防衛3文書、対中国を前面 「懸念」から「挑戦」に

防衛3文書、対中国を前面 「懸念」から「挑戦」に
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『自民、公明両党が合意した国家安全保障戦略などの防衛3文書は中国の軍事動向への対応を前面に示した。2013年の安保戦略で「懸念」とした表記を「挑戦」に引き上げた。戦後、政策判断として控えてきた反撃能力の保有を打ち出した。

安全保障の最上位の文書と位置づける安保戦略はまず日本の安全保障環境を評価したうえで、政府としての目標やその手段を記す形式をとる。安保環境の内容は日本が防衛力を強化する根拠に相当する。

自公が最終局面まで詰めたのがその安保環境の分析だ。ロシアや北朝鮮よりも先に中国を取り上げ「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と記述すると確認した。

防衛政策を定める国家防衛戦略にはより踏み込んだ言葉を用いた。中国による8月の日本の排他的経済水域(EEZ)へのミサイル発射に対象を絞りつつ「地域住民に脅威と受け止められた」と言及した。

中国はこの30年間で軍事費を40倍ほど増やし、米国が「米国の最も重要な地政学上の挑戦」と位置づけるまで軍事力を増強した。

防衛3文書は「挑戦」「脅威」を抑止するために、新たな防衛の手段を獲得する必要があると結論づけた。

踏み出したのが憲法9条に基づく専守防衛を背景とした戦後の防衛政策の転換だ。

反撃能力の保有を新たな防衛力強化の柱とする。専守防衛下の「必要最小限度の自衛措置」と位置づけ、武力行使3要件を満たせば相手領域にある「軍事目標」に反撃できる力を持つ。

反撃手段となる長射程のミサイルを導入する。国産型の改良に加え、米国製巡航ミサイル「トマホーク」を購入する。音速の5倍以上で変則軌道を飛ぶ極超音速誘導弾については潜水艦発射型も含めて開発する。

防衛費は「27年度に現在の国内総生産(GDP)の2%に達することを目指す」と記した。日本は1976年に国民総生産(GNP)比1%以内の枠組みを設け、それ以降ほとんど1%を超えたことがなかった。

国を挙げて安保政策に取り組むため、GDP比2%を達成する新たな枠組みも明記した。自衛隊や海上保安庁が空港や港湾などの公共インフラを使うための仕組みをつくり、科学技術研究を安保に転用しやすくする。

サイバーや宇宙、無人機などの新しい戦闘方法への対応を打ち出した。サイバー攻撃を未然に防ぐため、平時でも兆候があれば攻撃元に監視、侵入などで対処する「能動的サイバー防御」を導入する。

戦闘機や艦船の防衛装備品は維持整備費を倍増し、いつでも使える状態に保って稼働率を上げる。いまは交換部品の購入費が不足し動かせる状態にある稼働率は5割あまりに低下している。
自衛隊再編 着手へ 統合司令部・沖縄部隊格上げ

政府は与党の合意を経て中国をにらんだ自衛隊の再編作業に着手する。陸上自衛隊の定員を2千人ほど削り、海空に振り替える。沖縄方面の旅団をおよそ60年ぶりに格上げする。

再編の柱が台湾有事などの際に米軍と自衛隊の一体運用を可能にする組織の創設だ。陸海空の3自衛隊の部隊運用を一元的に担う常設の「統合司令部」を設ける。

統合司令部を率いる「統合司令官」が部隊の指揮や米軍司令官との調整を担う。統合幕僚長が首相や防衛相の意思決定の補佐に軸足を置けるようにする。

南西方面で中国に対処するのが沖縄県の防衛や警備、災害派遣などを担う陸自の第15旅団だ。普通科連隊を1つから2つに増やし「師団」に格上げする。指揮官の階級は陸将補から陸将に上げる。

陸自は人員を縮小する。攻撃型無人機の導入に転換し、対戦車・戦闘ヘリコプターのAH1SやAH64Dは順次廃止する。60機ほどを減らし、1000人規模で人員を移す。観測ヘリコプターのOH1も偵察用無人機に移管する。

台湾有事で不可欠となる海空の部隊も増やす。航空自衛隊は宇宙領域の活用に力を入れるため「航空宇宙自衛隊」に改称する。3月に発足した宇宙作戦群を空将が指揮官となる「宇宙作戦集団」に改める。

サイバー要員を確保する。2027年度までにサイバー防衛に関する知識を持った自衛隊の人材を2万人規模に増やす。このうち3月に新設した自衛隊サイバー防衛隊を中心にしたサイバー防衛の専門人員は4000人程度に増員する。

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予算・税制2023
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2023年度(令和5年度)の税制改正と予算編成の議論が大詰めを迎えています。政府・与党は12月中旬にも与党税制改正大綱をまとめます。NISAやインボイス、自動車税、相続税など暮らしに関わる税制はどうなるのでしょうか。最新ニュースをこちらでご覧になれます。

【Q&A】税制改正の目的と手続きは
【解説】23年度概算要求、上限ない項目3倍に

生前贈与の相続税対象期間、7年に延長へ 政府・与党(5:24 更新)
所得30億円超の課税強化、政府・与党 25年にも(5:15 更新)

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