労働市場に参入する若年人口は同期間に1億6600万人にとどまる。

この結果、生産年齢人口は今後10年間で6700万人(9%)減る。ピークの16年からすでに2300万人減少しており、今後はペースが速まる。国際標準の15~64歳でみると、ピークは13年とさらに早い。』

『金融危機後の世界経済をリードしてきた中国の潜在成長率が衰えていく。日本経済研究センターは22年12月、中国の実質成長率が30年代に3%を割り込み、経済規模は長期的にも米国を逆転しないとの試算を公表した。成長抑制要因に挙げたのが、人口減少による労働力の不足だ。』

『習近平(シー・ジンピン)指導部は法定退職年齢の引き上げをめざすが、年金減額への反発や若者の失業悪化を懸念し具体策はみえない。少子化対策でも21年に全ての夫婦に3人目の出産を認めて産児制限を事実上撤廃したが、効果は乏しい。

都市部の居住費は高止まりし、保育所整備も進んでいないからだ。大都市では、高校卒業までの子育て費用が250万元(約4750万円)かかるとの試算がある。広東省深?市は11日、子育て世帯に年最大3000元の養育補助を支給する案を示したが、期間は子が満3歳になるまで。出産手当を合わせても合計の補助額は1万9000元にとどまる。

新型コロナウイルス禍もあって、22年の婚姻件数は9年連続で前年割れとなった公算が大きい。エコノミストの任沢平氏が5万人を調査したところ、25%が「子どもはいらない」と答えた。』

『高齢化も止まらない。60歳以上の人口比率は22年末に19.8%と、10年で5.6ポイント高まった。65歳以上も14.9%に達した。年金の給付額は膨らみ、中国社会科学院は、サラリーマンや自営業者が加入する公的年金の積立金が35年に枯渇するとはじく。』

『安全保障にも影響が及ぶ。中国では長年の一人っ子政策の影響が残り、とくに都市部の親は子どもの危険任務の伴う入隊に慎重だ。若者の公務員や大手企業への志向が強まっている。

香港紙は中国人民解放軍が新疆ウイグル自治区やチベット自治区など辺境地域に勤務する兵士の給与を最大4割アップさせると報じた。中国の軍事関係筋は「人口減少でなり手を集めるのに苦労する場面が増えるだろう。無人機などのハイテク兵器の開発を急ぐべきだ」と指摘する。』

『中国の1人当たり国内総生産(GDP)は22年、約1万2700ドル(約163万円)だった。日本で人口の自然減が始まった07年の1人当たりGDPは3万5847ドルで中国は約3分の1にとどまる。

都市と農村には大きな格差が残る。労働力不足で海外企業を引け付けてきた低コスト生産も難しくなり、社会保障負担が経済成長の重荷になる。長年指摘されてきた「未富先老」(富む前に老いる)が現実味を帯びてきた。』