中国側から見た、サウジアラビア訪問の目的

中国側から見た、サウジアラビア訪問の目的 : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/30368137.html

『昨日、サウジアラビア側からみた中国の立ち位置というのを、解説しましたが、中国側の意図というのも、一応解説しておきます。今回の経済協力は、主にサウジアラビア内の5Gインフラの整備を中心とした、5兆円規模の投資がメインです。ファーウェイを中心にした、中国技師・労働者が工事にあたる事になります。

その代わりに、サウジアラビアからの原油の割当枠を確保するのが中国の狙いなのですが、第一の目的は、その原油代金を中国の通貨である元で支払う契約を結ぶ事です。世界中の原油の代金というのは、アメリカのドルで支払いが行われています。これは、ドルが覇権通貨である一つの理由になっていて、エネルギーの輸出入決済で、必ずドルが使われる事で、間接的に世界の経済を牛耳っています。過去には、この覇権に抵抗したベネズエラのような国もありましたが、経済制裁で返り討ちに合っています。

もし、サウジアラビアとの原油代金決済で、元の使用が認められれば、アメリカのドル覇権に楔を打つ事になります。しかし、サウジアラビア側は、「笑顔で検討する」と言いながら、棚上げにして、この中国の申し出を拒みました。中国側の思惑としては、今回結んだ経済協力で、中国企業がサウジアラビアで、行う事業の代金として、原油決済代金の元で支払う事で、双方に利益のある形で、ドル決済の牙城を崩す予定でした。しかし、サウジアラビア側からすると、中国共産党が統制しているローカル通貨である元を、代金として貰ったところで、他に使いようが無いのです。現在の経済環境では、どこの国も外貨として持ちたいのは、アメリカ・ドルです。どんな取引の決済にも使えるからです。元で外貨を持っていても、取引相手の合意が無い限り、それで支払いをする事ができません。そして、元のように政治が為替レートに口を出す通貨を、外貨で保有したい国は、ありません。

ちょっと前に、中国の元が日本の円を、決済総額で抜いたとか何とか話題になりましたが、これは、中国が経済力にモノを言わせて、子分の国に無理やり元で決済をさせた結果です。元が公正な通貨として、実力を認められたからではありません。通貨のような経済の道具は、圧力をかけて使わすものではなく、その国の経済活動において、便利だから使われるのです。政治力で、流通量を無理やりに引き上げても、それは一時的なものですし、元で決済した相手国にとって、まったく割に合いません。

アメリカ・ドル、ユーロ、円、ポンド、スイス・フランが、世界の5大決済通貨ですが、それは通貨としての独立性と築いてきた信用の結果、流通するようになったのであって、脅したり圧力をかけた結果ではないのです。何でも、政治的な圧力で解決しようとする中国共産党が、本質的に理解できてないのが、この自由経済の法則です。何でも戦うのが大好きな中国共産党は、武漢肺炎ともゼロ・コロナで3年間戦い続けて、「打ち負かす」と叫びながら、完全に敗北しました。恫喝しようが、脅そうが、便利だから使われているモノを、無理やり捻じ曲げる事はできないのです。もし、元を流通させたいなら、その後ろ盾になる信用を築くところから始めなくてはなりません。今のように、共産党が、あからさまな固定レートになるような為替操作をしているようでは、永遠に無理です。』