プーチン氏が欲するウクライナの兵器生産能力

ロシアとイランの本当の関係は/プーチン氏が欲するウクライナの兵器生産能力【12月12日(月)#報道1930】
https://www.youtube.com/watch?v=ojZhOknAu9g&t=1s

 ※ 今日は、こんな所で…。

 ※ 相当に参考になった…。

 ※ キャプチャした画像を、貼っておく…。

 ※ 興味のある人は、自分で見て…。

『 199,369 回視聴 2022/12/12に公開済み

12月12日(月)に放送されたBS-TBS「報道1930」の番組内容を配信します。

『ロシアとイランの本当の関係は/プーチン氏が欲するウクライナの兵器生産能力』

▽ウクライナ軍事産業の歴史
“国有軍事企業”知られざる実力

▽ロシアはインフラ施設攻撃を継続
イラン製ドローン使用増強か

▽ウ側の反撃「パルチザン」「自作兵器」』

ウクライナ占領地はロシア領 「現実」受け入れよとロシア大統領府

ウクライナ占領地はロシア領 「現実」受け入れよとロシア大統領府
https://www.afpbb.com/articles/-/3443232?cx_part=top_topstory&cx_position=1

 ※ 『「現実はロシア連邦が新たな領土を獲得した」ということ』…。

 ※ そういう「無法」が、まかり通るのか…。

 ※ 「腕力」強ければ、「ぶん殴って」「領土を奪うこと」も、まかり通るのか…。

『【12月14日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は13日、ウクライナ侵攻で占領した地域を同国政府がロシア領と認めない限り、紛争解決に向けた進展はないとの見解を示した。

 ぺスコフ氏は記者団に対し、「現実はロシア連邦が新たな領土を獲得した」ということであり、その点に納得しない限り「いかなる進展もあり得ない」と述べた。

 ロシア側はウクライナ南部のザポリージャ(Zaporizhzhia)、ヘルソン(Kherson)両州、東部のドネツク(Donetsk)、ルガンスク(Lugansk)両州を完全に掌握していないにもかかわらず、併合したと主張している。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は12日、先進7か国(G7)首脳のオンライン会合に参加。ロシアに対し、クリスマスに軍を撤退させ、「侵略」をやめる用意があることを示すよう求めた。だが、ロシア側は翌13日、これを拒否した。(c)AFP 』

トルコ海峡のタンカー滞留が解消へ 当局発表

トルコ海峡のタンカー滞留が解消へ 当局発表
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR13CV40T11C22A2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】対ロシア制裁の影響でトルコの海峡を通過できずに石油タンカーが滞留していた問題で、トルコの運輸当局は13日、船舶保険を巡る問題が解決し、タンカーが動き始めたと発表した。輸送の障害による原油市場への影響が懸念されていた。

トルコ当局の声明によると、イスタンブールのボスポラス海峡まで到着したタンカー26隻のうち、既に22隻が必要な書類を提出し、19隻が海峡を通過した。「トルコの海峡を守る新しい規制が受け入れられ、通常通りの海上貿易が続くのは喜ばしい」と述べた。

主要7カ国(G7)や欧州連合(EU)が5日に発動したロシア産原油価格に上限を設ける制裁を巡り、トルコは国内の海峡を通過するタンカーに対し、保険会社による追加の書簡を求めていた。制裁違反の原油を積んだタンカーが流出事故などを起こした場合、被害が補償されないことを懸念したためとみられる。

トルコはどのようにして保険会社などと合意したかの詳細は明らかにしていない。米ブルームバーグ通信は11日、トルコ側が示した書簡の書式について、保険会社側が「受け入れ可能」と判断したと報じていた。』

ウクライナ軍、電撃的な反転攻勢

ウクライナ軍、電撃的な反転攻勢
https://www.reuters.com/graphics/UKRAINE-CRISIS/jnvwemlodvw/ja/

『著:Aditi Bhandari、Michael Ovaska
2022年10月5日作成

ロシアのプーチン大統領は10月5日、ウクライナ4州の併合手続きを完了した。併合される地域はウクライナの国土の18%程度を占める。ここ数日、ウクライナ軍の大規模な反転攻勢によりロシア軍が掌握している地域は縮小している。

東部では、ロシア軍の主要拠点だったドネツク州リマンをウクライナ側が奪還し攻勢を強めている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は10月4日、ウクライナ軍が過去1週間、前線で迅速かつ大きく前進しており、ロシアが一方的に併合を宣言した南部と東部の地域で数十の町を奪還したと強調した。

ここ数日、ドネツク州とヘルソン州で撤退を余儀なくされているロシア軍は、ウクライナ側の前進を止めようと新たな防衛態勢を整えている。

ヘルソンではロシア軍が撤退する際にインフラ施設や民家に地雷を仕掛けていたという。
編集

Jon McClure、照井裕子、本田ももこ 』

ウクライナ、ロシア制圧地域の5割超奪還 英国防省分析

ウクライナ、ロシア制圧地域の5割超奪還 英国防省分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB13CYN0T11C22A2000000/

『【ロンドン=佐竹実】英国防省は13日までに、ロシアが侵攻後に制圧した地域の54%をウクライナが奪還したとの分析を発表した。ロシア軍はウクライナ東・南部での攻撃を続けているものの難航しており、ウクライナ軍による奪還作戦が進んでいるとみられる。

ロイター通信は12日、10カ月近い侵攻でロシアの砲弾の備蓄が底をつきつつあると報じた。米軍高官の話として、40年以上前に作られた古い砲弾を使う可能性があると指摘した。イランや北朝鮮など外国の供給に頼らずに現在のペースで攻撃を続ければ、2023年初めまでに砲弾を使い果たすとしている。

英国防省は戦況分析で、ロシアは「(東部の)ドネツク州やルガンスク州、南部のザポロジエ州やヘルソン州への支配拡大を依然として目指している」と推定した。だが、「これらの地域を奪還できる打撃部隊を編成する可能性は極めて低い」として、目的を達成することは困難だと指摘した。

ウクライナの独立調査機関「レイティング」は13日、ロシアが一方的に併合した南部クリミア半島やドネツク、ルガンスク両州の一部を含む全土奪還を「勝利」と認識する人が85%に上ったと発表した。侵攻直後の今年3月から11ポイント上昇した。

世論調査は11月下旬、ロシアの支配地を除くウクライナ全土で18歳以上の千人を対象に実施した。61%が北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持する一方、ロシアとの和平合意の締結に賛成したのは8%だった。

【関連記事】

・ウクライナ防空ミサイル、年内払底も 電力供給にリスク
・ウクライナ越冬、580億円超支援で合意 パリで会議
・ロシア、無人機で攻撃 ウクライナ南部で大規模停電

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

中国、ゼロコロナ緩和で経済混乱 感染急増で人手不足に

中国、ゼロコロナ緩和で経済混乱 感染急増で人手不足に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM12CYR0S2A211C2000000/

 ※ ちょこちょこ、「方針転換」するには、図体がデカ過ぎるのか…。

 ※ 巨龍(又は、ゴジラ)が、のたうっているような感じだ…。

『中国政府が新型コロナウイルス対策の大幅な緩和を発表してから14日で1週間たつ。市民の行動制限に用いるアプリの運用を13日に停止。流行地域での全市民の検査も取りやめ、「ゼロコロナ」政策の国内管理を事実上終了した。緩和策が実行に移る一方、主要都市では感染者数が増加している。人手不足で店舗や工場の稼働が滞り、経済の混乱が広がっている。

中国政府は13日、スマートフォンで個人の行動を管理する全国共通アプリ「通信行程カード」を停止した。訪問した都市名が自動表示される仕組みで、2020年の流行初期に導入し、ゼロコロナ政策を代表する管理ツールだった。

地方都市が個別につくった管理アプリの使用頻度も減りつつある。上海市政府は13日、商業施設や公共施設の訪問時にアプリを使った陰性証明の提示を不要にした。

中国政府が7日に「10条措置」と呼ばれる追加緩和策を発表。流行地域の全市民を対象にしていたPCR検査を停止し、住居封鎖や隔離措置も大幅に縮小した。大連市の30代の男性会社員は「13日にPCR検査で陽性反応が出たが、外出は可能だ」と証言した。

外国から中国本土を訪問する場合は、引き続き施設などでの一定期間の隔離が義務付けられる。

足元では感染が急増しているもようだ。北京市の衛生当局は12日、11日に市内の医療機関で発熱の診察を受けた外来患者は延べ2万2000人で1週間前の16倍になったと発表した。担当者は記者会見で「北京で新型コロナが急拡大する流れがなお存在している」と述べた。市内の病院の窓口では行列ができている。

一方、衛生当局が発表した中国本土の新規感染者数は12日に約7500人と、4万人を超えた11月27日のピークから急減した。野村国際(香港)の陸挺・中国首席エコノミストらは13日のリポートで「PCR検査数が急減したためで、この統計は誤解を招く」と指摘した。政府は感染者数の精緻な集計を事実上放棄した形だ。

感染症の専門家で中国のコロナ対策に発言力をもつ鍾南山氏は9日、国営新華社の取材に「中国で流行しているオミクロン型(の派生型)は感染がとても速い」と説明。「再び強力な予防・管理措置を実施しても感染の連鎖を完全に断ち切ることは難しい」と認めた。
中国メディア、第一財経の11日の報道によると、復旦大学付属中山医院の鍾鳴主任は「感染者数は1カ月以内にピークを迎える」と予測した。

企業への影響も出ている。北京市にある大手日系企業では感染の疑いや感染リスクを避けようとする社員が増え「出社率は2割程度にとどまっている」(幹部)。

別の外資系企業は7日の制限緩和にあわせて従業員を在宅勤務から原則出社に切り替えたが、市中感染が拡大しているとみられることから「出社の必要がない社員は在宅に戻した」(人事担当者)という。顧客との打ち合わせもテレビ会議などで行っている。

北京では料理店の出前やスーパーの配送サービスが滞っている。配達員の感染が増え人手不足に陥っているもようだ。

南部の広州市で電子部品工場を運営する日系企業の担当者は「従業員に感染者が次々と出ている。稼働を止めないようやりくりしているが、今後どうなるかわからない」と話す。休業中の飲食店の従業員は「店員の多くが感染したので当面営業できない」と漏らした。
自動車産業が集積する内陸部の重慶市では、一部のメーカーが自宅用の検査キットを従業員に配布し、陰性だった場合のみ出社を求めるルールを導入。陰性が確認できずに休業する従業員が増え、工場の稼働率が低下している。

鍾南山氏は「コロナワクチンの追加接種が急務だ」と指摘する。衛生当局によると、11月下旬時点で2回接種した人は60歳以上で約86%、80歳以上で約66%にとどまり日米よりも低水準だ。当局は高齢者らに接種を呼びかけている。

(大連=渡辺伸、北京=多部田俊輔、広州=川上尚志)

【関連記事】

・中国、ゼロコロナ徐々に脱却 香港不動産運用会社CEO
・中国、ゼロコロナ「出口」に苦慮 浮かぶ段階的緩和
・ゼロコロナ緩和へ、中国副首相が方針 抗議活動受け

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西村友作
中国対外経済貿易大学国際経済研究院 教授
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貴重な体験談

北京では感染爆発が発生しており、医療機関も混乱状態が続いているようです。

私も早速コロナの洗礼を浴びました。体温が最高40度まで上がり、頭痛がひどく意識朦朧となったのですが、北京市の発熱外来で長蛇の列ができている映像を見ていたので病院に行くのを諦めました。

高齢者が罹患して亡くなるケースも増えているようです。私の北京人の親友のお母さん(70代、入院中、基礎疾患有り)も、コロナに感染してお亡くなりになられました。その友人曰く、院内感染で亡くなる高齢者が増えていて、葬儀社でも順番待ちが起こっているそうです。

コロナ感染爆発による混乱はもうしばらく続きそうです。
2022年12月14日 8:45 (2022年12月14日 9:21更新)
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詫摩佳代
東京都立大学 法学部教授
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分析・考察

2020年春頃の日本や欧米の状況に関する記事を読んでいるように感じました。ワクチンの普及で、日常が取り戻されつつある各国とは対照的に、いまだに人々が感染に怯えて行動が大きく制限される社会。こうした状況が継続すれば中長期的に、中国の社会に、経済に、国際関係に様々な打撃がもたらされるのではと危惧します。ここは欧米製の有効性の高いワクチンを活用するより他ないのではないでしょうか。中国製ワクチンが技術覇権競争の一環として開発された経緯があるので、そう簡単には行かないでしょうし、実際、中国は欧米製ワクチンの受け入れに現時点で消極的だとされますが、意地を張り続けるには代償が大きすぎるように感じます。
2022年12月14日 8:14
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

1990年代、朱鎔基元首相の時代、中国の経済学者の間である表現が流行っていた。「一掴就死、一放就乱」(中国経済が管理されると、すぐに活力を失い死んだような感じ。自由化すると、すぐに混乱してしまう)。目下の状況もまったく同じ。ゼロコロナ政策を続けると、経済も社会も活力を失う。自由化すると、大混乱に陥る。なぜこのようになっているのか。それは有効な制度の構築がなされていないからである。14億人の国家なのに、一人の指令に従わないといけないというのはそもそも可笑しい話
2022年12月14日 7:02 (2022年12月14日 7:04更新)
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説

ゼロコロナ緩和政策で中国の社会は大きく混乱し、経済の行き先も不透明となっていますが、これは習近平体制の構造的問題。不動産政策、脱炭素政策もそうでしたが、官僚組織や地方政府の知恵を借りず、鶴の一声で中国が動かされている限り、このような混乱は今後もたびたび起きるでしょう。
2022年12月14日 8:22 (2022年12月14日 8:23更新)
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

「ゼロコロナ」でガチガチの感染拡大防止策をとっていた中国で、今度は一転して「ウィズコロナ」的な行動規制緩和が急速に進められているようである。危惧された通り、感染が拡大しやすい冬場の行動規制緩和は、新規感染者数の急増につながる。医薬品の不足、医療機関の対応力を越える発熱者の来院、PCR検査場の急減で陰性証明が入手難など、困った事態に陥った。行動規制緩和で経済が上向くことが当初期待されたものの、欠勤者増加による人手不足などから逆に、経済活動の混乱を金融市場が危惧する状況。地方当局や現場責任者の裁量で臨機応変に、柔軟に対応することができない中国の弱点が、あらためて露呈しているようにも見える。
2022年12月14日 8:02』

https://www.nikkei.com/theme/?dw=17101300

[FT]米政権エネルギー担当、シェール増産拒否を批判

[FT]米政権エネルギー担当、シェール増産拒否を批判
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB134310T11C22A2000000/

『米政府の国際エネルギー問題担当特使を務めるアモス・ホッホシュタイン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻で世界の石油・ガス市場が混乱する中、米シェール企業の株主が増産を阻んでいることを「米国の国益にそぐわない」と評した。

米シェール業界には増産を期待する見方がある一方で、十分に応じきれていないとの指摘もある=AP

バイデン米大統領はインフレ高進を食い止めるため、国内の石油業界に生産拡大を繰り返し呼び掛けている。だが、これらの企業は今年、記録的な株主還元を期待する投資業界からの圧力を受けている。

「過去最高益を計上する米国企業に『増産はせず、自社株買いと増配をしろ』と出資者から指図するのは言語道断だ」。ホッホシュタイン氏はこう話し、「米国の国益にそぐわないだけでなく、米国民にとって極めて不公平だ」と続けた。

「配当金を支払いたければ、支払えばいい。株主に還元したければ、還元すればいい。ボーナスを出したければ、それもすればいい。全部やった上でも、投資は増やせる。われわれが求めているのは、生産を拡大し、好機をとらえることだ」

こうした発言の背景には、海上輸送されるロシア産原油を対象とした欧州連合(EU)の禁輸措置と、主要7カ国(G7)によるロシア産原油の価格制限が始まったことがある。ロシアから国際市場への原油供給を維持しつつ、ロシア政府の収入を減らそうというのが西側諸国の狙いだ。

ロシア政府は、上限価格を守る国に原油を販売しない考えを重ねて強調してきた。同国のプーチン大統領は9日、「減産の可能性も検討する」と明らかにした。

ロシアが引き続き石油市場の不安定要因

ホッホシュタイン氏はロシア政府について、「極めて不安定な」石油市場に対する脅威の種であり続けているとの見方を示し、今年これまでのドイツへのガス供給停止など、エネルギーを武器として使うやり口を繰り返していると指摘した。

同氏は、原油輸出の停止も辞さないというロシアの脅しに触れ、「そのことをずっと考え続けている」と語った。「だが上限価格があってもなくても、そのリスクは存在する」

2022年は原油価格の変動が激しく、ロシアによるウクライナ侵攻開始直後の3月には1バレル140ドル近くに達した。そこで米政府はインフレを抑え込もうと、石油備蓄の放出を決めた。

最近は世界的な景気後退の恐れから、原油が大幅安に転じ、欧州の指標である北海ブレント原油先物は9日、年初来安値となる1バレル76.10ドルをつけた。

しかしホッホシュタイン氏は、プーチン氏と欧米の対立が一段と深まっていく間、欧州のガス市場を中心とした国際エネルギー問題が長引く公算が大きいとみている。

米国などの液化天然ガス(LNG)輸出国による「前例のない」努力により、欧州が今冬を乗り切れるだけのガス備蓄を確保できたとはいえ、パイプラインを通じたロシア産ガスの供給が失われれば「一冬ごとに」同じ取り組みを繰り返す必要が生じるとホッホシュタイン氏は警告する。

化石燃料の消費削減が長期的な解決策

米国やカタールで建設中の液化プラントが数年後に稼働するまでは、LNGの国際的な供給が増えない見通しだ。ホッホシュタイン氏は「来年に向けたガスの備蓄で越えなければならない山はもっと高い」と強調する。

「われわれは真剣に準備をし、エネルギー面において欧州などでギリギリのやりくりに一歩ずつ対処している」

LNG企業で幹部経験のあるホッホシュタイン氏だが、より長期的な解決策としては、天然ガス供給を拡大するための投資ではなく、化石燃料の消費自体を削減することを挙げた。

「(化石燃料の)需要を頭打ちにし、そこから減らしていかなければならない」と同氏は言明した。

今回のホッホシュタイン氏の発言は、米シェール業界に波紋を呼びそうだ。これまでも同業界は、増産を呼び掛けながら需要の削減や脱化石燃料の推進に言及するというバイデン政権の矛盾したメッセージに不満を募らせてきた。

ただホッホシュタイン氏は、矛盾があるとの見方を否定し、「力強い世界経済のために十分な(石油の)供給を確保しながら、エネルギー移行を加速するという2つのことを同時に実行できる」と述べた。

エクソンの自社株買いを批判

同氏は、石油がまだ何年かは経済にとって有益であり続けると考えている。米国産石油の価格が1バレル70ドル前後に下落すれば、バイデン政権が主な買い手となって連邦レベルの石油備蓄を積み増すつもりだという。

ホッホシュタイン氏は、12月上旬に米石油大手エクソンモービルが500億ドル(約6兆8000億円)の自社株買いを実施すると発表したことを批判した。ダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は「米国民に対する直接の」利益還元と位置付けている。

「自社株買いの発表もひどいが、米国民に利益を還元するためだという説明はもっとひどい」とホッホシュタイン氏は話す。「米国民に利益を還元したいなら、米国に投資し、従業員に投資し、生産を増やし、米国が他国への依存を減らせるようにすべきだ」と苦言を呈した。

By Derek Brower

(2022年12月11日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』

米下院の全議席確定 共和が9議席差で過半数

米下院の全議席確定 共和が9議席差で過半数
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DHF0T11C22A2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】11月8日投開票の米中間選挙で連邦議会下院(定数435)の全議席が確定した。AP通信が13日までに報じた。野党・共和党が222議席を獲得して4年ぶりに過半数を奪還し、与党・民主党は213議席だった。上院は民主の多数派維持が固まり、2023年1月に始まる新議会は上下両院で多数派が異なる「ねじれ議会」になる。

結果が決まっていなかった西部コロラド州第3区で共和現職が勝利した。得票率が僅差だったため州法に基づき再集計を実施していた。現在の下院の議席構成は民主が218、共和が213、空席が4。

中間選挙を受け、民主が大統領と上下両院の多数派をいずれも占める「トリプルブルー」の一角が崩れた。2024年の次期大統領選をにらむ与野党は対決色が強まる公算が大きく、バイデン政権がめざす政策の実行力が弱まるおそれがある。

オバマ政権だった10年の中間選挙で民主は下院で多数派を失った。ねじれ議会となった米議会ではオバマ政権が打ち出した経済対策の法案が共和の反対で阻まれる事態に直面した。

バイデン政権は民主が上下院の多数派を占める現状でも、財政政策や気候変動対策などに反対する与党議員の造反で看板政策が滞るケースがあった。ねじれ議会で政策実現のハードルは高まり、24年の次期大統領選で民主候補に打撃となる可能性がある。

下院共和ではマッカーシー院内総務ら執行部と距離を置く保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」が一定の影響力を持ちそうだ。中間選挙に息のかかった候補を擁立したトランプ前大統領を支持する議員も目立ち、党内で主導権争いが激しくなる事態もありうる。

上院(定数100)は民主を離党して無所属で活動すると表明したキルステン・シネマ議員を除いても、民主が50議席で多数派を維持し、共和は49議席となった。仮にシネマ氏が反対に回っても、上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を持つため上院では法案や政府高官らの人事案は可決できる。

中間選挙の事前予測では、歴史的なインフレの高止まりなどで民主が苦戦を強いられるとの見方が強かった。選挙分析に定評のある「クック・ポリティカル・リポート」は下院で20議席以上を失うと分析していたものの、民主が善戦し、共和は伸び悩んだ。

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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最も慎重でその意味では全てのメディアの指針となるAPが未集計分なども考慮し、下院の議席「確定」を打ったという内容です。最後の1議席はお騒がせの保守の現職議員のボーバート(コロラド州選出)で、再集計で議席を確保となりました。他社はすでに「共和党222議席、民主党213議席」をかなり前から出していました。昨日のあるウエビナーで私自身が「まだAPが出していないから」と「未定1」と説明したばかりでした。ところで難しいのは上院の方で、APは改選後は「民主党51、共和党49」。ただ先日のシネマの無党派宣言で別のところは「民主党50、共和党49、無党派1」。
2022年12月14日 11:10 (2022年12月14日 11:22更新) 』

中国、15日経済統計公表で記者会見せず コロナ感染拡大

中国、15日経済統計公表で記者会見せず コロナ感染拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1438T0U2A211C2000000/

『【北京=川手伊織】中国国家統計局は14日、15日に予定していた2022年11月の工業生産など各種統計の記者会見を行わないと発表した。新型コロナウイルスを封じ込めるゼロコロナ政策の緩和に伴い、北京市で感染が急拡大したためとみられる。統計そのものは予定通り、15日午前10時(日本時間午前11時)にホームページ上で公表する。

15日に公表するのは工業生産のほか、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した社会消費品小売総額(小売売上高)、固定資産投資、不動産開発投資、失業率などだ。

国家統計局は毎月、一連の経済統計の発表に合わせて記者会見を開いてきた。ただ今年は10月24日、7~9月の国内総生産(GDP)を発表した際も記者会見は開かなかった。

この時は当初、共産党大会期間中の18日に発表する予定だった。17日に延期を発表した後、事実上予告がないまま24日にホームページ上でデータを明らかにした。景気回復のもたつきを示す内容だっただけに、18日の公表が習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の3期目入りに不都合と判断したとの臆測が広がった。』

https://www.nikkei.com/theme/?dw=20012202

住宅の地下に核シェルター 札幌発、富裕層に照準

住宅の地下に核シェルター 札幌発、富裕層に照準
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC289850Y2A121C2000000/

 ※ 「地獄の沙汰も、カネ次第…。」か…。

『注文住宅のハウジングオペレーションアーキテクツ(HOP、札幌市)は、核シェルター付き住宅を発売した。地中に埋め込み、外部からの衝撃を最小限にとどめるようにした。核シェルター部分の価格は内部工事費や設置費用を含めて2000万~3000万円。建築する住宅の3割で採用を促していく。

輸入住宅の建設や防災シェルターを手がけるアンカーハウジング(川崎市)が開発した。HOPは建物の構造に合わせ、住宅とつながる階段部分やシェルター内部を設計・施工する。

地下4メートルほど掘ってシェルターを埋め込む

シェルターを囲む壁は鋼板を採用し、100年以上耐久できるようにしたという。塗装でさびの発生を抑え、船舶の溶接技術で密閉性を高めた。地下4メートル以上掘ってシェルターを設置し、土を2メートル程度かぶせて外部からの衝撃を和らげる。シェルターの広さは約10平方メートル。シェルター同士を連結することもできる。
放射能を除去しながら換気できる装置を取り付けた

放射能を除去しながら、外気とシェルター内の空気を入れ替える換気設備や井戸から水を供給する装置を備える。ソーラーパネルで電気供給し、衛星電話や冷暖房設備も取り付ける。シェルターに1カ月程度避難することを視野に、バイオトイレも備える。

HOPは当初、海外製の輸入を検討していた。ただ、海外製は別棟で建設するタイプが多いといい、住宅から直接避難することが難しい。アンカーハウジングと組み、地下室型の核シェルターを実用化した。

HOPは建設費1億~2億円程度の高級注文住宅を中心に、年50棟前後を施工する。木材の加工から設計、工事まで一貫して請け負う。道産材を生かした住宅が特徴だ。

売り上げの7割近くを東京や大阪、名古屋での案件が占めている。北海道内ではスキーリゾートのニセコのコンドミニアムなどを受注している。2022年3月期の売上高は35億円。営業利益が1億5800万円だった。営業を始めた核シェルター付き住宅も道外での採用が中心になりそうだ。

地下に設置するため、外気の影響を受けにくい。シェルター内の温度を一定に保てる。緊急時以外にはワインセラーや食料保存庫、カラオケや楽器演奏用の部屋といった使い方も可能だ。HOPの石出和博会長は「住宅にお金をかける富裕層にはシェルターの必要性を感じている人も多い」と語る。

北朝鮮が発射したとみられる大陸間弾道ミサイル(ICBM)が11月、北海道西側の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。HOPには数件の引き合いがあるといい、核シェルターに関心を持つ人も徐々に増えるとみている。

(久貝翔子)
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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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別の視点

スイスが1960年代以来、住宅にシェルターを義務付けており、数字の上では全住民がカバーされているのは有名です。冷戦中は西欧諸国でも、核戦争の際に政府機能を避難させる場所を確保しており、西ドイツのものの一部は博物館として残っています。この記事は富裕層用のものですが、各自治体レベルで一定のシェルターなどは考えていく必要があるのではないでしょうか。日本はこれまであまりに民間防衛を考えてこなかったので、これからキャッチアップしていく必要があります。考えるのも嫌なことばかりですが、備えることが社会のレジリエンスをあげるのだと思います。
2022年12月14日 12:03 』

ロシアと離れる中立パワー 協調に踏みとどまった世界

ロシアと離れる中立パワー 協調に踏みとどまった世界
本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD075L40X01C22A2000000/

『通常戦力で勝てる見込みがないため、ロシアはウクライナの発電所や住宅を壊し、人々を凍えさせようとしている。人々の戦意を奪おうという狙いだ。

ロシアがやっていることはウクライナ国民に対する拷問であり、早くやめさせなければならない。そのためにはロシアをさらに孤立させ、プーチン政権側の戦意をそぐ必要がある。

その意味で最近、今後に一定の望みを抱かせるできごとがあった。11月15~16日、インドネシア・バリで開かれた首脳会議で20カ国・地域(G20)が歩み寄り、ロシアを非難する宣言を打ち出したことだ。

宣言採決にこぎ着けたG20

筆者は当初、G20がウクライナ問題で結束を示せるとは思っていなかった。ロシアによる侵略が2月24日に始まって以降、G20は複数の閣僚会合を開いてきた。しかし、米欧とロシアが鋭く対立し、結局、何も決められない状態が続いていた。

G20は、世界の国内総生産(GDP)の8割超を占め、立場が異なる国々の寄り合い所帯である。メンバーの半数は米欧日などの西側諸国・地域だが、ロシアと中国も名を連ねる。

残る8カ国は西側諸国と中ロのどちらにもくみしないアジア、中東、中南米の「中立パワー」が大半だ。ウクライナ侵略問題でも、各国の立場が大きく異なる。

ところが予想に反し、G20は首脳会議で各国の違いを乗り越え、ロシアを非難する宣言の採択にこぎ着けた。ロシアを名指しこそしなかったものの、宣言は「ほとんどのメンバーが(ウクライナ)戦争を強く非難した」と明記。「核兵器の使用や威嚇」を許さないとも強調した。

この意義は大きい。これまでロシアをあからさまに批判することには慎重だった中立パワーが、ウクライナ侵略に「ノー」を突きつけたことになるからだ。

プーチン政権と友好を保つ中国は当初、首脳宣言からの反ロシア色を薄めようとした。だが、最後は大勢に従い、採択に異を唱えなかった。

内情を知る複数の外交筋によると、この首脳宣言をまとめた「立役者」はインドネシアと、23年に議長国を務めるインドだった。両国が手分けし、各国への根回しに奔走したという。

両国にとって、G20は米欧日や中ロと対等に渡り合える唯一の貴重な枠組みだ。このためロシアが元凶となってG20が空中分解してしまうことは、何としても避けたかったのだ。

とりわけ議長役のインドネシアはロシアの外堀を埋めようと、周到に動いた。首脳会議に先立つ数日前、バリに先乗りしてきた加盟国・地域の高官を集め、60時間以上にわたって宣言案の地ならしを進めたという。

侵略10カ月、変わり始めた構図

このできごとはウクライナ侵略から約10カ月がすぎ、ロシアを取りまく国際社会の構図が変わり始めたことを示している。具体的には、中立パワーの間にもロシア離れの動きが広がってきた。

大きな理由の一つは、プーチン政権による侵略が一層、残虐さを増していることにある。ウクライナの民間人や社会インフラを標的にしたロシアの攻撃は「伝統的にロシアと友好関係にあった新興国にも、懸念を広げている」(東南アジアの外交筋)。

象徴的なのが、インドのモディ首相が9月、プーチン大統領と会談した際に放った発言だ。彼は「今は戦争の時ではない」と語り、ロシアにクギを刺した。この発言はG20の首脳宣言にも、そのまま盛り込まれた。

第2に、ウクライナ侵略は、世界の食料やエネルギー危機に追い打ちをかけている。この影響をまともに受ける新興国や途上国の間では、ロシアへの不満が深まっている。

12月9~11日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに欧州、アフリカ諸国などの要人や識者が集まり、国際会議「世界政策会議(WPC)」が開かれた。そこで議題の一つになったのも、ウクライナの戦争が食料危機にもたらす影響だ。

「ウクライナは世界の主要な食料供給国だ。同国の生産が回復しないと大変だ」。新興国からはこんな懸念が聞かれた。「せめて黒海から(ウクライナの)食料がきちんと輸出できるようにしないといけない」との意見も出た。

グローバル問題で対応急げ

西側諸国はこうした状況を踏まえ、食料やエネルギーといったグローバル問題で中立パワーと連携し、対応を急ぐときだ。それが中立パワーを西側に引き寄せ、ロシアの包囲網を狭めることにもつながる。

その意味で23年、主要7カ国(G7)の議長国になる日本が果たせる役割は大きい。日本はG20の議長国であるインドと協力し、世界の対策を主導することが期待される。

軍事面では、米欧がウクライナへの支援を強め、ロシア軍をさらに追い込むことが肝心だ。ロシア軍の苦境がより鮮明になれば、新興国・途上国のロシア離れにも拍車がかかるに違いない。

第2次世界大戦後の安定を支えてきた米国主導の秩序は終わり、国際社会は西側諸国と中立パワー、中ロ陣営という3つの勢力に割れた。こうしたなか、世界の秩序を安定させられるかどうかは、前者の2つがどこまで歩み寄り、グローバルな問題で協力できるかにかかっている。

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深川由起子
早稲田大学政治経済学術院 教授
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西側には価値、中ロには権威主義体制維持という求心力がありますが、中立パワーにグループとしての求心力はないでしょう。あるとすれば、イデオロギーよりも皮算用を選択する自由の維持、それも中長期ではなく短期。中国はこれを熟知しており、ロシアと違って働きかけるカードも多いはず。パワー外交に目が行きがちですが、日本の長所は災害大国故にあらゆる相手の目線に合わせられる優しさと愚直なほどの真面目さ。これを活かした鵺(※ ぬえ)外交しかないのでは。
2022年12月14日 12:02

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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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「中立パワーの間にもロシア離れの動きが広がってきた」とみる秋田さんの興味深いコラム。「ロシア軍の苦境がより鮮明になれば、新興国・途上国のロシア離れにも拍車」というところもポイント。将来の歴史にどう評価されるか。
2022年12月14日 12:12』

大企業製造業が4期連続悪化、非製造業は改善 日銀短観

大企業製造業が4期連続悪化、非製造業は改善 日銀短観
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB133310T11C22A2000000/

『日銀が14日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の9月調査から1ポイント悪化し、プラス7となった。円安と資源高を背景とした原材料コストの増加が景況感を下押しし、4四半期連続で悪化した。大企業非製造業は新型コロナウイルスの影響緩和から3期連続で改善し、プラス19となった。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値だ。12月調査の回答期間は11月10日~12月13日。回答基準日の11月28日までに企業の7割台半ばが答えた。

大企業製造業の業況判断DIはプラス7と、QUICKが集計した市場予想の中心値(プラス6)をやや上回った。原材料コスト高などが全体の景況感の足かせとなった。石油・石炭製品はマイナス33と前回から40ポイント悪化し、素材業種の紙・パルプや化学も前回から8ポイント悪化した。

サプライチェーン(供給網)の改善や販売価格へのコスト転嫁の進展から景況感が改善した業種もみられた。自動車がマイナス14と前回から1ポイント改善したほか、金属製品はプラス8と8ポイント改善した。ただ先行きは海外経済の減速懸念も強く、大企業製造業全体でプラス6と足元から小幅の悪化を見込む。

非製造業では新型コロナの感染抑制と経済活動の両立が進んだことで景況感の改善が続く。大企業非製造業の業況判断DIはプラス19と市場予想(プラス17)を上回った。コロナ禍で一時マイナス91まで景況感が落ち込んでいた宿泊・飲食サービスも、前回から28ポイント改善し0となった。政府の観光促進策「全国旅行支援」や新型コロナの水際対策の緩和も景況感改善の後押しになった。

長引く原材料高で、企業がコストを販売価格に転嫁する動きも徐々に強まる。販売価格が「上昇」との回答から「下落」の割合を引いた販売価格判断DIは大企業製造業でプラス41と、調査を開始した1974年5月以降で過去最高だった。仕入れ価格判断DIも大企業製造業でプラス66と1980年5月(プラス77)以来の高水準で推移している。

企業の消費者物価見通しも高水準にある。全規模全産業の1年後の見通し平均は前年比2.7%上昇と、調査を始めた2014年以降で過去最高となった。3年後見通しは2.2%、5年後見通しは2.0%と、どれも2%台になっている。

企業の事業計画の前提となる22年度の想定為替レートは全規模全産業で1ドル=130円75銭と、9月調査(125円71銭)から円安方向に修正された。足元の円相場は一時1ドル=135円台で推移しており、修正された想定レートより円安・ドル高水準にある。

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 

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永浜利広
第一生命経済研究所 首席エコノミスト
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ヘッドラインだけで見ると、当初の想定ほど悪くないという見方もできるかもしれません。
しかし、経常利益計画を見ると、特に輸出関連産業の多い製造業において今年度下期で大幅下方修正の減益計画となっています。
やはり背景には、エネルギー価格の高騰や急速な金融引き締めの継続などにより、欧米を中心とした世界経済の悪化が見込まれているものと推察されます。
このため、特に製造業に関しては決して楽観視できる結果とはいえないでしょう。
2022年12月14日 9:07 (2022年12月14日 11:26更新)

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小宮一慶
小宮コンサルタンツ 代表取締役CEO
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企業の仕入れを表す「企業物価」は、ここ数か月では前年比で9%を上回っている。一方、消費者物価も10月には3.6%まで上昇しているが、国内だけを考えれば、企業は十分に仕入れ価格の上昇を価格に転嫁できていないということだ。とくに中小企業ではその傾向が強いように、企業の現場を見ていて感じる。
海外で活躍する企業の業績と国内を主戦場とする企業との業績格差が大きくなっており、そのことにより賃上げが二極化することを懸念している。
2022年12月14日 10:42

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https://nkis.nikkei.com/pub_click/174/4D7_0jRXnBaMqV0tG_9eCE56jJjA7CfcgNw5VrPHBSWFu-tjuq7CXY5IbDmEBqWxuZAgbb_KFymw9eYZ2Ci1F2dNULTCXjzYFLMnxjd6QpW9iBtwYwmiggIe8tXF6L3IYgUd6IYWTssadSPcSteQKKNzkhdxmaPuDlPz2RLdJKJU2Je66f72kRWPsVZzhBVOnJMolYxQILA4Yg0K9Elr8gM-OKTrCzWYG9jGOvuqAlzRSvHcz9U3Y5BR6AwuKL-aHX-oQsvnyL4cvLlaAaK4VLqNZO-XQEXGZ5o8-P8b7nkwK0p8f9H4l3RbfqGrS0ZHuFOGz3bEygI65l-gHkwf0WSf5970madkizJ_A9FkOrmgYU-X8jLNFs9dVW7rBYUr2_Em77ocmeDOEBCTdn_-mi-NX00f62Kzc4LLZsOIKNhHmWvZ0JX_xJFpffsVn0ienN8chq823OmbP2FmvwkmG6za6Gh-ielShPcqbU5Zpb5EcuuOnmSMIn9aBjCr//113417/151712/https://www.nikkei.com/promotion/campaign/line_friend/?n_cid=DSPRM1DP01_2022lineb