米大統領選結果、副大統領に認定権限なし 法律で明確化

米大統領選結果、副大統領に認定権限なし 法律で明確化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2406E0U2A221C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米連邦議会上院は23日、大統領選での正副大統領の選出手続きを改める法案を可決した。2020年大統領選で敗れたトランプ前大統領がバイデン氏の勝利認定を妨害しようと試みた教訓を踏まえ、議会手続きの進行役となる現職の副大統領に選挙結果を認定したり覆したりする権限がないと明確にした。

バイデン大統領が近く署名し、成立する。

米大統領選は有権者が州ごとに各党の選挙人を選び、その選挙人が正副大統領を選ぶ間接選挙を採用している。各州から選挙人の投票結果を受け取った連邦議会が上下両院合同会議で結果を集計し、正式に正副大統領を選出する仕組みだ。

副大統領は合同会議の議事進行役を務める。トランプ氏は2021年1月6日の会議で当時副大統領だったペンス氏が認めなければバイデン氏の勝利を阻止できる権限があると考えた。支持者を前に演説でペンス氏を名指しし、バイデン氏の大統領就任を阻むよう迫った。ペンス氏は受け入れなかった。

同日に起きた連邦議会襲撃事件はトランプ氏の言動が要因になった。大統領選の勝利認定の手続き中だった議事堂にトランプ氏の支持者らが乱入し、死傷者が出た。事件にかかわったのは選挙結果に不満を持つトランプ氏の支持者が中心で、議事堂を一時占拠する異常事態に発展した。

米国の下院特別委員会は22日に公表した議会襲撃事件の最終報告書で「トランプらは20年大統領選の結果を覆すために1887年施行の選挙人集計法に違反しようと試みた」と断じた。

法改正で、合同会議での副大統領の役割は儀礼的なものだと定めた。選挙人について承認したり却下したりする権限がないと明らかにするのが目的だ。州の選挙人投票に異議を申し立てられる基準を上下両院議員の5分の1の支持に引き上げた。現行は上院、下院それぞれ1人の議員だけでできる。

トランプ氏は21日、自身が立ち上げたSNS(交流サイト)で法改正は不要だとの認識を示し「副大統領には権限があった。すべてが大きな詐欺だ」と反発した。

【関連記事】米議会襲撃事件、緊迫の187分 特別委が最終報告書 』