習近平氏3期目、「1極」体制が完成 台湾統一「公約」に

習近平氏3期目、「1極」体制が完成 台湾統一「公約」に
激動2022
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM096HW0Z01C22A1000000/

『2022年10月に開いた中国共産党大会で、習近平(シー・ジンピン)党総書記(国家主席)は異例の3期目続投を決めた。最高指導部の政治局常務委員に相次いで側近を引き上げ「1極」体制を完成させた。台湾統一を公約に掲げ、対外強硬路線も継続する公算が大きい。新型コロナウイルスの感染にどう対応していくかも含め、世界への影響力を高めた大国の行方から目が離せない。

新最高指導部のメンバーが公表された10月下旬、…

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『「会談の内容が新聞に漏れている」。習氏は会場でカナダのトルドー首相を呼び止めて苦言を呈した。前日の非公式会談の内容がカナダ紙に漏れたのが我慢ならなかったようだ。

習氏は叱責するかのようなきつい中国語で話し、トルドー氏の反論も遮って「(対話できる)環境をつくらないといけない」と注文をつけた。首脳外交では異例の振る舞いだ。習氏の演説や文章を研究する日本の大学教授は「少し前はあれほど尊大な態度ではなかったが……」と懸念する。』

『とくに懸念されるのは危機対応だ。地方政府と国有企業が過剰債務を抱えるなか、中国の潜在成長率は急速に下がっていく。地方金融機関で預金者の取りつけ騒動が散発するのは偶然ではない。金融危機の芽はあちこちに見え隠れする。

1997~98年のアジア金融危機、2015年の中国ショックのように市場が激しく動揺した場合、新指導部ではだれが「消防隊長」として火消しするのか。習氏に忠誠を誓う側近だけで固めた「1極体制」の本当の実力が試される。

(北京=羽田野主、川手伊織)』

『今回の党大会では李克強首相や劉鶴副首相ら「経済通」が指導部から外れた。中国は独自の広域経済圏構想「一帯一路」で東南アジアなど新興国へのインフラ投資を進めてきたが、資金が続かなくなっている。持続可能性が小さくなり、実力を伴わなくなるとみる。
習氏が台湾武力統一の時期を決めているとは思えない。共産党の歴史を振り返ると指導者は権力基盤を強くするため戦争を利用してきた。習氏が自らの地位が揺らいだと判断したときに危機が起きるかもしれない。』