電子の「真の姿」捉える 波動関数を可視化、早稲田大学

電子の「真の姿」捉える 波動関数を可視化、早稲田大学
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27CF70X21C22A2000000/

 ※ 今日は、こんな所で…。

『早稲田大学とカナダ国立研究機構の研究チームは、理論でしか示せなかった電子の「真の姿」に迫る新たな観測手法を開発した。アト(100京分の1)秒の精度で制御したレーザー光をネオン原子に照射し、電子の波としての情報を記述する数式を視覚的に捉えられるようにした。原子間の結合を担う電子の姿を詳しく測定できれば、新材料の開発や化学反応の解明に役立つ。

電子の波としての情報を詳細に可視化した=早稲田大学の新倉弘倫教授提供

電子の波としての情報は「波動関数」という数式で表現される。波の強さを示す振幅や、波の山や谷のどこに位置するかを示す位相などの情報を含む。電子は原子間の結合を担っており、位相が同じ場合は波が強め合って原子が結合し、位相が異なる場合は弱め合って結合しない。1981年にノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士の「フロンティア軌道理論」で提唱されたが、通常の測定方法では電子の波としての情報のうち位相は失われてしまう問題があった。

研究チームは50アト秒以下という超高精度で制御したレーザー光を重ね合わせて、電子の波としての性質を保ったまま測定する独自技術を開発してきた。その手法を応用し、2種類のレーザー光を使って、ネオン原子全体に広がる電子の波動関数の振幅や位相の分布を可視化することに成功した。従来の手法は3種類のレーザー光を照射するもので、複雑な解析が必要なうえ電子を測定できる範囲も限られていた。

アト秒の精度でレーザーを制御する=新倉教授提供

気体のネオン原子だけではなく、複数の原子から成る分子や固体材料への応用を目指す。早稲田大学の新倉弘倫教授は「波動関数の可視化は分子を設計する手がかりになる」と期待する。実験で測定した波動関数と化学反応のシミュレーションのずれを検証すること
で、分子の性質を見積もる精度の向上につながるとみている。』

波動関数(読み)はどうかんすう(英語表記)wave function
https://kotobank.jp/word/%E6%B3%A2%E5%8B%95%E9%96%A2%E6%95%B0-115386

『量子力学において、原子・分子および原子核・素粒子の状態を表すのに用いられる座標の関数のこと。状態関数ということもある。

座標の関数のかわりに運動量その他の量(力学変数)の関数を用いることもある。

座標の関数を運動量の関数に変換することができるので、どの力学変数を用いても波動関数の表す状態の物理的内容が変わることはない。

 原子や素粒子などの量子力学における運動状態を量子的状態という。

量子力学では物理量は演算子で表現されており、物理量がある値をとる状態の波動関数はこの物理量の演算子の固有関数で与えられる。

たとえばx方向の運動量の演算子は-iħ∂/∂x(ħはプランク定数hの2π分の1)であるので、固有値p’の波動関数∅(x)は固有値方程式-iħ∂∅(x)/∂x=p’∅(x)を満たし、波動関数は∅(x)=c exp(ip’x/ħ)で与えられる。ただし、expα=eαを表す。cはそれぞれの場合の物理的条件に応じて決まる定数である。

波動関数の時間的変化は系のエネルギーの演算子Hを用いiħ∂/∂t=Hで与えられる。

これをシュレーディンガーの波動方程式とよんでいる。この系が固有値Eのエネルギーの固有状態であればH=Eであって、この場合の波動関数の時間変化は=∅exp(iEt/ħ)となる。ここで∅は時間によらないH∅=E∅を満たす波動関数である。この方程式もシュレーディンガー方程式という。

[田中 一]
[参照項目] | シュレーディンガーの波動方程式 | プランク定数 | 量子力学

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 』

波動関数
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E5%8B%95%E9%96%A2%E6%95%B0

『波動関数(はどうかんすう、英: wave function)は、量子力学において純粋状態を表す複素数値関数。量子論における状態については量子状態を参照。 』

『解釈問題

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出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2021年9月)
正確性に疑問が呈されています。(2021年9月)

詳細は「観測問題」を参照

ボルンの規則に従って、波動関数の絶対値の2乗は、その波動関数の基底となる固有状態を見出す確率ないし確率密度関数と対応付けられることが知られている。 他方、量子力学の枠組みにおいて、系の状態は波動関数によって指定される。これは古典力学において適当な物理量の値の組で系の状態を指定できたことと対照的である。 古典力学に基づくなら、物理量の値は測定せずとも定まっていると考えることができたが、量子力学に基づくなら、物理量の値そのものを決定することはできず、その確率分布しか知ることができない。 系が確率的に振る舞うことに対して、古典的な確率現象のように何らかの粗視化や系に対する知識の不足によって生じていると考えるのではなく、本質的に確率的な振る舞いをしていると考えるならば、前述の古典力学的な描像で系の状態を考えることは困難となる。

また、測定に伴って被測定系へ及ぼされる影響についても古典力学と量子力学で異なる点がある。 古典論では被測定系の状態を変化させずに物理量を測定できると考えることができたが、量子論においては、例えばある物理量を正確に測定した場合、測定系にとっての被測定系の状態は、測定に伴って測定値に対応する固有状態に変化していると考えなければならない。 前述の通り、波動関数は測定値の確率分布に関連しているため、確率分布が測定に伴って変化するならば、測定に伴って波動関数もまた変化しなければならない。 特に、物理量を正確に測定した場合、波動関数は対応する固有状態へ「収縮」する。

もし波動関数が(例えば電磁場のような)物理的実体を伴うものだと考えると、この「波動関数の収縮」の解釈には困難が伴うことが知られている。例えばEPRパラドックスとして指摘されたように、(量子力学の理論上)測定に伴って光速を超えて(従って相対性理論に整合しない)「収縮」が生じているように見える系について、そのような「収縮」が起こり得ないことを説明する必要が生じる[要校閲] 。

もう一つの波動関数の重要な性質として、波動関数の重ね合わせとそれに伴う干渉がある。例えば二重スリット実験では、単スリット実験から得られる波動関数の重ね合わせによって、二重スリット系の波動関数が得られる。二重スリット系の粒子の存在確率分布は、単スリットの波動関数同士の干渉により、単スリット系での分布の重ね合わせとは異なることが知られている。この干渉は、スリットを通過する粒子の運動を(純粋に)古典力学的に解釈する限り説明できない。

確率的な振る舞いと重ね合わせに関連して、量子系と古典系[要校閲] が相互作用する系では「シュレーディンガーの猫」のような微妙な状態が存在し得る。通常、「猫」のような巨視的な対象は古典力学に従った振る舞いをすると考えられるが、測定器系を通じて崩壊性原子のような系と相関している場合、量子力学に従うならば、「猫の生死」のような巨視的な事象まで被測定系の振る舞いに依存してしまうことが示唆される。特に測定前の状態においては、猫系もまた量子力学的な重ね合わせ状態として記述されなければならない。 波動関数の「実在」を認めるなら、猫の重ね合わせ状態もまた何らかの形で「実在」すると考えなければならない。

「シュレーディンガーの猫」の思考実験から発展して、「ウィグナーの友人」のような系を考えることができる。「ウィグナーの友人」系では何らかの量子系に対して測定を行う系1(「友人」)と、系1に対して測定を行う系2(「ウィグナー」)が登場する。系1にとって測定結果を得た時点で対象の量子系の波動関数は「収縮」したように見えるが、系2にとっては系1の測定結果を(系1を通じて)観測するまで、量子系の波動関数は「収縮」していないように見える。このように「収縮」がいつどのように生じたかは、観測者の立場に依存しているように見える。[1]

以上のような波動関数によって示唆される「現象」に対して、その解釈を巡って様々な提案がなされている。よく知られている例として、コペンハーゲン解釈、多世界解釈、ボーム解釈などが挙げられる。これらの解釈は波動関数がシュレーディンガー方程式に従って時間発展することは認めるが、観測に伴う干渉の消失(デコヒーレンス)や「波動関数の収縮」のメカニズムや波動関数が測定値の確率分布に対応する理由に対する説明が異なっており、そのため理論の適用範囲や検証可能性がしばしば議論の対象となっている。

典型的なコペンハーゲン解釈においては、波動関数は客観的な実体あるものではなく、観測者の主観によって定まるとされる。従ってコペンハーゲン解釈の下では、「波動関数の収縮」は非物理的な現象であり、相対論を破るものとは考えない。

多世界解釈では、「波動関数の収縮」は生じず、量子系はあくまでシュレーディンガー方程式に従って連続的に(ユニタリ)時間発展をすると考える[2]。多世界解釈において「波動関数の収縮」に相当する過程は、観測者が辿り得た歴史の(互いに干渉することのない)分岐として表現される。 』