ノモンハン事件

ノモンハン事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 ※ 今日は、こんな所で…。

 ※ 相当に長いので、ごくごく一部だけ紹介する。

『ノモンハン事件(ノモンハンじけん)は、1939年5月から同年9月にかけて、満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線を巡って発生した紛争。

1930年代に、満州国、後に日本(大日本帝国)と、満州国と国境を接するモンゴルを衛星国にしていたソビエト連邦の間で断続的に発生した日ソ国境紛争(満蒙国境紛争)の一つ。第一次(1939年5月 – 6月)と第二次(同年7月 – 9月)の二期に分かれる。

満州国軍とモンゴル人民軍(英語版)の衝突に端を発し、両国の後ろ盾となった大日本帝国陸軍とソビエト赤軍が戦闘を展開し、一連の日ソ国境紛争の中でも最大規模の軍事衝突となった。 』

『情報管理

ノモンハン事件当時の日本陸軍の情報統制は厳しく、ノモンハン事件の情報についても管理されていた。憲兵隊が新聞などのマスコミ報道や、手紙・電報などの私書について検閲を実施し、それを毎月データ化して関東憲兵隊に報告し、関東憲兵隊はそれを取りまとめて『検閲月報』という極秘資料を作成していた。1938年は年間の総頁は550頁であったが、これがノモンハン事件が始まると1939年には1200頁に倍増した。太平洋戦争開戦後の1942年には4900頁まで激増したが、戦局が悪化すると検閲の余力も無くなったのか1944年には1300頁、1945年にはたった130頁にまで減少している[388]。

事件当時の新聞などの報道では、日本軍の苦戦や損害に対する記事は検閲される一方で戦果と武勇伝が強調され、新聞紙面上からは日本軍が苦戦している状況は微塵も感じられなかった[389]。私書についても同様で、日本軍が苦戦していることが判るような表現や、日本軍や兵器の問題点を指摘した記述は削除されていった[390]。

しかし、膨大な私書全てを検閲し削除や差し押さえできることは困難で、例えば1939年8月には667,502通の電報と682,309通の郵便に検閲を実施したが、何らかの処置を行った数は電報で1,345通、手紙で793通に過ぎず、それぞれ処置率は電報0.2%、手紙0.11%とごくわずかな数に過ぎなかった[391]。この中で最も多かったのが『防諜上要注意通信』で、検閲処置がなされた郵便793通の内の295通がそれに該当し37%の構成率であったが、その中でも、軍の作戦行動や移駐に関するものや、部隊の固有名を記述したものなど、通常の軍事機密に関する検閲が多数を占めた[392]。

また、満州で事業を展開していた日本の建設業などの事業者には情報が筒抜けだったようであり、ハルハ河渡河戦に失敗後、司令部に戦況を報告するためハイラルに立ち寄った関東軍参謀の辻は、兵站宿舎で休憩していたところ、隣室で建設業者らが酒で酩酊しながら「軍人の馬鹿どもが儲かりもしないのに、生命を捨てておる、阿呆な奴じゃ」と大声で騒いでいるのを聞くや激高し、その部屋に乗り込むと、建設業者ら数名を殴り倒している[393]。

情報を全て遮断することは困難であったため、ノモンハンは負け戦だったという噂が兵士のみならず一般国民にも広がりつつあった[394]。さらに、多くの参戦者やジャーナリストからの見聞記が多数出版され、中には中隊長であった草葉栄の著作『ノロ高地』のように100万部以上のベストセラーも生まれるに至って、陸軍は部外からの問い合わせに備えるための質疑応答集である「ノモンハン事件質疑応答資料」を作成した。その中に「民間に相当広くデマの流布せられたる現在、何故、詳細なる発表を行わざるや」という想定質問があったのを見ても判る通り、国民の間にかなりノモンハンの敗戦や苦戦の情報が広まっていた[395]。

その後、1939年10月3日になって日本陸軍は当時としては異例の自軍の損害の公表に踏み切った。まずは地方官会議で発表され、翌日に各新聞で報道された。その報道では日本軍の死傷者は18,000名とされていた[9]。当時、陸軍は自軍の死傷者を正確に発表することはなかったが、この18,000名という死傷者数は戦後に日ソの多くの資料によりほぼ正確な数字と判明しており、陸軍が敢えて日露戦争の旅順攻囲戦並みの衝撃を与える覚悟で正確な損害の公表に踏み切った理由は、このまま負け戦という噂が広まるより、我が方も損害は大きかったが、敵にも大損害を与えた“痛み分け”だったという情報を開示して、国民の士気を引き締めようという計算があったのではと推測されている[394]。さらに『朝日新聞』は「軍当局がノモンハン事件から今後の軍事訓練を改善すべき必要があるとの教訓を学び、十分考察した。軍は最大限機械化部隊で満たす必要がある」とする自戒と教訓についても述べるという異例ぶりであった[396]。

この記事の反響は大きかったようで、師団長の小松原には多くの批判の投書が寄せられている。小松原がその内の「愛児を失った父親」からの投書を自分の日記に引用しているが「ノモンハンの大事件は、国民一般、実に悲痛の思いにて、真相を知り其の責任者(平野で、ソ軍の大部隊の集結を気付かず、陛下の赤子を、多数失いたる実相)の男らしき弁明を、ほめ居候」との記述で、小松原らがソ連軍の総攻撃を事前に察知できなかったことについて認識している。また、小松原が満州から帰京する前日に熱海に一泊したことも知れ渡っており「戦塵を、熱海に悠々洗う、実に馬鹿馬鹿しき悪習慣に…戦塵洗いを、止めて下さい(有りもせぬ塵、兵隊さんは一体どうするのですか)」などと強い批判も書かれている[397]。

その他にも、苦戦や敗戦を十分に連想できる吉丸、大内、森田の3大佐に東中佐の4名の指揮官級の佐官の戦死も新聞紙面で報道された。その記事では後年、硫黄島の戦いで戦死する栗林忠道大佐が、陸士第26期の同期であった4名への追悼の言葉を送っており、陸軍が主導してこの記事が掲載されたことが窺える[398]。

既にこの時点では、翌1940年2月28日の帝国議会の決算委員会において福田関次郎議員が畑俊六陸軍大臣に「ノモンハンにおいては、色々と総合して見てますと、どうも日本の、軍装備に、欠陥があったのではないか、斯う云う風に見られるのであります」と質問したことでも判る通り[399]、ノモンハンの敗戦や日本軍の問題点についてはかなり広く認識されていた。

ノモンハンの戦いについては、その敗戦を陸軍は国民にひた隠しにしたという主張が目立つが[400]、逆に、情報が広まったことによる後追い的な情報開示とはいえ、当時の日本としてはむしろ意図を持って積極的に情報を開示した戦闘であった。 』

『ソ連軍の損失

人的損失

ソ連は従来、イデオロギー的な宣伝のためもあって、日本側の死傷者推定を大きく膨らませる一方で、自軍の人的損害を故意に小さく見せようとしてきた[524]。冷戦下で、ジューコフの報告や、ソビエト連邦共産党中央委員会付属マルクス・レーニン主義研究所が編集した『大祖国戦争史(1941〜1945)』といった、ソ連側のプロパガンダによる過小な損害数のデータが広く知れ渡り、ソ連側の一方的勝利が定説化する大きな要因ともなった[525]。

その定説が大きく覆されるきっかけとなったのが、ソ連の共産主義独裁体制が崩壊した1990年前後であり、グラスノスチにより次々とソ連軍のかつての極秘資料が公開される度に、ソ連軍の人的損害が激増していき、ついには日本軍の損害をも大きく超えていたことが判明し[526]、ソ連が情報を意図的に操作していたことが明らかになっていった[527]。

ソ連・モンゴル公表人的損失数の推移表[6] 軍隊 出典 日付 死亡・行方不明 捕虜 戦傷 総計

ソ連軍 タス通信[528] 1939年10月 300名 – 400名 900名 1,200名 – 1,300名
ジューコフ報告書 1939年11月 1,701名 7,583名 9,284名
極東国際軍事裁判判決文 1948年11月 9,000名
大祖国戦争史(1941〜1945)[529] 1960年 9,284名
ロシア国防省戦史研究所ワルターノフ大佐の報告[12] 1991年8月 4,104名 94名 14,619名 18,815名
戦争、軍事行動および軍事紛争におけるソ連軍の損害[530] 1993年 7,974名 15,251名 23,926名
20世紀の戦争におけるロシア・ソ連:統計的分析[18][531] 2001年 9,703名 15,952名 25,655名
モンゴル軍 ロシア国防省戦史研究所のワルターノフ大佐の報告[12] 1991年8月 165名 401名 566名
モンゴル戦史研究所 2001年 280名 710名 990名

2016年時点で最新のソ連軍・モンゴル軍の人的被害は下記の通りである。

ソ連軍戦死:9,703人[16]
戦傷:約15,952名[16](約16,000名とする見解もある)
    ソ連軍合計:約25,655名[16][531][18]
モンゴル軍死傷者990名[18]
    ソ連軍・モンゴル軍合計:26,645人[16][18]。

ソ連軍の損失率はノモンハン事件の全期間を通じて高い水準で推移し、投入兵力に対するソ連軍の損失率は34.6%の高い水準に達した。これは同じソ連軍の攻勢における損失で、後の第二次世界大戦での東部戦線の激戦の一つであるクルスクの戦いにおける、最大の激戦地区となった南部戦区の損失率13.8%を大きく上回る損失率となっている[532]

日本軍は事件直後には、ソ連軍の損害を比較的正確に把握していた。停戦後1939年10月17日に参謀本部作戦課長稲田正純大佐らが纏めた報告書『ノモンハン事件に関する若干の考察』にて、「(ソ連軍)人員ノ死傷ハ恐ラク弐萬に及ビ」とソ連軍の死傷者は20,000名前後だと捉えていた[533]。

事件当時、あまりにも莫大に発生したソ連軍の戦傷者を寝かせるベッドが全く足らず、ノモンハンに近いソ連の都市チタは負傷者で病院は満杯となり、溢れた負傷者はイルクーツクや西シベリアの各都市に送られ、さらにはソ連の欧州部であるクリミア半島やコーカサスにも送られている[503]。その様子をソ連の駐在武官補佐の美山要蔵中佐が目撃しており「ソ連軍も相當な損害を得まして、シベリア極東方面の病院には概ね九千余名を収容しております。尚モスコウ(モスクワ)方面には医者を要求しているし、駅の待避線に入っている病院列車を見ます」と報告している[534]。

装甲車輌損失
鹵獲したソ連軍のBT-5戦車・FAI装甲車の上で万歳斉唱する日本軍兵士

車種別損失数[535] 兵器名 損失数 備考
BT-7 59 通常型30・無線機搭載型27・火力支援型2
BT-5 157 通常型127・無線機搭載型30
T-26 20 通常型8・kHT-26化学戦型10・kHT130化学戦型2
T-37 17
BA-3 8
BA-6 44
BA-10 41
FAI装甲車 21
BA-20 19
T-20 9
SU-12 2
合計 397

これ以外にも多数の戦車・装甲車輌が撃破され修理されたが、数が膨大で特定は困難である[535]。また、ソ連軍の装甲車輌の損害は800輌以上とする見解もある[531]

航空機損失
撃墜されたソ連軍戦闘機I-15bis
機種別損失数[17] 兵器名 損失数 備考
I-16 109 うち4機が翼内にShVAK機関砲 2丁を搭載したI-16P型
I-15bis 65 I-15の改良型
I-153 22
SB-2 52
TB-3 1
R-5 2
合計 251 うち非戦闘損失43

日本軍による戦果報告では航空戦にて撃墜したソ連軍機は1,340機とされ[328]、航空戦のほかにも高射砲攻撃で180機、戦車で26機、歩兵攻撃で3機が撃墜したと報告した[531]。日本軍は事件後も1300機撃墜を喧伝し、地上では負けていたものの航空戦は例外的勝利だったと主張、その認識は戦後も消えなかった[536]。第24戦隊長だった梼原秀見少佐は「確実撃墜じつに1200機を越え、我が方の損害50機足らず…類例のない嘘のような事実」と揚言し、従軍記者の入江徳郎は1958年に発売した著作「ホロンバイルの荒鷲」で「空中戦では文字通り圧倒していた」と回想した[536]。しかし、1980年代以降には航空戦の実態が明らかとなっていき、飛行第11戦隊所属の滝山和大尉が「初期は楽勝、中期は五分五分、後期は劣勢」「やっと生き残ったなという実感、後期は負けであったと思った」と証言した[536]。ソ連邦崩壊後は被害の実態が明らかとなった。ソ連空軍の被害は戦闘損失207機で、日本の損失176機との比率は1対1.2であった[537]。ただしこの比率はソ連側の戦闘損失と日本側の大破・未帰還数を比べた結果であり、両軍の分類基準が異なる以上単純な比較は出来ないともされている[536]。』

新年早々の大量爆死事件の原因は、…。

新年早々の大量爆死事件の原因は、…。
https://st2019.site/?p=20777

『2023-1-6記事「Rheinmetall to Build Explosives Factory in Hungary Amid Ammunition Shortage」。

 ラインメタル社は、ハンガリー国内に、砲弾工場を建設する。ハンガリー国有企業の「N7」との合弁事業。
 製造開始は2027年からの予定だ。
 完成後は工場はハンガリー政府が完全所有する工廠となる。そしてドイツはその製品の上客となる。

 ※新年早々の大量爆死事件の原因は、プー之介の大晦日メッセージを全員でリモート謹聴するように、という連隊長の命令で、兵隊どもが集会所(大ホール)に集められていたせいだった――という真相を、生き残った兵隊がSNSで暴露している。

かたやロシア国防省はますます子供じみ、「ウクライナ軍の宿舎ビルをミサイル攻撃し、600人を殺して仇を取った」といった体の嘘ニュースを真顔で流し始めている。てことはやっぱり600人くらい殺されていたのか。ノモンハンのときと同様に、自軍損害の発表値は実数の十分の一か?』

今次ウクライナ戦争前、ロシアの国庫歳入のうち45%は、石油と天然ガスの輸出の儲けに依拠していた。

今次ウクライナ戦争前、ロシアの国庫歳入のうち45%は、石油と天然ガスの輸出の儲けに依拠していた。
https://st2019.site/?p=20777

『Sergio Miller 記者による2023-1-7記事「Russian oil and gas industry: the impact of sanctions」。

 今次ウクライナ戦争前、ロシアの国庫歳入のうち45%は、石油と天然ガスの輸出の儲けに依拠していた。これがロシア戦費のベースだから、戦争勃発と同時に欧米は、この部門に経済制裁を加えた。

 2021年の統計によると、ロシアは470万バレル/日の原油を国外へ輸出していた。それは世界の石油供給量全体の14%を占めていた。

 戦争前、欧州は、ロシア原油を240万バレル/日、輸入していた。

 そのうち、全長5500kmの「ドルジバ・パイプライン」によって欧州の精油所まで圧送されていたのが、75万バレル/日。
 残りは、タンカーによって、欧州の諸港まで運ばれていた。

 ロシアは天然ガスでは米国に次ぐ世界第二の生産国である。

 2021年に欧州が輸入した天然ガスのうちほぼ4割は、ロシア産天然ガスだった。
 最大の買い手は、ドイツ、トルコ、イタリアだった。

 2021年にロシアが中共に「シベリア・パイプライン」を通じて売った天然ガス量は、欧州向けの輸出量の6%ちょいである。

 LNGの形態でロシアが輸出した天然ガスは、2021年において、世界のLNG取引量の8%だった。LNG輸出国の中では、ロシアは輸出量が第四位であった。

 今次戦争前、米国はロシアからも原油と石油製品を輸入していた。それは総輸入量の8%だったが、2022-3に、天然ガスとともに全面禁輸。(ロシアからの天然ガス輸入量は、ほぼ無視できるレベルだった。)

 2022-12初旬、EUはタンカーで運ばれるロシア産の石油の輸入を停止した。またロシア産石油製品の全面禁輸は2023-2からスタートする。これは、スロヴェニアやハンガリーがドルジバ・パイプラインにものすごく依存してしまっているための遅れである。

 米国とEUと同盟諸国は、2022-12から、ロシア産原油をバレルあたり60ドルを超えた値段では買わないことを申し合わせた。これに対してプー之介は、2023-2から5ヵ月間、石油をそれら諸国に売ることを禁ずるという正式命令を国内に出している。

 このキャップ規制、ロシア産の天然ガスには、かけられていない。
 しかしEUは、ロシアからの天然ガス輸入を「三分の二」減らすことで合意している。
 英国は、もともとロシア産天然ガスをわずかしか輸入していなかったので、2022末に全面禁輸とした。

 ロシアは「ノルドストリーム1&2」をわざわざ水中爆破したことで、EUの努力目標「三分の二」削減のオーバー達成を助けてしまった。
 すなわち、戦争前はEUは全天然ガスの40%をロシアから買っていたのに、いっきょにそれが4%に落ち込んだ。
 おそらくロシアはEUという最上のガス市場を永久に失ったと見ていいだろう。

 EUも、これからはロシアに天然ガスをほとんど依存しないようになるであろう。

 石油に関する対露経済制裁は2022-12-5に発動されたばかりだが、すでにロシアはタンカーによる石油輸出量を22%減らしている。

 この制裁にともなって、インド、中国、トルコの3国が、ロシア産原油のタンカー輸出全体の70%を買いつけるようになった。

 どのくらい買い叩いているか。2022-12中旬のウラル原油は、バレルあたり30ドル以下で買い取られた。これは世界ベンチマークであるブレント原油よりも安い。

 インドが最も得をした。戦争前は全石油輸入の2%しかロシアから買っていなかったのだが、いまやロシア石油の最大の買い手である。ただし、ディスカウント価格で。

 中共は、買い増したようでも、全需要の7%にあたる石油しか、ロシアからは買っていない。ロシアの必死の売り込み努力にもかかわらず。

 ※深入りすると弱みを握られるとよく分かっている。』

ベトナム産の電子部品をカザフスタンまで鉄道列車で運搬。

ベトナム産の電子部品をカザフスタンまで鉄道列車で運搬。
https://st2019.site/?p=20777

『2023-1-3記事「First Vietnam-China-Kazakhstan route opens」。
   ベトナム産の電子部品をカザフスタンまで鉄道列車で運搬。2022-12-31からあらためて。

 貨車は、南支の「萍【くさかんむりにサンズイに平】郷」市駅を始発。
 西安のドライポート(コンテナ載せ換え拠点)を経由して、カザフに入る。 ※旧ロシア圏とのゲージ差の都合?

 積荷は、ベトナムの工場で製造された電子部品である。

 従来、ベトナム製の電子部品は、海送によって、中央アジア諸国(スタン国家群)へ搬入されていたものだった。これには50日を要してしまう。

 鉄道を使えば、25日間で製品を輸送できる。

 じつは2022-3から、ダナン駅を発した貨物列車が時々このルートでヨーロッパまで製品を運んでた。行き先は、ベルギーのリェージユ、ドイツのハンブルク、イタリアのメルツォ。

 それが再注目されているのは、じつは中共の企業は、安い労働力を求めて、どんどんベトナムに工場を移転させているから。

 大問題がある。ベトナムの鉄道ゲージは、「メートル・ゲージ」といって、中共の国際標準ゲージ(日本の新幹線と同じ)と異なっているのだ。これは大ネックである。

 昨年10月末、これを相談するためベトナム共産党の大物が訪支して、ベトナム鉄道のゲージを標準ゲージに改軌する手伝いを中共がしようじゃないかということになった。

 ※あらためてベトナム戦争を振り返ると、ソ連の援助物資を貨物列車で北ベトナムまで届けようとしたときに、とほうもない面倒に直面したと理解できる。

ゲージが2回、変わるのだから。

それでいっそのこと、中越国境で当初は「自転車」、のちにはソ連製「トラック」に物資を載せ換えて、ホーチミンルートを南下させることにしたのだ。

ちなみに米軍が南ベトナムの鉄道網を無視していたのは、任意の海岸から荷揚げすれば、あとは短い距離のトラック輸送でおおかた用が済んでしまう地勢だったから。またハイフォン港の機雷封鎖がどうして有効だったのかも分かる。支那鉄道など使わせていただくよりも、自国の貨物船で直接に搬入した方が、ソ連にとっては百倍気が楽だったのだ。』

※雑報によると、バフムトの近くには、岩塩と石膏の大貯蔵施設が複数あり…。

※雑報によると、バフムトの近くには、岩塩と石膏の大貯蔵施設が複数あり…。
https://st2019.site/?p=20775

『※雑報によると、バフムトの近くには、岩塩と石膏の大貯蔵施設が複数あり、プリゴジンは、褒美としてそれを私有してもいいぞよとプー之介から言われている。だから必死でワグネルを戦闘させているのだという。』

キエフ軍の地下要塞があるソレダルをロシア軍は制圧へ

キエフ軍の地下要塞があるソレダルをロシア軍は制圧へ | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
view-source:https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202301090000/

『ロシア軍とウクライナ軍はドネツクのバフムート(アルチョモフスク)で戦闘を続けてきたが、キエフのウォロディミル・ゼレンスキー政権が送り込んだ部隊の戦死者はロシア側より一桁多く、壊滅状態とも言われていた。そして現在、ロシア側のソレダル制圧は時間の問題になっている。

 ソレダルの地下には岩塩の採掘場所があり、その深さは150メートルから280メートル、空間の高さは30メートル、全長は200キロメートルに達し、鉄道も敷設されている。平和時には観光の名所で、イベントも行われていた一種の「地下都市」だが、今はウクライナ軍が「地下要塞」として使っている。武器や機密文書が保管されているほか、トンネル内を戦車や装甲車も走行でき、部隊の移動も可能だ。

 つまりソレダルは重要な軍事拠点で、ロシア側はワグナー・グループをはじめとする部隊が攻撃、ウクライナ軍も戦力をバフムートに集中させてきた。両軍が激しい戦闘を繰り広げてきた理由はここにあると言われている。勿論、ロシア側が岩塩を欲しがっているわけではない。

 ウラジミル・プーチン露大統領は1月6日から7日にかけて停戦すると一方的に宣言した。1月7日はユリウス暦の12月25日にあたり、東方正教会の伝統に基づくクリスマスだ。この停戦をキエフ政権は無視して攻撃を続けた。

 ロシア政府が一方的に停戦を宣言した意図は不明だが、キリスト教のロシア政府と悪魔主義者のキエフ政権という印象を人びとに示したかったのかもしれない。

 ソレダル制圧作戦が完了した後、ロシア軍は新たな軍事作戦を始める可能性がある。』

ロシア軍がバフムート周辺で大きな前進を遂げる、ソレダルの防衛ラインを突破か

ロシア軍がバフムート周辺で大きな前進を遂げる、ソレダルの防衛ラインを突破か
https://grandfleet.info/russia-related/russian-forces-make-major-advances-around-bakhmut-might-break-soledars-defense-lines/

『2023.01.7

どうやらロシア軍はバフムート周辺の戦いで大きな前進を遂げ「ソレダルを守るウクライナ軍の防衛ライン」を突破した可能性があり、ここを守るウクライナ軍部隊は「市内北部への後退」「ソレダル自体から脱出している」という報告もある。
まだ未確認な情報が多いの断言は出来ないものの「バフムート周辺の戦いに大きな変化が生じようとしている」というのは確実

情報が錯綜しているので記事にするのを1日待ってみたのだが、どうやらロシア軍はバフムート周辺の戦いで大きな前進を遂げた可能性が高く、ウクライナ軍はソレダル市内の防衛ラインをロシア軍とワグナーに破られて市北部に後退もしくは「包囲されるのを防ぐためソレダル自体の放棄」に動いている可能性がある。

出典:GoogleMap バフムート方面の戦況予想/管理人加工(クリックで拡大可能)

英国防省は数日前「ロシア軍によるバフムート周辺の攻勢はピークを越えたため、今後数週間のうちに大きな突破口を開くの可能性は低い」と発表していたが、西側の観察者もロシア側も情報源も「ソレダルでロシア軍が大きな前進を遂げ、ここを守るウクライナ軍は中央エリアを放棄して北エリアに後退している」と指摘しており、ロシア軍とワグナーはソレダルに強力な部隊を投入して3方向から攻撃を仕掛けているらしい。

ロシア軍はソレダル市内の防衛ラインを突破して北エリアにも侵入した視覚的な証拠が確認され、ソレダルの両側面からT0513に向かって前進して「街を守るウクライナ軍の退路を断とうとしている」という指摘を裏付ける視覚的な証拠(ソレダル市内からT0513方向にウクライナ軍部隊が脱出していることを示唆する動画)も登場しており、ウクライナ軍はソレダルを放棄するのかもしれない。

Location/ pic.twitter.com/pbzOa95s7G

— The Cube (@War_cube_) January 6, 2023

At least 3 days old video showing UA Forces leaving Soledar.
Geoloc : 48.699690, 38.052278. East to west along the road.

Planified retreat over the week maybe ?@GeoConfirmed @DefMon3 @AndrewPerpetua pic.twitter.com/OUuxQv0egv

— Ukr240222 (@ukr24022) January 6, 2023

#RussianArmy, #DPR and #LPR forces continue advancing in Soledar/Соледар city and took control over parts of Soledar Salt Mine 1, 2 & 3 and the rest of urban areas east of the cemetery. #UkrainianArmy is still present in Yurchyna Gora district.
Map: [ https://t.co/OY2w8ivWqa ] pic.twitter.com/ti7FIjvRpU

— @Suriyak (@Suriyakmaps) January 6, 2023

まだ未確認な情報も多いので断言は出来ないものの「バフムート周辺の戦いに大きな変化が生じようとしている」というのは確実で、この方面を守るウクライナ軍にとっては非常に厳しい状況だ。

特にロシア軍がT0513方向に突破するとバフムート方面だけでなくシヴェルシク方面が危なくなってくるため、リシチャンシクを失う原因となったポパスナやトシキフカを起点にした包囲作戦の再現になれば、シヴェルシクからリシチャンシクに伸びる突出部は後退を強いられるだろう。

出典:GoogleMap バフムート方面の戦況予想/管理人加工(クリックで拡大可能)

仮にそうなればクレミンナ南部の森林地帯から同拠点に迫る「ウクライナ軍の攻め手」も引っ込めるしかなく、ロシア軍の前進を何ヶ月も阻止してきた「ソレダルの放棄」はウクライナ軍の作戦運用に相当な影響を及ぼすはずだ。

関連記事:ウクライナ侵攻314日目の戦況、ロシア軍がバフムート攻勢に全力を傾ける

 ※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ロシア関連 コメント: 22 』

27日目に突入したラチン回廊の封鎖、誰にも問題の出口が見つからない

27日目に突入したラチン回廊の封鎖、誰にも問題の出口が見つからない
https://grandfleet.info/european-region/blockade-of-the-rachin-corridor-rushed-into-the-27th-day-no-one-can-find-the-exit-of-the-problem/

『ナゴルノ・カラバフ地域(アルツァフ共和国)とアルメニアを陸路で結ぶラチン回廊の封鎖は27日目に突入、海外メディアは「ステパナケルトの商店や病院から食料品や医薬品が消えた」と報じているが、この問題の出口は誰にも見えてない。

参考:Nagorno-Karabakh: Empty shops and blockade pile pressure on Armenians
参考:Ադրբեջանցիները փորձել են մտնել Մարտակերտի Կաշենի հանքավայր, անվտանգությունը չի թույլատրել. Տիգրան Պետրոսյան
参考:Azerbaijan demands Karabakh mine access as condition to end protests blocking road
参考:Karabakh’s Askeran region stores have run out of essential goods, administrative head says

アルメニア人にナゴルノ・カラバフ地域を諦めさせるためには「究極の手段」しかないのかもしれない

2020年に勃発したナゴルノ・カラバフ紛争の結果、アゼルバイジャンはアルメニアに奪われた土地の大部分を回復、ロシアは両国が署名した停戦協定に基づき平和維持部隊を派遣、ナゴルノ・カラバフ地域とアルメニアを陸路で繋ぐ「ラチン回廊」の通行権の確保に努めていたが、アゼルバイジャンが停戦協定に基づきラチン、サス、ザブフを迂回する新ルートのラチン回廊を提供、これを受けてロシアの平和維持部隊は「ラチンの管理権」を昨年8月にアゼルバイジャンへ移譲した。

出典:Google Map 管理人作成(クリックで拡大可能)

しかしアゼルバイジャン側の環境保護主義者は「カシェニ鉱山での違法採掘を停止しろ」と新ラチン回廊で抗議活動を始め、道路上にテントを張って車輌の通行を事実上封鎖してしまい、この封鎖は27日目に突入したため海外メディアは「ステパナケルトの商店や病院から食料品や医薬品が消えた」と報じている。

この問題は「自国領ナゴルノ・カラバフで天然資源の調査を行おうとしたアゼルバイジャン側の立ち入りをアルツァフ共和国が阻止した」のが発端で、独立を主張するアルツァフ共和国側はアゼルバイジャン側が再三要求した立ち入り調査を拒否、そのためアゼルバイジャン側は環境保護主義者を自称する人間を使って合法的=限りなくグレーなやり方で新ラチン回廊を封鎖、アルツァフ共和国側が天然資源の立ち入り調査を受け入れれば「抗議活動を停止する=封鎖の解除」と主張しているらしい。

出典:The Prime Minister of the Republic of Armenia

もうナゴルノ・カラバフ地域の問題は複雑過ぎて「誰が悪いのか」を認定するのは不可能に近く、ここ最近の出来事だけで言えば「パシニャン首相がナゴルノ・カラバフ地域をアゼルバイジャン領の一部だと認める協定に署名する意向を表明」「アルツァフ共和国が反発して独立を主張」「イランも国境変更を伴うような協定締結に反対」「和平交渉に進展がないため痺れを切らしたアゼルバイジャン側がアルメニア側の一部領土を占領(和平協定を締結していない両国は互いの領土を相互承認していないため侵攻と定義できるのか微妙)」など盛りだくさんで、EU・フランス主導やロシア主導の和平交渉も行き詰まっている。

つまりアゼルバイジャンは「ナゴルノ・カラバフが主権を及ぶ自国領である」という点で絶対に譲ることが出来ないため、限りなくグレーなやり方で「天然資源の立ち入り調査」を認めさせようとしており、アルツァフ共和国も「立ち入りを認めればアゼルバイジャン主権を受け入れた」と解釈されるため絶対に容認出来ず、アルメニアも状況を利用して国際社会に「ステパナケルト空港の再開=アゼルバイジャン主権の制限」を訴えるなど、この状況を打開する出口は誰にも見えていない。

出典:NEWS AM パシニャン首相が表明した和平協定への署名に反対するアルメニア人

因みに現地メディアは「新年を祝う余裕はなく商店にはキャンディ、飲料品やジュース、一部の家庭用品しか残っていないが大きな混乱はない。人々は缶詰などの食料備蓄を持っており、農園や家畜を飼育している農村が都市部に食料を供給している。備蓄された小麦のお陰でパン工場も稼働中で医療品も今のところは不足していない」と報じているため、アルツァフ共和国で人道的災害が直ぐに発生する可能性は低く、この点も同問題を長期化させる要因の一つだと言えるだろう。

結局のところアルメニアが和平協定に署名しない限り「第二次ナゴルノ・カラバフ紛争」が勃発するのは時間の問題で、和平協定に署名しても高い確立でパシニャン首相は政権の座から引きずり下ろされ、強行路線を主張するグループが政権を握ると「武力での打開」を試みる可能性が高く、アルメニア人にナゴルノ・カラバフ地域を諦めさせるためには「究極の手段」しかないのかもしれない。

関連記事:アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフがアゼル領だと認める協定に署名か
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 ※アイキャッチ画像の出典:Aykhan Zayedzadeh/CC BY-SA 4.0
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 25 』

ロシア軍が攻勢をかけるバフムート周辺の戦い、状況的には非常に際どい

ロシア軍が攻勢をかけるバフムート周辺の戦い、状況的には非常に際どい
https://grandfleet.info/european-region/the-battle-around-bakhmut-where-the-russian-army-is-on-the-offensive-the-situation-is-very-critical/

『ウクライナ軍東部司令部はロシア軍の攻勢を認めつつ「依然としてソレダルを支配している」と主張、しかしロシア軍は市中心部に向けて前進しているのが視覚的に確認されており、バフムートの東に位置するピドロドネも失った可能性がある。

参考:В Соледаре тяжелые кровопролитные бои, но россияне не контролируют город – Череватый

バフムートの南側ではなく東側で攻勢をかけてきたロシア軍、そろそろ敵の前進を止めないと不味い状況

ウクライナ軍東部司令部は7日、ロシア軍が攻勢に出ているソレダル方面の戦いについて「血なまぐさい激しい戦闘が行われているもののロシア軍の支配下ではない。現地の詳細な状況を後日明かす」と述べたが、ソレダル中心部に向けてロシア軍は前進している。

出典:GoogleMap ソレダル方面の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

戦況マップに記述されたⒶ=48.702793, 38.067428とⒷ=48.703772, 38.069507で見つかった視覚的な証拠は「ロシア軍がソレダルの北から市内に侵入してウクライナ軍と交戦していることを示すもの」と、Ⓒ=48.691451, 38.072295で見つかった視覚的な証拠は「ソレダルの駅近くをロシア軍が支配していることを示すもの」なので、ソレダルの約半分がロシア軍の支配下にあると解釈するのが妥当だろう。

Ⓓ=48°41’39.7″N 38°03’29.5″Eで見つかった視覚的な証拠は「ソレダル市の中心部にある岩塩坑施設をロシア軍から取り戻したを示すもの」と言われているが、ここまでロシア軍が侵入していたという報告は今のところなく、一時的にロシア軍の最先端が岩塩坑施設まで到達していたのかもしれない。

出典:Twitter Telegram

さらにワグナーは「バフムートの東に位置するピドロドネを支配している」と主張、ウクライナ軍兵士がピドロドネから撤退している視覚的な証拠も確認されているため、同拠点はロシア軍の支配下に入った可能性が高い。

ここをロシア軍に抑えられるとスラビャンスクからシヴェルシクに向かうM03とT0513の接続部=パラスコヴィーフカやクラスナ・ホラが危なくなるため際どい状態だが、果たしてロシア軍の攻勢はどこまで続くのだろうか?

Looks like they are leaving Pidhorodne settlement via the only available road, here 48.634749, 38.024376. https://t.co/wBtpAY3dIF

— MilitaryLand.net (@Militarylandnet) January 6, 2023

因みに3日頃からロシア軍の東部戦線における砲撃範囲が急増(ウクライナ軍参謀本部の発表で確認)していたが、ソレダル方面の防衛ラインが突破されたのは「ロシア軍がここに砲兵戦力の火力を集中したため」という指摘があり、これが事実なら「ウクライナ軍は単純に火力で押されている」という意味になるため興味深い傾向だ。

関連記事:ロシア軍がバフムート周辺で大きな前進を遂げる、ソレダルの防衛ラインを突破か
関連記事:ウクライナ侵攻314日目の戦況、ロシア軍がバフムート攻勢に全力を傾ける

 ※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 15 』