林外相、中央アジアと関係強化 対中ロで国際秩序維持要請

林外相、中央アジアと関係強化 対中ロで国際秩序維持要請
https://www.47news.jp/politics/8733754.html

 ※ 今日は、こんな所で…。

『林芳正外相は24日、中央アジア5カ国と東京都内で外相会合を開いた。中央アジアの持続的な発展に向け、人材育成や「成長の質」を重視した協力で関係強化を図る方針を伝えた。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の覇権主義的な行動を踏まえ、法の支配に基づく国際秩序維持へ連携を求めた。

 林氏は会合で「自由で開かれた国際秩序を維持、強化する上で重要なパートナーだ。日本と中央アジアの連携はこれまで以上に重要になっている」と協力強化を訴えた。

 会合では、エネルギー輸送路に関し、ロシアを経由しないカスピ海ルートの拡充に関し議論。中央アジアに隣接するアフガニスタン情勢も取り上げた。』

トルクメニスタンのガス、欧州に輸出構想 トルコなどと
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19CW50Z11C22A2000000/

トルクメニスタンの天然ガスパイプラインを取り巻く最近の情勢
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/res/projects/default_project/_project/pdf/1/1906/0801_out_j_tm_gas_pipeline3.pdf

更新日:2008/1/22 調査部:古幡 哲也

北朝鮮疑惑は「臆測」 紛争地で暗躍のロシア軍事会社

北朝鮮疑惑は「臆測」 紛争地で暗躍のロシア軍事会社
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122300874&g=int

『ウクライナ侵攻に協力するロシア民間軍事会社「ワグネル」の創設者エブゲニー・プリゴジン氏は22日、北朝鮮から武器を調達したと米国が非難したことについて「臆測に基づき多言を弄(ろう)している」と関与を否定した。通信アプリに声明を出した。

「欧州議会にハンマー送る」 決議で反発、ロ軍事会社が脅迫

 声明は、北朝鮮からではなく、米国製の武器を大量に調達していると主張。米国製が問題視されず、北朝鮮の疑惑が持ち出されるのは「不公平」だと反発した。

 プリゴジン氏は「プーチン大統領のシェフ」と呼ばれる実業家。ワグネルが関係を持つのは北朝鮮にとどまらない。派兵する中央アフリカの首都バンギで今月中旬、「ロシア文化センター」所長を狙った爆殺未遂事件が起きたが、所長はプリゴジン氏に近い米国の制裁対象の人物だった。ワグネルの代理人として機能し、現地であつれきを生んだもようだ。

 ワグネルが暗躍し始めたのは、ロシアがウクライナに軍事介入した2014年ごろ。米民間軍事会社の旧ブラックウォーターを参考にしたとも言われている。15年からのシリア軍事介入にも戦闘員を投入。アフリカの紛争国などに「顧客」を広げていった。

 今年のウクライナ侵攻では、ロシア軍の数万人単位に膨れ上がる戦死傷者を補う形で公然と活動。「求人」もロシア人に限らず、国籍付与を提示して中央アジア出身者を勧誘したり、恩赦と引き換えに受刑者を徴兵したりと、違法・脱法行為を繰り返した。これらは9月の動員令後、プーチン政権が合法化し、つじつまを合わせた。

 ワグネル自体、ロシア軍情報機関につながるとみられている一方で、プリゴジン氏とショイグ国防相には不仲説もある。実際、プリゴジン氏はチェチェン共和国の独裁者カディロフ首長ら強硬派と声をそろえ、劣勢のロシア軍を痛烈に批判。「プーチン氏に責任を負わせない」効果をもたらす一方、軍の権力闘争を反映したという見方が出た。 』

侵攻終結「早いほど良い」 徹底抗戦のウクライナ揺さぶり―プーチン氏

侵攻終結「早いほど良い」 徹底抗戦のウクライナ揺さぶり―プーチン氏
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122300665&g=int

『ロシアのプーチン大統領は22日、越年する見通しのウクライナ侵攻について「目標は戦争を終わらせることで、それを今もこれからも目指す。(終結は)早ければ早いほど良い」と述べ、停戦の可能性に言及した。ただ、ウクライナが停戦交渉を拒否しているとも主張。発言は、米国などの支援を受けて徹底抗戦の構えを見せるウクライナのゼレンスキー大統領を揺さぶるのが狙いとみられる。

侵攻10カ月、見えぬ停戦 ウクライナ、パトリオット供与歓迎―ロシアは強気崩さず

 モスクワで会合出席後、ロシア記者団に語った。有力紙ベドモスチによると、22日はプーチン氏が関係する国内行事の「仕事納め」。メディアに話す機会は、今年最後の可能性がある。

 プーチン氏は「あらゆる武力紛争は、何らかの外交交渉によって終わる」と強調。その上で今回の侵攻を巡り「われわれは(交渉を)拒否したことはない。(拒否したのは)ウクライナ指導部で、自ら交渉を禁じた」と指摘し、ゼレンスキー政権を批判した。

 侵攻に踏み切った今年の内政・外交の総括を求められると「理想的な状況というのは、計画や書類の上だけのものだ。ロシアは胸を張ってこの年を過ごした」と発言。「現状が将来の計画実現を邪魔する懸念は、少しも抱いていない」と自信を示した。

 ただ、今年3月を軸に調整していた「年次教書演説」は2月に始まった侵攻で延期の末、年内の実施を断念した。プーチン氏は「事態の激変」で日程調整が困難だったと弁明。「来年初頭に、もちろん行う」と約束した。

 ロシア産原油に上限価格を設けた西側諸国の追加制裁に関しては、26日か27日に大統領令で対抗策を打ち出すことも明らかにした。

 ペスコフ大統領報道官は22日、延期された年末恒例の大規模記者会見の代わりにプーチン氏がロシア記者団に語ったわけではないと説明した。』

ランブカ氏を次期首相に選出 野党3党が支持―フィジー

ランブカ氏を次期首相に選出 野党3党が支持―フィジー
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122400203&g=int

『【ウェリントン・ロイター時事】太平洋の島国フィジーの議会は24日、最大野党の人民連盟を率いるランブカ元首相を次期首相に選出した。

フィジー与野党、過半数届かず 首相決定に向け駆け引き―議会選

 14日の議会選以降続いていた政情不安に終止符を打った形だ。社会民主自由党は23日、人民連盟、国民連邦党と野党3党による連立政権を樹立する方針を確認。2006年のクーデター以降、権力の座にあるバイニマラマ首相の退陣を図った。
 議会で行われた無記名投票では、28人がランブカ氏に、27人がバイニマラマ氏に投票した。野党3党の議席数は29で、1人が造反したとみられている。
 南太平洋で米国と中国の影響力争いが激化する中、フィジーは戦略的にその中心に位置付けられてきた。ランブカ氏は「欧米流の民主主義を志向する」と表明している。 』

パリ中心部で発砲、3人死亡 人種差別が動機か

パリ中心部で発砲、3人死亡 人種差別が動機か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR23DTA0T21C22A2000000/

『【パリ=北松円香】23日現地時間昼ごろ、パリ中心部のクルド文化センターで発砲があった。男性2人と女性1人が死亡し、3人が負傷した。警察は69歳の男を容疑者として拘束した。男は過去に移民を襲撃しており、人種差別を動機とした犯行の可能性もある。現地メディアが伝えた。

現場はパリ10区のストラスブール・サンドニ駅近くで、クルド文化センターはパリのクルド人の人々が集う拠点だという。亡くなった3人はクルド人の活動家で、負傷者3人のうち1人は重体。犯行後、現場周辺はクルド人による抗議活動で一時騒然となった。

仏紙ルモンドなどによると男は2021年に移民のキャンプを襲撃して捜査の対象となった。1年の拘束後、拘束期限が来たため12月中旬に釈放されたばかりだった。

マクロン仏大統領は同日ツイッターで「フランスのクルドの人々が憎むべき犯罪の的となった」と犯行を非難し、被害者やその家族への見舞いの言葉を述べた。』

プーチン大統領、迅速な兵器供給指示 軍需企業関係者に

プーチン大統領、迅速な兵器供給指示 軍需企業関係者に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR240120U2A221C2000000/

『【ロンドン=大西康平】ロシアのプーチン大統領は23日、西部トゥーラ州で軍需企業の関係者を集めた会議に参加した。「最も重要な任務は最前線の部隊に必要な武器や装備を可能な限り短期間で提供することだ」と発言し、迅速な兵器供給を指示した。米国がウクライナへの追加支援を表明する中で、ロシア側も対応を迫られている。

ロイター通信などによると、西部トゥーラ州には大規模な軍需工場が存在する。プーチン氏は「戦闘経験を踏まえて、武器や装備を大幅に改善することも重要だ」とも話したという。ショイグ国防相も23日、中部イジェフスクの軍需企業の工場を訪れた。2023年に同工場への発注を大幅に増加させると述べたという。

ウクライナへの侵攻が長期化する中で、ロシア側の兵器の損失がかさんで供給が課題となっている。訪米したウクライナのゼレンスキー大統領に対し、バイデン米大統領は迎撃ミサイルシステム「パトリオット」を供与すると表明して支援を強化。ウクライナの厳しい冬に対応した装備も必要となっている。』

米大統領選結果、副大統領に認定権限なし 法律で明確化

米大統領選結果、副大統領に認定権限なし 法律で明確化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2406E0U2A221C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米連邦議会上院は23日、大統領選での正副大統領の選出手続きを改める法案を可決した。2020年大統領選で敗れたトランプ前大統領がバイデン氏の勝利認定を妨害しようと試みた教訓を踏まえ、議会手続きの進行役となる現職の副大統領に選挙結果を認定したり覆したりする権限がないと明確にした。

バイデン大統領が近く署名し、成立する。

米大統領選は有権者が州ごとに各党の選挙人を選び、その選挙人が正副大統領を選ぶ間接選挙を採用している。各州から選挙人の投票結果を受け取った連邦議会が上下両院合同会議で結果を集計し、正式に正副大統領を選出する仕組みだ。

副大統領は合同会議の議事進行役を務める。トランプ氏は2021年1月6日の会議で当時副大統領だったペンス氏が認めなければバイデン氏の勝利を阻止できる権限があると考えた。支持者を前に演説でペンス氏を名指しし、バイデン氏の大統領就任を阻むよう迫った。ペンス氏は受け入れなかった。

同日に起きた連邦議会襲撃事件はトランプ氏の言動が要因になった。大統領選の勝利認定の手続き中だった議事堂にトランプ氏の支持者らが乱入し、死傷者が出た。事件にかかわったのは選挙結果に不満を持つトランプ氏の支持者が中心で、議事堂を一時占拠する異常事態に発展した。

米国の下院特別委員会は22日に公表した議会襲撃事件の最終報告書で「トランプらは20年大統領選の結果を覆すために1887年施行の選挙人集計法に違反しようと試みた」と断じた。

法改正で、合同会議での副大統領の役割は儀礼的なものだと定めた。選挙人について承認したり却下したりする権限がないと明らかにするのが目的だ。州の選挙人投票に異議を申し立てられる基準を上下両院議員の5分の1の支持に引き上げた。現行は上院、下院それぞれ1人の議員だけでできる。

トランプ氏は21日、自身が立ち上げたSNS(交流サイト)で法改正は不要だとの認識を示し「副大統領には権限があった。すべてが大きな詐欺だ」と反発した。

【関連記事】米議会襲撃事件、緊迫の187分 特別委が最終報告書 』

米、伸び低迷で薄れる人口優位 移民問題は政権の急所に

米、伸び低迷で薄れる人口優位 移民問題は政権の急所に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240190U2A221C2000000/

『米国の強さを支えてきた「人口優位」が薄らいでいる。2022年の人口の伸びはやや持ち直したものの、前年に続く歴史的な低水準にとどまった。構造的な人手不足で労働市場の熱は冷めず、インフレを退治する利上げ局面の出口はかすむ。人口優位の柱である移民をめぐる党派間の対立は激しく、バイデン米政権の急所となっている。

「米国人は再び技術革新し、再び夢をみる」。バイデン大統領は22日、クリスマス前の演説に臨み、新型コロナウイルス禍を乗り越えて日常を取り戻したことに自信をみせた。だが、現実は厳しい。

米国勢調査局の22日の発表によると、22年7月1日時点の推計人口は3億3328万7557人と前年比0.4%増にとどまった。過去最低の0.1%台に沈んだ21年から上向いたとはいえ、年1%超で伸び続けた1990年代や年200万人超の増加を重ねた2000年代以降と比べれば、「崖」に近い低迷に直面している。

21年に38万人弱まで縮小した移民の純増幅は100万人超へと6年ぶりに拡大した。それでも16年の120万人超には届かず、人手不足から米失業率は3%台後半の完全雇用の水準にある。米連邦準備理事会(FRB)が強烈な利上げを続けても賃上げを伴う雇用の過熱が続き、どこまで引き締めればインフレが2%目標に落ち着くか見通せない。

米国は先進国の中でも例外といえる安定した人口増で社会の新陳代謝を進め、経済成長と競争力向上の源泉としてきた。「アワー・ワールド・イン・データ」によると、米国人の中位年齢は20年で37.5歳。日本の48歳、英国の39.5歳より若く、中国の37.4歳と並ぶ。40年に中国が48歳に高まっても、米国は41.5歳にとどまるとされる。

こうした優位の循環が揺らぐ。米国の合計特殊出生率は2010年代以降、2を下回り、低下傾向が続く。コロナ禍と薬物中毒のまん延で米国人の21年の平均寿命は76.4歳と20年より0.6年短くなった。2年連続で縮まり、96年以来の短さだ。

日本総研は、移民の頭打ちなど労働投入量の伸びの横ばいが続けば「2%弱と推計されている米潜在成長率は26年にかけて1.5%台に低下する」とみる。

22年にカリフォルニアやニューヨークなど18州が人口減となるなか、2%近く急増したフロリダ州では「デサンティス知事のおかげで経済が好調だ」(同州オーランドの観光業者)との声があがる。同知事は11月の中間選挙で民主党の対立候補に20ポイント近い大差で再選を決め、24年次期大統領選の共和党の有力候補に躍り出た。

米国がライバルとみる中国は今後、高齢化と人口減が急ピッチで進む。米国にとって人口優位を保つことは安全保障上も重要となるが、子供を持つかどうかという個人の究極の選択を政策で誘導することはただでさえ難しく、短期に効果は上がらない。

移民国家への回帰には高い政治の壁が立ちはだかる。メキシコと接する南西部国境での不法移民の拘束は22会計年度(21年10月~22年9月)に約238万人と前年度より4割増えた。中南米の政情不安などからかつてない規模の人々が米国に押し寄せている。

野党・共和党は「国境の安全を守る」と公約した。有効な対策を講じることが難しく、治安悪化などへの不安に駆られる米有権者の支持を得やすい移民問題は、共和党が狙うバイデン政権の格好の急所となっている。

バイデン政権は民主党内の左派に押され、不法移民を即時送還する「タイトル42」と呼ばれる措置の撤廃に動いている。ところが民主党の地盤であるテキサス州の国境の町、エルパソは不法移民があふれ、緊急事態を宣言した。

打つ手を誤れば、中間選挙での「敗北回避」で得た政権の勢いなど簡単に消し飛ぶ。バイデン大統領が意欲をみせる再選出馬に向けた戦略も狂わせるだろう。米国はこれまで正面から取り組んだことのない人口問題という難問に直面している。

(ワシントン支局長 大越匡洋)

【関連記事】米国人の平均寿命76.4歳、25年ぶり短さ コロナ・薬物で

米中Round Trip https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B001&n_cid=DSREA_roundtrip 』

図録▽主要国における生産年齢人口増減率の長期推移
https://honkawa2.sakura.ne.jp/1158.html

米国防権限法が成立 台湾軍事支援に5年で1.3兆円

米国防権限法が成立 台湾軍事支援に5年で1.3兆円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240B50U2A221C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は23日、2023会計年度(22年10月~23年9月)の国防予算の大枠を定める国防権限法案に署名し、成立した。予算総額は8580億ドル(約114兆円)と前会計年度より1割増やし、過去最高となった。台湾の武器調達や軍事演習を支援するために5年で最大100億ドルを使う。

インド太平洋地域に展開する米軍の態勢強化に使う基金「太平洋抑止イニシアチブ」に前会計年度比6割増の115億ドルを計上した。米軍は軍事施設の整備やアジア各国との共同演習、兵器開発などに基金を使う見通しだ。

法案は米軍と台湾軍の共同訓練について「軍事的即応力の向上に向けて重要な要素だ」と指摘し、実施を促した。中国に対抗する姿勢を一段と鮮明にする狙いがある。24年に実施する米海軍主催の多国間海上訓練「環太平洋合同演習(リムパック)」に台湾を招くよう求めた。22年は参加が実現しなかった。

米政府当局者の台湾派遣の枠組みも盛り込んだ。1人あたりの派遣期間は最長2年間とし、1年目は中国語の習得に当て、2年目は台湾の行政機関や立法院(国会)で職務にあたる。派遣は毎年実施する。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアを抑止するため、欧州での防衛力強化を目的とする「欧州抑止イニシアチブ」の関連予算に60億ドル超を計上した。前会計年度に比べ5割増やした。

【関連記事】米23年度予算案成立へ 下院も可決、政府閉鎖を回避 』

国内損保、ロシア全域で船舶保険停止 LNG輸入に影響か

国内損保、ロシア全域で船舶保険停止 LNG輸入に影響か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB23D7O0T21C22A2000000/

『【この記事のポイント】
・戦争による沈没などの被害を補償する船舶保険を停止
・損保3社が船主に通知。背景に再保険の引き受け拒否
・無保険での航行は困難。ロシアからのLNG輸入に影響も

国内損害保険各社は2023年1月1日から、ロシアやウクライナの全海域で戦争による船舶の沈没などの被害を補償する保険の提供を停止する。ロシアのウクライナ侵攻から約10カ月が経過するが、戦争が収束するめどはいっこうに立っていない。海外の再保険会社がロシア関連のリスクの引き受けを拒否したことが、今回の判断の背景にある。

東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険の3社が23日から船主への通知を始めた。日本企業が参加する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」からの液化天然ガス(LNG)の輸入などに影響する可能性がある。

船舶保険はほぼ全ての船舶が加入している。被害を補償する保険がなければ、航行は極めて難しくなる。今回の措置の対象には、ウクライナに近い黒海やアゾフ海だけでなく、ロシア東部や北極海航路などの全海域が含まれる。

これまでウクライナやロシアの海域を航行する場合、軍事行動に伴う被害でも補償を受けるには、主契約とは別に「船舶戦争保険」に加入する必要があった。航行する際には事前に保険会社に通知して補償条件や保険料を確認し、割増保険料を払うことで補償を受けることができた。今後は保険に加入することができなくなる。

世界最大の保険市場を運営するロイズ保険組合を中心とした英国の委員会は22年2月、ウクライナ周辺を「リスクの高い地域」に指定し、4月には対象をロシア全域に広げた。損保各社は危険海域の拡大にあわせ、沈没リスクなどを補償する船舶保険で高めの保険料を設定する地域を広げてきた。

無保険の状況が続けば、ロシアから日本への資源輸入に影響を与える公算が大きい。損保各社は保険サービスの提供を再開することが可能か、再保険会社との交渉をクリスマス休暇明けから始める見通しだ。だが、再保険会社が再び引き受けに転じるかは不透明な情勢だ。

【関連記事】

・EUがガス価格に上限 高騰抑制、実効性に課題
・ドイツ、初の浮体式LNG設備が稼働開始 調達では苦戦も
・米研究家ヤーギン氏、脱ロシア産エネに「コストかかる」

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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/Ukraine-war/Japanese-insurers-to-halt-ship-insurance-for-all-of-Russia?n_cid=DSBNNAR 

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

EUがロシアの原油上限価格の設定をするに当たって、その上限を超える原油を輸送するタンカーには保険をつけない、という保険制裁をかけることになっているが、それ以前に、保険業界がロシアをハイリスク地域にするだけでなく、ロシア産原油や天然ガスを運搬するタンカーに保険をつけないという、一種の「業界制裁」を行っているというのが興味深い。

ここで保険をつけたり、再保険を引き受けたりすると、ビジネスのレピュテーションに響くという判断なのか、それとも企業として自らが持つ力を使って戦争に介入しようという倫理的な判断なんだろうか。
2022年12月24日 1:02 』

中国のコロナ感染、12月に2億4800万人か 資料流出

中国のコロナ感染、12月に2億4800万人か 資料流出
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB23BY40T21C22A2000000/

『【北京=共同】米政府系のラジオ自由アジア(RFA)は23日までに、中国で今月、総人口の約18%に当たる2億4800万人が新型コロナウイルスに感染したとする中国政府の内部資料が流出したと伝えた。事実なら公式発表をはるかに上回る大規模流行となる。

中国のSNS(交流サイト)に流出したのは国家衛生健康委員会の会議録。来年1月の春節(旧正月)連休に伴う大規模な移動により都市と農村部で感染が同時に広がり、医療逼迫など事態が深刻化する恐れがあると懸念を示している。

中国政府の発表では、20日に新たに確認した感染者は3049人(無症状感染者を除く)。しかし会議録によると、同日の感染者は推計で約3700万人に上った。四川、安徽、湖北各省と上海の感染率が高かった。

北京と四川省の感染率はいずれも50%を超えたという。重症者数のピークを迎えた北京では医療体制の拡充が急務だと指摘。年末までに各地で流行のピークが訪れるとの見通しを示している。

【関連記事】

・中国、ゼロコロナ緩和で過渡期の混乱 関連企業は苦境に
・中国、コロナ対策の入国時隔離を撤廃か 23年1月にも
・[FT]中国ゼロコロナ緩和失策、旧正月で拡大も(社説)
・中国、止まらぬ薬不足 コロナ需要急増で価格18倍も

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西村友作
中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授
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別の視点

北京の街は随分と落ち着きを取り戻してきました。予想以上のスピードです。

先日久しぶりに地下鉄に乗ったのですが、予想以上に乗客が多くて驚きました。オフィスにも人が戻り始め、北京名物(?)の交通渋滞も起こっています。久しぶりの会食で訪れたレストランも客足が随分戻っていました。感染速度が速い分、リバウンドも速くそして大きくなりそうです。

ここからの問題は地方都市だと思います。すでに帰省している学生に話を聞くと、現在急速に感染が拡大しているのは主に省都などの大都市で、中小規模の都市はまだ本格的な感染は始まっていないようです。医療資源に乏しい田舎町での感染拡大は今後の大きなリスクとなりそうです。
2022年12月24日 12:30

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

息をのむような感染爆発です。

①英医療調査会社エアフィニティの予測では、中国の1日当たり感染者は最大420万人でしたが、内部資料によるとされる12月20日の感染者3700万人は、その9倍近く。

②問題は死者数です。エアフィニティは1日当たり100万人の感染者で、死者5000人と予測しました。中国では23日までに2億4800万人が感染したとなると、すでに相当な数のコロナ死が発生していると疑われます。

③中国当局は感染者数や死者数について、きちんとした発表をしていません。いずれ超過死亡が判明した時点で、状況をうかがえるでしょうが、21世紀の「大躍進」ともいうべき現状は人災の様相を呈しています。

2022年12月24日 9:03

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「特定秘密」初の漏えいか 防衛省、海自1佐を懲戒へ

「特定秘密」初の漏えいか 防衛省、海自1佐を懲戒へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE241BG0U2A221C2000000/

『海上自衛隊の1等海佐が特定秘密保護法で定められた「特定秘密」を外部に漏えいした疑いが発覚し、防衛省が近く1佐らを懲戒処分にすることが24日、政府関係者への取材で分かった。漏えいは海自のOBからの依頼が発端になったという。特定秘密の漏えいが明らかになるのは初めて。

特定秘密保護法は2014年12月施行で、防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野が対象。防衛省では「日本の安全保障に著しい支障があり、特に秘匿する必要がある情報」を指定している。

政府関係者によると、1佐には、別の隊員を通じOBから依頼が届いたという。防衛省は、漏えいに発展した経緯や、別の隊員がどの程度事情を知っていたかなど、詳しく調べている。特定秘密保護法には、故意に漏らした場合は最高で懲役10年とする処罰規定がある。未遂や過失での漏えい、唆す行為なども対象としている。

内閣官房の今年6月末現在の資料では、特定秘密は各省庁で計693件あり、防衛省が392件と半数以上を占める。防衛省の特定秘密は、電波や画像の情報、自衛隊の部隊運用の計画などが対象となっている。

特定秘密保護法は第2次安倍政権で、安全保障の体制強化の一環で成立、施行された。米国との軍事情報のやりとりを円滑にするのが狙いとされる。〔共同〕
▼特定秘密 国が保有する防衛、外交、スパイ活動防止、テロ防止の4分野に関する情報のうち、漏洩すれば国の安全保障に著しい支障を与える恐れがあり、特に秘匿が必要なもの。2014年施行の特定秘密保護法が規定し、公務員や事業者が特定秘密を漏らした場合、10年以下の懲役などの罰則を科すと定める。特定秘密の漏洩を唆した場合なども処罰の対象になる。

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