ウクライナ大統領府顧問を解任、ミサイル攻撃巡る失言で

ウクライナ大統領府顧問を解任、ミサイル攻撃巡る失言で
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『【フランクフルト=林英樹】ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は17日、「辞表を書いた」とSNS(交流サイト)で発信した。同氏はウクライナ東部ドニプロの集合住宅を破壊し、多数の民間人が犠牲になったロシア軍のミサイル攻撃を巡り、「ウクライナ軍が迎撃したもの」などと発言し、批判を受けていた。大統領府は同日、同氏の解任が承認されたと明らかにした。

アレストビッチ氏はフェイスブックに画像を載せたうえで、「文明的な行動の模範を示したい。原則的な過ちを犯したら辞任することになる」と投稿した。同氏は14日のミサイル攻撃後に出演したユーチューブ番組で、ウクライナ軍の防空システムによって迎撃されたミサイルが住宅に落下したとの見解を語っていた。

ウクライナ空軍はその後、ロシア軍が使用した空対艦ミサイル「Kh22」について「迎撃できる兵器は保有していない」と明らかにし、アレストビッチ氏の発言を否定した。ロシア側が民間人や民間施設を狙った無差別攻撃を否定する根拠として、同氏の発言が引用され、ウクライナ国内で批判が起きていた。

地元当局によると、ドニプロの集合住宅に対するミサイル攻撃で子供5人を含む44人が死亡、79人が負傷した。20人がまだ行方不明だが、当局は17日、捜索・救助活動を打ち切ると発表した。

Kh22の迎撃には長距離の地対空ミサイル「パトリオット」の配備が必要になる。ウクライナへの供与を決めた米軍は近く、ウクライナ兵に対しパトリオットの使用訓練を実施する予定だ。オランダのルッテ首相は17日、バイデン米大統領とホワイトハウスで会談し、ウクライナに「パトリオット」を供与すると表明した。会談で「我々は米独のパトリオットの計画に参加する意向だ」と語った。ウクライナへのパトリオットの提供は米国とドイツに続き3カ国目になる。

ウクライナのゼレンスキー大統領夫人、オレナ・ゼレンスカ氏は17日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で「生活の崩壊を防ぐには世界の結束が必要だ」と演説した。

オレナ氏はゼレンスキー氏が策定した和平案に関する書簡を、中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相経由で習近平(シー・ジンピン)国家主席に届ける考えを明らかにした。

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小泉悠
東京大学先端科学技術研究センター 専任講師
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分析・考察

ドニプロのアパートの破壊され方を見るに、対空ミサイルが落ちてきた程度ではこうはならないように思います。ミサイル自体が巨大で弾頭重量も大きく、なおかつ高速=大運動エネルギーで突っ込んでくるKh-22のようなミサイルが当たったと考える方がやはり自然ではないでしょうか。
アレストヴィチがどういう根拠に基づいて記事のような発言をしたのかは明らかでありませんが、これまでの発言を見てもあまり軍事に詳しいようには見えなかったので、ちょっと迂闊なことを口走ってしまったのではないかという気がします。
2023年1月18日 8:32 (2023年1月18日 8:51更新)

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ウクライナ侵攻』