中国、ゼロコロナ緩和で経済混乱 感染急増で人手不足に

中国、ゼロコロナ緩和で経済混乱 感染急増で人手不足に
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 ※ ちょこちょこ、「方針転換」するには、図体がデカ過ぎるのか…。

 ※ 巨龍(又は、ゴジラ)が、のたうっているような感じだ…。

『中国政府が新型コロナウイルス対策の大幅な緩和を発表してから14日で1週間たつ。市民の行動制限に用いるアプリの運用を13日に停止。流行地域での全市民の検査も取りやめ、「ゼロコロナ」政策の国内管理を事実上終了した。緩和策が実行に移る一方、主要都市では感染者数が増加している。人手不足で店舗や工場の稼働が滞り、経済の混乱が広がっている。

中国政府は13日、スマートフォンで個人の行動を管理する全国共通アプリ「通信行程カード」を停止した。訪問した都市名が自動表示される仕組みで、2020年の流行初期に導入し、ゼロコロナ政策を代表する管理ツールだった。

地方都市が個別につくった管理アプリの使用頻度も減りつつある。上海市政府は13日、商業施設や公共施設の訪問時にアプリを使った陰性証明の提示を不要にした。

中国政府が7日に「10条措置」と呼ばれる追加緩和策を発表。流行地域の全市民を対象にしていたPCR検査を停止し、住居封鎖や隔離措置も大幅に縮小した。大連市の30代の男性会社員は「13日にPCR検査で陽性反応が出たが、外出は可能だ」と証言した。

外国から中国本土を訪問する場合は、引き続き施設などでの一定期間の隔離が義務付けられる。

足元では感染が急増しているもようだ。北京市の衛生当局は12日、11日に市内の医療機関で発熱の診察を受けた外来患者は延べ2万2000人で1週間前の16倍になったと発表した。担当者は記者会見で「北京で新型コロナが急拡大する流れがなお存在している」と述べた。市内の病院の窓口では行列ができている。

一方、衛生当局が発表した中国本土の新規感染者数は12日に約7500人と、4万人を超えた11月27日のピークから急減した。野村国際(香港)の陸挺・中国首席エコノミストらは13日のリポートで「PCR検査数が急減したためで、この統計は誤解を招く」と指摘した。政府は感染者数の精緻な集計を事実上放棄した形だ。

感染症の専門家で中国のコロナ対策に発言力をもつ鍾南山氏は9日、国営新華社の取材に「中国で流行しているオミクロン型(の派生型)は感染がとても速い」と説明。「再び強力な予防・管理措置を実施しても感染の連鎖を完全に断ち切ることは難しい」と認めた。
中国メディア、第一財経の11日の報道によると、復旦大学付属中山医院の鍾鳴主任は「感染者数は1カ月以内にピークを迎える」と予測した。

企業への影響も出ている。北京市にある大手日系企業では感染の疑いや感染リスクを避けようとする社員が増え「出社率は2割程度にとどまっている」(幹部)。

別の外資系企業は7日の制限緩和にあわせて従業員を在宅勤務から原則出社に切り替えたが、市中感染が拡大しているとみられることから「出社の必要がない社員は在宅に戻した」(人事担当者)という。顧客との打ち合わせもテレビ会議などで行っている。

北京では料理店の出前やスーパーの配送サービスが滞っている。配達員の感染が増え人手不足に陥っているもようだ。

南部の広州市で電子部品工場を運営する日系企業の担当者は「従業員に感染者が次々と出ている。稼働を止めないようやりくりしているが、今後どうなるかわからない」と話す。休業中の飲食店の従業員は「店員の多くが感染したので当面営業できない」と漏らした。
自動車産業が集積する内陸部の重慶市では、一部のメーカーが自宅用の検査キットを従業員に配布し、陰性だった場合のみ出社を求めるルールを導入。陰性が確認できずに休業する従業員が増え、工場の稼働率が低下している。

鍾南山氏は「コロナワクチンの追加接種が急務だ」と指摘する。衛生当局によると、11月下旬時点で2回接種した人は60歳以上で約86%、80歳以上で約66%にとどまり日米よりも低水準だ。当局は高齢者らに接種を呼びかけている。

(大連=渡辺伸、北京=多部田俊輔、広州=川上尚志)

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西村友作
中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授
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貴重な体験談

北京では感染爆発が発生しており、医療機関も混乱状態が続いているようです。

私も早速コロナの洗礼を浴びました。体温が最高40度まで上がり、頭痛がひどく意識朦朧となったのですが、北京市の発熱外来で長蛇の列ができている映像を見ていたので病院に行くのを諦めました。

高齢者が罹患して亡くなるケースも増えているようです。私の北京人の親友のお母さん(70代、入院中、基礎疾患有り)も、コロナに感染してお亡くなりになられました。その友人曰く、院内感染で亡くなる高齢者が増えていて、葬儀社でも順番待ちが起こっているそうです。

コロナ感染爆発による混乱はもうしばらく続きそうです。
2022年12月14日 8:45 (2022年12月14日 9:21更新)
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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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分析・考察

2020年春頃の日本や欧米の状況に関する記事を読んでいるように感じました。ワクチンの普及で、日常が取り戻されつつある各国とは対照的に、いまだに人々が感染に怯えて行動が大きく制限される社会。こうした状況が継続すれば中長期的に、中国の社会に、経済に、国際関係に様々な打撃がもたらされるのではと危惧します。ここは欧米製の有効性の高いワクチンを活用するより他ないのではないでしょうか。中国製ワクチンが技術覇権競争の一環として開発された経緯があるので、そう簡単には行かないでしょうし、実際、中国は欧米製ワクチンの受け入れに現時点で消極的だとされますが、意地を張り続けるには代償が大きすぎるように感じます。
2022年12月14日 8:14
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

1990年代、朱鎔基元首相の時代、中国の経済学者の間である表現が流行っていた。「一掴就死、一放就乱」(中国経済が管理されると、すぐに活力を失い死んだような感じ。自由化すると、すぐに混乱してしまう)。目下の状況もまったく同じ。ゼロコロナ政策を続けると、経済も社会も活力を失う。自由化すると、大混乱に陥る。なぜこのようになっているのか。それは有効な制度の構築がなされていないからである。14億人の国家なのに、一人の指令に従わないといけないというのはそもそも可笑しい話
2022年12月14日 7:02 (2022年12月14日 7:04更新)
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説

ゼロコロナ緩和政策で中国の社会は大きく混乱し、経済の行き先も不透明となっていますが、これは習近平体制の構造的問題。不動産政策、脱炭素政策もそうでしたが、官僚組織や地方政府の知恵を借りず、鶴の一声で中国が動かされている限り、このような混乱は今後もたびたび起きるでしょう。
2022年12月14日 8:22 (2022年12月14日 8:23更新)
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

「ゼロコロナ」でガチガチの感染拡大防止策をとっていた中国で、今度は一転して「ウィズコロナ」的な行動規制緩和が急速に進められているようである。危惧された通り、感染が拡大しやすい冬場の行動規制緩和は、新規感染者数の急増につながる。医薬品の不足、医療機関の対応力を越える発熱者の来院、PCR検査場の急減で陰性証明が入手難など、困った事態に陥った。行動規制緩和で経済が上向くことが当初期待されたものの、欠勤者増加による人手不足などから逆に、経済活動の混乱を金融市場が危惧する状況。地方当局や現場責任者の裁量で臨機応変に、柔軟に対応することができない中国の弱点が、あらためて露呈しているようにも見える。
2022年12月14日 8:02』

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