米国、政府当局者を台湾に2年派遣へ 対中国連携を加速

米国、政府当局者を台湾に2年派遣へ 対中国連携を加速
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040S30U2A201C2000000/

『米国のバイデン政権と議会は2023年秋から政府当局者を台湾に長期派遣する方向で調整に入った。複数の関係者が日本経済新聞の取材で明らかにした。台湾統一を目指す中国が台湾に圧力を強めており、安全保障や経済政策について当局者の連携を深める土台を整える。

米議会は23会計年度(22年10月から23年9月)の国防予算の大枠を定める国防権限法案に政府当局者の台湾派遣の枠組みを盛り込んだ。1人あたりの派遣期間は最大2年間とし、1年目は中国語の習得に当て、2年目は台湾の行政機関や立法院(国会)で職務にあたる。派遣は毎年実施する。

派遣プログラムの運営に関わる見通しのNPO、米ウエスタン・パシフィック・フェローシップ・プロジェクトのリチャード・ピアソン事務局長は取材で、12月中に法案が成立すれば23年初めに希望者を募って9月に派遣を始める計画だと話した。

米政府当局者の派遣は年10人を想定し、当初は数人から始める。ピアソン氏によると、経済や安保に関わる幅広い省庁から募集し米軍制服組も対象とする。情報機関からは応募できないという。ピアソン氏は11月末から12月初めにかけて派遣計画について台湾の行政当局や立法院の関係者と協議したと述べた。

米国が長期派遣を始めるのは、台湾をめぐる米国と中国の対立が長期に及ぶとみられるからだ。台湾の行政機関で勤務して意思決定プロセスや政策立案を熟知し、米台当局間の連携に役立てる。米国の上下両院議員の台湾訪問と併せて、当局者の交流も増やして台湾を支援する方針を打ち出す。

米議会関係者によると台湾への長期派遣は珍しく、これまで数カ月程度のプログラムがあったという。

バイデン政権はこれまでも米台当局の接触を促してきた。21年4月には連邦政府の建物で米台の実務者レベルの定期会合の開催を積極的に認める指針を公表した。米首都ワシントンにあり、事実上の台湾の在米大使館に相当する駐米台北経済文化代表処でも会合を開けるようにした。

米国は18年に台湾旅行法を制定し、閣僚を含むあらゆる地位の高官の往来を促進した。トランプ前政権下では当時のアザー厚生長官が台湾を訪れて中国が激しく反発した。

(中村亮)

【関連記事】

・台湾有事「起こる」中国人56%、日本人44% 世論調査
・[FT]「中国、24年までに台湾侵攻も」 米海軍トップ
・台湾有事に進出企業の半数が対応策 50社調査、備え拡大

ニューズレター
多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

中林美恵子のアバター
中林美恵子
早稲田大学 教授
コメントメニュー

別の視点

趣旨は大分違うのだが、この米官僚の台湾長期派遣プログラム、どこか米マンスフィールド・フェローの日本研修の仕組みに似ている気がするのは、私だけだろうか。行政府・立法府での経験を促すことやフェローの募集対象など、マンスフィールド財団の好例を参考にしたのではないかと感じてしまった。バイデン大統領は、マンスフィールド元駐日大使の名前や、マンスフィールド・フェローの重要性について、日米首脳会談などでしばしば言及している。さすがにフェローの目的は大分違うし、もちろん時代背景も全く違うのだが、仕組みだけでも日台で似たようなプログラムが存在するようになるとしたら、それは非常に興味深いことだ。
2022年12月15日 23:53 』