侵入してきた北朝鮮軍のUAVにお手上げの韓国軍、効果的な対応システムがない

侵入してきた北朝鮮軍のUAVにお手上げの韓国軍、効果的な対応システムがない
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/south-korean-military-is-helpless-against-intruding-north-korean-uavs-no-effective-response-system/

『北朝鮮は26日に5機の無人機を韓国北西部の領空に侵入させ、内1機はソウルの金浦市と坡州市の間をすり抜けてソウル市内に侵入、龍山にある大統領執務室の近くを飛行して北へ飛び去ったため、首都防空の脆弱性が露呈したと指摘されている。

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現時点でも最も効果の高い対無人機対策は人海戦術による肉眼監視とMANPADSを組み合わせた方法だろう

韓国軍によれば北朝鮮の無人機は小型で低空から侵入してきたためレーダーで継続な追尾を行うが困難=目標の検出と消失を繰り返し、大統領執務室の近くを飛行して北に進路をとった後の飛行コースは分かっていない=恐らく北朝鮮に戻ったと推定されており、韓国軍は戦闘機や攻撃ヘリなどを繰り出して迎撃(攻撃ヘリが20mm機銃を100発以上発射)を試みたものの失敗に終わっている。

出典:Google Map/管理人加工

今回の件は韓国軍の失態というよりも各国に共通する問題が露呈したと言うべきで、低空を飛行する小型無人機を従来のセンサーで検出するのが如何に難しいか、位置が分からない無人機の迎撃に戦闘機や攻撃ヘリを繰り出したとことで目標捕捉は困難を極め、仮に発見できても目標が小さいため従来の照準装置で小型無人機を正確に撃ち抜くが難しく、小型無人機を効果的に無力化できると主張するカウンタードローンシステムは幾つか存在するものの「能力」が実証されたものは今のところ存在しない。

韓国陸軍が低高度をカバーするため運用するTPS-830KEは小型目標の検出能力が低く、韓国空軍が運用するGap Filler Radarも山岳特有の地形が影響して監視範囲に限界があり、陸軍首都防衛司令部は2019年にイスラエル製のカウンタードローンシステム(恐らくラファエル製のDrone Dome)を大統領府、国会、空港、軍事施設などに導入していたが、今回効果を発揮することがなかったため「首都防空の脆弱性が露呈した」と指摘されているのだ。

米国を含む複数の国が採用しているDrone Domeは3.5km範囲内の小型の無人機(RCS値0.002㎡)を検出できるレーダー(RPS-42)に加え、ハードキル(指向性のレーザーや高圧放水砲など)やソフトキル(電子妨害や制御用周波数の乗っ取りなど)で対象を無効化できるとラファエルは説明しているが、実戦で効果を発揮できなかったため現時点でも最も効果の高いは「人海戦術による肉眼監視とMANPADSを組み合わせた方法=ウクライナ軍が実践しているコストのかかる戦術」ぐらいだろう。

因みに偵察衛星などのISR戦力を保有しない北朝鮮は不足する認識力をカバーするため「約1,000機の無人機を保有している」と推定されており、中国製D-4を改良したBanghyon-IとBanghyon-II、中国製Sky-09PをコピーしたUAV、シリア経由で入手した米国製MQM-107Dを参考に開発した自爆型UAV、旧ソ連製のPchela1-TやVR-3Reysをベースに開発したUAVなど保有していると見られているが、弾道ミサイル技術と引き換えにイランから無人機技術を入手している可能性もあるため、もっと高度なUAVを保有している可能性もある。

ちょっとソースを失念したが北朝鮮の空軍基地を移した衛星写真に「見慣れない大型UAV」が写っているのが最近確認されており、中国製のUCAVに似ていると指摘されていたため北朝鮮は近代的な無人機を導入しているのかもしれない。

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 ※アイキャッチ画像の出典:한국 국방부 2014年に韓国で発見された北朝鮮軍のUAV
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投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 41 』