弱体化するオリガルヒ ロシア侵攻で社会構造変化

弱体化するオリガルヒ ロシア侵攻で社会構造変化―ウクライナ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022121900554&g=int

『【キーウ時事】ロシアによる侵攻が続くウクライナで、富を独占してきた新興財閥(オリガルヒ)が弱体化している。政治家と癒着することで自らの利権を守り、汚職がはびこる環境をつくってきた「政商」。戦争の思わぬ副産物となったその衰退により、ウクライナの社会構造は変わりつつある。

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 オリガルヒは1990年代、ソ連崩壊期に進められた国有企業の私有化で財を成した。エネルギーやメディアなどの産業分野で主要企業を配下に置き、政権中枢に食い込んだ。
 だが、ロシアの侵攻で保有資産の多くを失った。中でも痛手を負ったのが、激戦地となった南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所などを所有するリナト・アフメトフ氏。米フォーブス誌によると、1月時点で137億ドル(約1兆8700億円)あった同氏の純資産は、11月には3分の1の43億ドルに激減した。

 ゼレンスキー政権は反オリガルヒ法を制定するなど、侵攻前から「脱オリガルヒ」に着手していた。戦争でその力が衰えたのに乗じ、一気に排除を加速させた。

 政府の公式見解と異なる報道を規制し、オリガルヒによる傘下メディアを使った世論操作を不可能にした。自らの後ろ盾だったオリガルヒのイーホル・コロモイスキー氏についても、法律が禁じる二重国籍を保持しているとして、市民権を剥奪したとされる。

 スロバキアのシンクタンク「GLOBSEC」のコンスタンチン・スコルキン准研究員は「ロシアの侵攻は、オリガルヒというゼレンスキー氏にとっての旧来の問題を自動的に解消した」と分析。「戦争が終わっても、オリガルヒがかつての力を取り戻す余地はない」として、欧州連合(EU)加盟の障害だった汚職構造の改革が進む可能性があるとの見方を示した。 』