ロシアの武器生産は制裁下でも拡大、巡航ミサイルの生産は月26発から50発に増加

ロシアの武器生産は制裁下でも拡大、巡航ミサイルの生産は月26発から50発に増加
https://grandfleet.info/european-region/russias-weapons-production-expands-even-under-sanctions-cruise-missile-production-rises-from-26-to-50-per-month/

『ウクライナ国防省は「インフラ攻撃に使用される巡航ミサイルをロシアは1ヶ月に45発~50発生産できる」と発表、昨年11月の数値と比較して生産量が約2倍に増えているため「制裁回避の物流ルート」によってロシアの武器生産は拡大している。

参考:Россия ждет новые дроны и готовит ракеты для следующего удара – Скибицкий
参考:В ВСУ заявили, что будут сбивать “Шахеды” из всего, что есть, хоть это и дорого

制裁でロシアの武器生産は停滞するのではなく拡大、現在のペースで生産が続けばKh-101とKalibrを年間540発~600発供給できる

ウクライナのレズニコフ国防相は昨年11月「2月23日以降にロシアは弾道ミサイルのIskanderを48発、巡航ミサイルのKalibrとKh-101を各120発づつ生産した」と明かしていたが、ウクライナ国防省の情報総局は4日「インフラ攻撃に使用されるKh-101を月30発、Kalibrを月15発~20発ほど生産できる」と発表、巡航ミサイルの生産は月26発から45発~50発に増えており、制裁回避の物流ルートに支えられたロシアの武器生産は拡大している。

出典:Vitalykuzmin.net/CC BY SA 4.0

さらに「ロシアはウクライナに対するインフラ攻撃を維持するため高度な精密誘導兵器、S-300の迎撃弾、無人機を組み合わせた戦術を採用している」とも明かし、レズニコフ国防相も昨年末「対地攻撃モードで使用されるS-300の迎撃弾は200km~220km先の目標に到達する」と言及しているため、ロシア軍はウクライナの北部と西部を攻撃するため巡航ミサイルと無人機を、ロシア国境や占領下地域に近い中央、南部、東部を攻撃するためS-300の迎撃弾と無人機を使用している可能性が高い。

備蓄が6,000発以上もあるS-300の迎撃弾だけでウクライナのほぼ半分をカバーできるため、月に45発~50発ほど供給される巡航ミサイルとShahed-131/136を組み合わせれば「インフラ攻撃の手段は当分尽きない」と解釈できるため非常に興味深いが、情報総局は「これまでにロシア軍が使用したShahed-131/136は約660機で、発注してある1,750機の出荷が近いという情報もある。1回の出荷量がどの程度になるかは不明だが250機~300機単位で引き渡される可能性が高い」とも明かしている。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

因みにウクライナ空軍の報道官はニューヨーク・タイムズ紙の報道(無人機の迎撃コスト問題、ゲパルトのようなレーダーと連動した対空砲が必要を参照)に反応して「命が危機に晒されているなら全ての手段を講じる。高価なNASAMS、IRIS-TSL、パトリオットもShahed-131/136の迎撃に使用する」と主張、特に「イスラエルも安価なロケット弾を高価な対空機器で迎撃している。40kgの爆薬を搭載したShahedが重要なインフラを攻撃して火災が発生すれば民間人に被害が及ぶため、攻撃手段と迎撃手段のコストだけを比較して妥当性を語るのは間違っている」と述べているのが興味深い。

イスラエルはハマスが発射する500ドル~600ドルのロケット弾攻撃を高価なアイアンドームの迎撃弾(推定4万ドル~10万ドル)で迎撃しているため「我々も同じだ」と言いたいのかもしれないが、イスラエルは自前で用意した兵器での対応であり、ウクライナは西側諸国が無償で提供する兵器での対応なので、忖度なしに言えば「イスラエルと同じことをしたいなら自前で高価な迎撃弾を用意すべきで、それが不可能なら支援する西側諸国の懐具合や供給能力を考慮した対応を求められる」と言ったところだろう。

出典:Raytheon NASAMS

勿論、報道官の主張は人道的に正しいため西側諸国も高度な防空システムの提供に応じているわけだが、高度な防空システムで使用される迎撃弾は「このような消耗に耐えられるほど製造されていない」というのもネックで、Shahedの迎撃コストを引き下げないと何れウクライナ軍の防空シールドは迎撃弾不足に陥るのは目に見えており、持続可能な防空シールドの構築が急務と言える。

追記:現在のペースで生産が続けばロシアはKh-101とKalibrを年間540発~600発生産でき、米国製のトマホーク供給能力が年間100発~150発なので「540発~600発」という数字は非常に大きい。

関連記事:無人機の迎撃コスト問題、ゲパルトのようなレーダーと連動した対空砲が必要
関連記事:ウクライナ国防相、対地攻撃モードのS-300は最大220km先の目標に到達する

 ※アイキャッチ画像の出典:Dmitry Terekhov/CC BY-SA 2.0 Kh-101を搭載したTu-95MSM
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 25 』