米政府、中国半導体YMTCなどを輸出禁止リストに

米政府、中国半導体YMTCなどを輸出禁止リストに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14DZV0U2A211C2000000/

『【ワシントン=飛田臨太郎】バイデン米政権は週内にも中国半導体メーカーの長江存儲科技(YMTC)を含む30超の中国企業・団体を事実上の禁輸リストに加える。中国は世界貿易機関(WTO)に米国の先端半導体を巡る対中輸出規制が不当だと提訴したばかりで、半導体関連の米中対立が激しさを増している。

米ブルームバーグ通信などが14日、報じた。米商務省は10月、米技術を使った半導体を軍事や兵器開発に転用する恐れがあるとし、YMTCなどを懸念先リストに指定した。一定の猶予期間を経ても懸念が消えない場合は輸出禁止リストに盛り込む措置で、米政府は改善がないと判断した。

YMTCは中国政府系ファンドから多額の資金を受け、データ保存に使う「NAND型フラッシュメモリー」などの量産で急成長したとされる。米議会は同社を禁輸対象にするよう要求していた。同社への米国製品の輸出申請は商務省に原則却下されることになる。

米国は10月、スーパーコンピューターなど先端技術の対中取引を幅広く制限する措置を発表した。半導体そのものだけでなく製造装置や設計ソフト、人材も含めて規制する。特定の企業でなく中国全体に網をかけた。中国商務省は12日夜の公表文で「典型的な貿易保護主義」だと批判した。

10月は主に先端技術が制限対象だったが、今回の措置により規制対象の製品・サービスが広がる。YMTCなど対象企業の経営環境はさらに厳しくなる。日本の半導体関連メーカーもYMTCと取引があったとされ、日本企業にも影響が及ぶ可能性もある。

米政府はすでに華為技術(ファーウェイ)や半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)への輸出を厳しく取り締まる。対象企業を広範囲にして、中国の半導体産業への効果を強める。

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察

先日、バリ島で実施された米中首脳会談では、両首脳が微笑んでいた。米中の和解が期待されていたが、バイデン政権は対中制裁をまったく緩めない。否、もっと強化しているようにみえる。このままいくと、中国企業はローエンドの産業ならできるが、ミドルエンド、とりわけ、ハイエンドの分野から完全に締め出されてしまう。どうやって、米国との相互信頼を取り戻すか、北京にとって重要な課題になっている。
2022年12月15日 6:51』