NYダウ大幅続落、764ドル安 景気後退の懸念強まる

NYダウ大幅続落、764ドル安 景気後退の懸念強まる
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『【ニューヨーク=竹内弘文】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均が大幅続落し、前日比764ドル(2%)安の3万3202ドルで引けた。午後には下げ幅が一時900ドルを超える場面もあった。朝方発表の経済指標が市場予想を下回り、景気後退入りに対する警戒感が強まった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前日の会見でタカ派姿勢を強調したことも投資家心理を冷え込ませている。

マネーは、リスク資産の株式から逃避して安全資産に向かった。長期金利は前日比0.05%低い(債券価格は高い)3.45%に低下した。ドルの総合的な強さを示すドル指数も上昇。円相場は1ドル=137円台後半と、前日から2円以上円安・ドル高が進んだ。

取引開始前に米商務省が発表した11月の米小売売上高は前月比0.6%減となり、市場予想(0.3%減)を下回った。インフレ下の年末商戦における消費者の節約志向を映し、個人消費の減速を示した。

金融政策の見通しも相場の重荷となった。前日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは2023年末の政策金利見通し(参加者予測の中央値)を5.1%と前回の予想より0.5%引き上げた。積極的な金融引き締めが続けば今後の景気後退の度合いが深まるとみて、リスク資産の株式を手放す動きが加速した。

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伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説

昨日の市場にはECB政策理事会の結果も少なからず影響したと思われる。
ECBは利上げ幅を50bpに縮小したが、声明文には「物価目標の回帰に必要な十分に引き締め的な水準まで安定したペースでの大幅な利上げが必要」との一文が盛り込まれた。
ラガルド総裁の記者会見での発言も50bpペースでの複数回の利上げを示唆、「到達点は近い」との市場の楽観論を牽制した。
昨日改定されたECBのユーロ圏の経済見通しでは「浅く短いリセッション」に陥るが、雇用の底堅さなどからその後は回復と見ているが、果たしてそれで止まるのか。
今年、想定外の急ピッチの利上げに動いた欧米の景気後退が想定以上に深まるリスクが意識されます。
2022年12月16日 8:08

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説

①リテール・セールス・ショック。0.6%減と11月の米小売売上高の大幅な落ち込みには、さすがにビックリの雰囲気です。
②これまで景気指標の鈍化は金融引き締めの手綱を緩ませるとの期待から、株式市場には好材料とされてきました。が、米経済の牽引役である消費がここまで落ち込むと、市場参加者もそんなことは言っていられない。
③そうなるとFRBが引き締めの手綱を緩めないことが気になるのが人情です。前門の金融引き締め、後門の景気後退懸念に、株式市場の進退は窮まりました。
④資金が逃げ込む先は米国債。資金の流れを受けてドルが買われました。一方、欧州は株、債券、通貨のトリプル安に。円が売られたのもその流れです。
2022年12月16日 5:34 (2022年12月16日 6:08更新) 』