ロシア、抑止力強化で戦略核を配備 米欧をけん制

ロシア、抑止力強化で戦略核を配備 米欧をけん制
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『ロシアのプーチン大統領は21日、国防省の幹部会議で米国が主導する北大西洋条約機構(NATO)による脅威に言及し、戦略核の強化を進める方針を示した。自国の主権や領土保全のため、抑止力として新型ミサイルを配備する考えを強調した。

プーチン氏は出席した軍幹部らに向けて「NATOの軍事力がロシアに向けられている」と発言した。核抑止力として米本土なども攻撃可能な次世代の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」が「近い将来に初めて実戦配備される」と述べた。サルマトは複数の核弾頭を搭載でき、飛行途中に分離して異なる攻撃目標に向かうため、迎撃の難度は高いとされる。

サルマトは今年に入り複数回の発射実験を実施済みで、早ければ年内にも配備されるとみられていた。ウクライナのゼレンスキー大統領が米国を訪問するタイミングでの配備表明で、米国をけん制した。

プーチン氏は23年1月に海上発射型の極超音速ミサイル「ツィルコン」をフリゲート艦に搭載配備することも表明、軍隊に最新の兵器を装備し続けると述べた。

長期化するウクライナ侵攻については「(一方的に併合したウクライナ4州を含む)全ての領土において、任務を必ず遂行する」とも述べ、侵攻の継続を強調した。戦闘に参加する兵士を第1次世界大戦など過去の大戦を戦った英雄になぞらえて激励した。

プーチン氏はまた「兵士が必要とするものはすべて供給されるべきだ。資金調達についての制限はない」と軍への十分な支援を約束した。その上で「しかるべき結果を出してほしい」と軍幹部に戦果へのプレッシャーをかけた。

ロシアは9月に部分動員令を発令し、30万人超の予備役を招集した。プーチン氏は「15万人は軍の射撃場で訓練を受けている」と述べ、実際に戦闘地域に配置されたのは約半数だと明らかにした。

同日にはショイグ国防相も幹部会議で演説した。ショイグ氏は「ロシア軍の兵力を増やすことが必要だ」と述べ、軍隊の規模を150万人に拡大することを提案した。

プーチン氏は今年8月、兵士の総数を23年1月時点で約115万人とする大統領令に署名した。この総数との比較だと3割増えることになる。ロシア軍の総兵力はウクライナ侵攻の前までは縮小傾向だったが、侵攻後は拡大基調に転換していた。

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

プーチンは自分が自分を追い込んでいる。すでに併合したと宣言された東部4州について困難な状況にあると本人が認めている。それは外国の諜報機関やスパイによる仕業と責任逃れの発言をしている。いつの時代も同じだが、軍事力の強い国は力で他国を併合することができるかもしれないが、それをうまく統治するのは簡単なことではない。人心を納めるのは人望のない権力者には無理である
2022年12月22日 8:33 』