バイデン米政権、日本への期待と岸田文雄氏への不安

バイデン米政権、日本への期待と岸田文雄氏への不安
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0949P0Z00C23A1000000/

『岸田文雄首相が2021年10月の就任以来、切望していた米ホワイトハウス訪問が13日、実現する。日本政府が22年末に決めた国家安全保障戦略など安保関連3文書について、バイデン米政権がもろ手を挙げて評価するなかでの訪米となった。

「日本の政策を『前例がない』と表現できること自体が驚きだ」。日米同盟に長く携わる米専門家は語る。特に米側の不満の種だった「国内総生産(GDP)比1%」の壁を壊し、防衛費を現…

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『「日本の政策を『前例がない』と表現できること自体が驚きだ」。日米同盟に長く携わる米専門家は語る。特に米側の不満の種だった「国内総生産(GDP)比1%」の壁を壊し、防衛費を現行5年計画の1.6倍に増やす点を日本の覚悟と受け止めた。

3文書の決定後、バイデン大統領、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官、サリバン大統領補佐官がそれぞれ歓迎の声明を出した。異例の対応だ。戦後80年近くたち、力の衰える米国はより強く、より能力の高い同盟国を何よりも求めている。

日本が初めて国家安保戦略を策定した13年は日本が中国にGDPで抜かれてからわずか3年後で、台頭する中国への危機感はどこか切実さを欠いた。ロシアのウクライナ侵攻は日本の安保観を変えた。今回の改定が1年前なら、日本は中国を「最大の戦略的挑戦」とみなし、防衛力を抜本的に増強する政治決断を下せたかどうか分からない。』

『もっとも、米国が注ぐ視線には日本への期待と岸田氏への不安が交錯する。米政府高官から最近、非公式の場で聞かれた。「ぶしつけだが、24年以降の日本の首相は誰だと思うか」

バイデン氏は、再選がかかる24年次期大統領選への対応を検討している最中だ。同盟国・日本の重みが増すほど、日本の政治の動揺が米国の戦略に落とす影は濃くなる。故安倍晋三首相の長期政権に慣れた米国は、支持率が低迷する岸田氏との距離の取り方に惑う。

23年は日本が主要7カ国(G7)、インドが20カ国・地域(G20)の議長国を務める。日本はインドと連携し、先進国と新興国を橋渡しする役割を担う。米国もその舞台回しに期待を寄せるものの、バイデン氏は今回、岸田氏との会談後に共同記者会見を開かず、すぐに地元デラウェア州に向かう予定にしている。』