科学誌、オミクロン派生型「深刻な脅威」 米既存薬効かず

科学誌、オミクロン派生型「深刻な脅威」 米既存薬効かず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN160260W2A211C2000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】米国で新型コロナウイルスのオミクロン型派生型への警戒感が高まっている。米科学誌セルは15日までに、米国内で流行するオミクロン派生型「BQ.1」「XBB」は既存のワクチンや抗体薬では感染予防が難しく「深刻な脅威になる」と指摘する論文を発表した。

米コロンビア大学とミシガン大学の研究者が共同で発表した論文では「BQとXBBのオミクロン派生型は既存のコロナワクチンが効きづらく、深刻な脅威となる。承認されている抗体薬については効果がない」と警告した。同時に「免疫をすり抜ける性質を持つため、両派生型が感染者の大半を占めるようになった可能性がある」と指摘した。

米疾病対策センター(CDC)によると、これらの派生型は全体の新規感染者の7割以上を占めている。12月4~10日の新規感染のうち「BQ.1」が31.1%、「BQ.1.1」が36.8%、「XBB」が4.7%と推定した。

オミクロン派生型にも対応する新型ワクチンを接種した人をサンプルに、感染や重症化に対する効き目を調べた。抗体薬については英アストラゼネカ製「エバシェルド」や米イーライ・リリーの「ベブテロビマブ」を対象にしたが、どちらも「完全に効果がなかった」と指摘した。米食品医薬品局(FDA)は11月下旬に「BQ.1 とBQ.1.1への有効性が期待できない」としてベブテロビマブの緊急使用承認を取り下げている。

研究結果として「オミクロン派生型によって感染の突破や感染を繰り返す人が増える可能性がある」と強調した。一方でワクチンは「感染予防の効果が低いものの、オミクロン派生型に対しても入院や重症化は予防でき、後遺症のリスクを和らげる可能性がある」とも指摘した。』