図録▽認知症の国際比較

図録▽認知症の国際比較
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2136.html

 ※ 今日は、こんな所で…。

『“dementia”に対応する言葉としてそれまで「痴呆」とよばれていた症状が厚生労働省によって「認知症」という用語に名称変更されたのは2004年であった。その後、高齢化が進むにつれて「認知症」は誰もが罹りうる身近な病状として認識されるようになっている。
 人口当たりの認知症患者数について、OECD諸国とその他主要国の2017年の実績と20年後の2037年の予測値を図に示した。


 人口1000人当たりの認知症患者数はOECD平均で14.7人であり、日本はOECD諸国で最多の23.3人である。日本の場合人口100人に2人以上は認知症患者がいるのである。さらに、2037年にはOECD平均で17.3人、日本は38.4人に増えると予測されている。

 こうした数字だけを見るだけでも大変厳しい状況にあることが理解される。

   高齢者ほど認知症を発症する割合は高くなるので、国ごとの人口当たりの認知症患者の多い少ないは、高齢化の進展度と相関している。ページ末に掲げた相関図ではこの点を示した。日本など高齢化の進んだ国で認知症患者が多く、途上国のインドなど高齢化がまだ進んでいない国では認知症患者が相対的に少ないことは一目瞭然であろう。

   また、この相関図からは、日本は、イタリア、ドイツ、フランスといった西欧の主要国と比較して高齢化の割にはやや認知症患者が少ないことも読み取れよう。

   各国の認知症の患者数とともに死亡率のデータも掲げた。ここで死亡率は年齢調整後の値なので高齢化のバイアスが除かれた死亡率を見ることができる。認知症は、死因としてのダメージもさることながら、家族を含めた生活困難のダメージが大きいので、日本では寿命・健康ロスの大きさが3番目に深刻な病気なのである(図録<A href="2050.html">2050</A>参照)。従って死亡率だけで各国の認知症の深刻さを判断することはできないが、認知症に伴う課題の一端をうかがうことはできよう。

 少し年次が古いが「現代の殺人者」(A modern killer)と題された認知症の深刻さを指摘するOECDオブザーバーの記事(第297号、2013年第4四半期)を以下に訳出する。状況はあまり変わっていないと思われる。

 認知症は治療法が得られない破滅的な病気である。ケアはお金的にも、感情的にも負担が大きい。高齢化が進んでいる社会では医療システムへの負担も大きくなる。症状は脳にダメージを与え、人間の身体機能や認知能力を衰えさせる。

   アルツハイマー病インターナショナルによると、4秒ごとに誰かがどこかで認知症を発症する。世界的な予測によると3千6百万人もの人が認知症を患い、その40%は高所得国に暮らす。OECD諸国全体では60歳以上の5.5%が認知症を発症している。認知症とアルツハイマー病による死亡率はフィンランド、米国、アイスランド、オランダで最も高い<FONT size="2">(注)</FONT>。90歳以上の約半分が認知症を抱えている。

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(注)2013年当時のデータ。現在では図の通り、フィンランド、英国、アイスランド、オランダ、米国の順。認知症死亡率に関しては日本はかなり低位にあることも図からうかがわれる。

   心臓病やガンといった死をもたらす主要疾患による死亡率や障害率の削減についてはOECD諸国で進歩が見れられる一方で、認知症についてはそれが当てはまらない。

   OECDでは主に次の3点の対策を図っている。すなわち、①必要な治療と診断を提供するための官民連携の手法開発、②病気の予防や対処法のイノベーションを加速するために生命科学や情報技術からの助言をひきだす仕方の検討、③罹患した患者やその家族による介護やケアを改善するための手法開発である。
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   患者数データの対象国を図の順に掲げると、メキシコ、トルコ、スロバキア、韓国、ポーランド、チェコ、イスラエル、ハンガリー、アイルランド、米国、チリ、スロベニア、アイスランド、カナダ、ルクセンブルク、ニュージーランド、オーストラリア、ラトビア、リトアニア、エストニア、ノルウェー、オランダ、デンマーク、英国、スイス、ベルギー、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、スペイン、ギリシャ、フランス、ポルトガル、ドイツ、イタリア、日本、南アフリカ、インドネシア、インド、中国、ブラジル、ロシアである。

  (2022年3月10日収録)

社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune
https://honkawa2.sakura.ne.jp/index.html

「認知症が減少」のなぜ みえてきた教育水準との関係

「認知症が減少」のなぜ みえてきた教育水準との関係
科学の絶景
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC05BG00V01C22A2000000/

『高い教育水準が認知症を抑える――。データから明るみに出たのは、20代までの学習期間や生涯を通して学ぶ意欲の大切さだ。

「日本人は認知症にならずに長生きする」。2022年春、意外なニュースが世界に流れた。認知症はどの国にとっても懸案だ。既に世界で5000万人を超える人が患い、50年には1億5000万人以上になるとされる。日本でも12年の462万人から40年には900万人を上回るとの見方がもっぱらだった。

ニュースの震源地となった東京大学や米スタンフォード大学がまとめたのは「日本は16年の510万人から43年には465万人に減る」(東大の橋本英樹教授)という推計だった。

分析は「年を重ねるとどんな病気や機能低下が生じるか」をコンピューターで探った。16年から時を進めると、60歳以上が暮らす架空の日本で認知症の人は25年に503万人、34年に490万人と減っていった。

従来予測に反する「減少」との推計は健康状態や教育歴といった個性を反映したのが影響した。ここからみえてきたのは高い教育水準が認知症を抑える期待だ。

朗報にはヒントがあった。推計からは、65歳時点で期待する残りの人生のうち、認知症を伴う期間がどれだけを占めるかもわかる。43年には大学卒業以上の男性の場合は1.4%にとどまり、高校卒は7.7%、高卒未満は25.6%だった。女性は大卒以上が15.4%、高卒が14.8%、高卒未満が24.6%。学びの機会が増えると、認知症と向き合う期間が短くなった。

治療にてこずる今は「教育問題を口にするのは社会的な影響が大きく、声を上げにくい」と漏らす専門家もいる。しかし、そうも言っていられない。学習の重要性を裏づける証拠が増えてきたからだ。

「米国の65歳以上の認知症有病率は2000年の12.2%から16年に8.5%になった」。米ランド研究所のピーター・フドミエット氏らは11月に最新の研究成果を発表した。

人口の増加と高齢化で認知症の人は身近になるが、人々が認知症になりやすくなるわけではない。真の有病率は先進国ではむしろ下がってきたとみる。

米国で減った正確な理由はわからないが「高血圧などの改善もあるが、男女とも大卒者が増えており、教育水準の向上が重要な役割を果たしたようだ」(同氏)。男性では非ヒスパニック系の白人と黒人の有病率の差も縮まった。

実は「学習の大切さは半ば常識だ」と打ち明けるこの分野の専門家は多い。論文には何年も前から、思春期を含む年代の学習期間の短さが高血圧や鬱などと共に危険因子にあがる。

認知症の多くはゴミとなるたんぱく質が脳の神経を傷めるのが原因とされる。「脳の細胞が成熟する時期の教育は脳をタフにする」「キャンパスで培った人脈を通じた生活体験や仕事、健康意識の高まりが奏功」。因果関係の評価は様々だが、真実味はある。学びの価値を誰もが自覚する時に来ている。

進路は選択の自由がもたらすが、一人ひとりが社会を支える役目を考えれば、学習期間の物足りなさを個人の問題と片づけるわけにはいかない。社会全体での備えが欠かせない。進学の機会を手にできない人もいる。国内外を問わず教育格差は不平等がまかり通る社会から生まれる。社会を作りかえていくのも認知症対策だとの認識が世界では広がりつつある。

もっとも「(教育歴が全てという)運命論ではない」(橋本教授)。これからの選択で未来は創っていける。認知症の発症リスクはいくつもあり「他を減らせば補って余りある」と量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所の樋口真人部長は話す。

その考えを福岡県久山町で65歳以上の住民約800人を24年にわたって見守った九州大学の研究が後押しする。二宮利治教授らは認知症を予測する手がかりを見つけ、10年後の発症確率を探るチェック表を作った。教育歴が9年以下で不利になるが、糖尿病の予防などで巻き返せる。教育歴が長くても、喫煙習慣や高血圧で暗転してしまうのも貴重な教訓だ。
英国で1000人超の60年以上に及ぶ変化を追った研究陣が導いた発見は「懸念は生涯を通じて打ち消せる」。幼少期の認知能力が低いと高齢期の認知能力が下がるとの疑いが強まる中で「私たちの研究では、この関係は信じられているほど決定論的ではない可能性がある。中年期の教育や働き方、余暇活動などで悪影響を相殺しているようだ」(英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの担当者)。

最新の研究は、認知症を防ぐには健康管理だけでは足りないと物語っている。数々の壁が進路を阻む社会や教育水準の低い国ではリスクが大きく、それを被る人々は見過ごされがちだ。社会の構造問題にもメスを入れる覚悟が必要になる。

(サイエンスエディター 加藤宏志)

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ロシア軍の冬支度は北朝鮮製 弾薬輸出の疑惑も

ロシア軍の冬支度は北朝鮮製 弾薬輸出の疑惑も
https://nappi11.livedoor.blog/

『安保理は2017年9月に採択した北朝鮮制裁決議で、衣類の賃加工を含め北朝鮮の繊維製品輸出を禁じている。米政府系のラジオ自由アジア(RFA)は、北朝鮮unidentified-russian-soldiers-modern-militaryが外貨稼ぎのため2022年10月位からロシアの冬の軍服と防寒靴を製造していると報じていた。これらはウクライナ侵攻に投入された軍人に支給される予定という。

また、北朝鮮は第三国向け物資に見せかけて弾薬をロシアに提供しようとしているとの疑いも持たれている。韓国当局者は兵器取引についても「憂慮し、関連動向を鋭意注視している」と繰り返し、米国など主要友好国と緊密に意思疎通を図っていると述べた。、、、北はロシアへの弾薬輸出を早々と否定しているが、恐らく書類上は、中国か中央アジアへの輸出とでもしているのだろう。写真はイメージ
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ウクライナメディアはロシアの軍用衣料に関しRFAを情報源として、具体的に、北朝鮮の工場は、ロシア軍の冬服、下着、靴を縫製し、平壌の 3 つの工場と国内の他の地域の企業がこの作業に関与していると報じている。
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この企業の運営に必要な原材料は、ロシア連邦から海路で入手され、Radio Free Asiaの情報源によると、ロシア兵の既製服は、列車で国家友好橋を通り、ハッサン(ハサン)駅Khasanまでロシアに配送される予定だ。

このルートの鉄道貨物サービスは、COVID-19の流行に関連して中断していたが、11月2日に再開された。その前日、北朝鮮とロシアの国境にある民族友好橋を渡る列車の衛星画像が公開された。どのような貨物を積んでいたかは不明。

情報筋がRFAに語ったところによると、ロシアと国境を接するラソンのラジンスキー地区 Rason’s Rajinsky district, which borders Russiaには多くの輸出衣料品工場があり、ロシア軍用の制服も縫製することになるという。そして近い将来、靴もそこで作られるようになる、、、

つまり、ロシア、中国、北朝鮮の悪の枢軸にとって、国連制裁など何の規制にもなっていないのだ。それで得た外貨でミサイルが作られ日本に向けて発射なら、日本もしっかり調査し提訴すべきだと思うが、、。 英文記事 』

“プーチンのロシア” 社会にはびこる病は“無関心”

“プーチンのロシア” 社会にはびこる病は“無関心”
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/12/09/27883.html

『「戦争を防ぐことができなかったわれわれは受賞に値する団体なのか」

ことしのノーベル平和賞に選ばれたロシアの人権団体「メモリアル」の幹部はこう語り、複雑な胸の内を明かしました。

ソビエト時代に創設され、一貫して人権侵害の監視に取り組んできた「メモリアル」。2000年のプーチン政権発足後のロシア社会をどう見てきたのか。ウクライナ侵攻後のロシアはどうなっているのか。話を聞きました。

ロシアの人権団体「メモリアル」とは

「メモリアル」はソビエト時代の1987年に創設され、政権による政治弾圧を記録するなど人権侵害の監視に取り組んできました。

ノーベル平和賞の受賞が決まり取材に応じる「メモリアル」のメンバー(2022年10月)

2016年にはプーチン政権からスパイを意味する「外国の代理人」に指定されます。

そして2021年12月。ウクライナへの軍事侵攻直前に、外国の団体から資金を得て活動しているなどとしてロシアの最高裁判所から解散を命じる判決を言い渡されました。

侵攻後の2022年3月には治安機関による事務所の捜索まで行われたという人権団体「メモリアル」。

その幹部オレグ・オルロフ氏がNHKのインタビューに応じました。

※以下、「メモリアル」の幹部オレグ・オルロフ氏の話

「われわれは受賞に値するのか」

ノーベル平和賞が私たちに授与されることを知ったとき、私たちはこれが本当に起こったことなのか驚き、信じられない思いでした。その日の朝、私はもて遊ばれているのではないかとさえ思いましたが、その後、喜びと感謝の気持ちが起こりました。

「メモリアル」オレグ・オルロフ氏

なんとも不思議な感覚でした。ご存じのように、恐ろしく、残酷で、血なまぐさい戦争が行われているときに私たちは平和賞を受賞することになりました。私たちを含むロシアの市民団体はこの戦争を防ぐことができませんでした。

私たちは平和賞に値する団体なのでしょうか。その問いへの答えはまだ出ていませんが、私と私の同僚にとってこれは非常に重要な賞です。いまの非常に厳しい状況において強力な精神的な支えであり、私たちが仕事を続けるための励みになります。

2000年のプーチン政権発足後のロシア社会とは?

ロシアでは2000年代に入り徐々に言論の自由が破壊されロシア国営テレビだけが「現実」を作っていきました。

当局によって人々は「自分たちは何も達成できない」と吹き込まれていきました。「自分の世界にいなさい」と言うのが当局の仕事でした。そして彼らはそれを達成しました。

ロシア プーチン大統領

もちろん、非常に活動的で社会で起こっていることにすぐに反応することのできる人たちはまだ残っていますが少ないです。大多数は自分の無力さを学び、その無力さのために自分自身に関係すること以外は何も興味がわかなくなっています。

それは大きな悲劇でロシア社会の病気だと言えるでしょう。

人々は自分の狭い境界の外で何かをすることは非常に危険であるという“恐怖”を植え付けられています。当局を批判することは非常に危険です。

確かに政治的抑圧があります。スターリン下のようなものではなく、社会を威嚇するために特別に作られた広く選択的な抑圧です。

人々はジャーナリストや社会学者、特に外国のジャーナリストと話すことを恐れています。あなたと話すことで自分自身を危険にさらすよりも「私は何も知りません。興味がありません」と言って引っ込むほうがよいのです。

抑圧に対する抵抗はなかったのか?

2000年以降、人権に対する攻撃は絶え間なくありましたが、2011年から2012年にかけてプーチン氏の権力復帰に対する不満から人々がこれに抵抗するといううねりがありました。社会活動の急増、抗議行動の急増、社会が憤慨し巨大な抗議行動が起こりましたが、過酷な法律、人々の投獄、政治的プロセスによって抑え込まれました。

2011年 モスクワで行われた大規模集会

社会に示されたのは「干渉するな。危険だ。罰するぞ」ということです。

人権に対する攻撃は強力な時、ゆっくりとした時、後退したこともあり、状況にわずかな改善があった瞬間もいくつかありました。それと同時に市民社会への攻撃もありました。それは時期によってさまざまな形を取りました。

もう22年がたちます。22年の間にロシアの社会は徐々に劣化していったのです。

ウクライナ侵攻後のロシアはどうなっているのか?

侵攻直後の2月には反戦運動が盛り上がり非常に強力な抗議が行われました。多くの都市で人々が街頭に繰り出し有名な文化人たちの抗議の手紙が集まりました。戦争反対の請願書には100万を超える署名が集まりました。このようなことが集中して起こりました。そして、私の記憶ではこれが市民の抗議活動の最後のうねりでした。

抗議デモ参加者を連行するロシアの警察(モスクワ・2022年9月)

その後の苛酷な法律、人々の投獄、巨額の罰金。これらのことで市民社会は怯えてしまいました。

公に戦争反対と言うだけで少なくとも巨額の罰金が待っています。もしくは数日間、15日、30日ほど拘束されます。そして次の段階では実際に刑務所に収容されてしまいます。何年にもわたって収監されるのです。言葉だけで。おわかりいただけますか。そのような法律が多く施行されました。そして今も施行され続けています。

ロシアではかなり大規模な出国、国外への出国が始まりました。まず出国するのは抗議活動の中心となる人たちです。若く、活発で、思慮深い人たち。これはロシアに対するプーチン大統領の恐ろしい犯罪です。ロシアが、自国の将来のための人材を失っているのはとてもひどいことです。

なぜ「メモリアル」は解散させられたのか?

もし「メモリアル」が合法的に存在し続けたなら反戦運動のプラットフォームになることは明らかでした。そのためウクライナへの軍事侵攻前に社会運動の場を排除しようとしたのだと思います。

われわれはこの国の抑圧された歴史と向き合い人権問題に取り組んできましたが、治安当局はそれを非常に嫌い、いらだっていました。

当局にとって歴史とは政治の“ツール”にすぎません。彼らがそこで考えだそうとしているのはウクライナに関する歴史的研究のようなもので「ウクライナという国は存在せず、そのような民族は存在しない」というようなたぐいのことです。彼らにとって歴史とはそのような“ツール”なのです。

解散の判決を下したロシア最高裁法廷(2021年12月・モスクワ)

私たちが歴史について敬意を持って話し、真剣な社会調査を行い、ロシアという国の犯罪行為について思い出させるとき、彼らはそれが気に入らないのです。

彼らは私たちが人権問題を扱っているということも同じくらい気に入っていません。私たちは現在ロシアにいる政治犯のリストを公開しています。すべての人について説明し、これが政治的迫害であることを証明しています。彼らにはこれらすべてがとても気に入らないのです。

プーチン大統領は、もし、ロシアでの世論や、市民社会、反体制派を抑えることができなかったならば、おそらく、この戦争を始める危険を冒さなかったでしょう。

今後の活動はどうするのか?

私たちが解散させられたとき、法廷でもはっきりと話しました。

特定の団体、法人を解散することはできても、人々の共同体としての「メモリアル」を解散させることはできません。

私たちは活動していますし、活動していきます。解散させられましたが、活動しているのです。自宅で、他の方法で、半地下で、地下で、引き続き活動していきます。

そして、外国に行った私の同僚たち、かなりの数が去りましたが、彼らは助かるために去ったのではありません。彼らはみな国外で活動するために去ったのです。ここでそれができないなら、国のためにその地で活動します。

私たちはみな仕事を続けています。アーカイブとライブラリの両方を保存するよう努めており、保存できると思います。そして今も人権を守り続けています。
「メモリアル」の資料室(2021年12月撮影)

私たちができることは働き続けることです。私たちにとって重要なことは何があっても活動をやめず、仕事を続けることなのです。』

プーチン氏、旧ソ連諸国や中国・インドに防衛協力訴え

プーチン氏、旧ソ連諸国や中国・インドに防衛協力訴え
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR09AUN0Z01C22A2000000/

『ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワで開いた旧ソ連諸国による独立国家共同体(CIS)と、ロシアが中国やインド、中央アジア諸国などとつくる上海協力機構(SCO)の合同国防相会議でビデオ演説し、軍事協力の強化を訴えた。各国の協力を得て、ロシアのウクライナ侵攻を批判する米欧に対抗する思惑があるとみられる。

プーチン氏は演説でウクライナ情勢に触れ、「欧米は事実上、この国(ウクライナ)を植民地に変え、いまやウクライナの人々を冷笑的に肉弾として利用している」と米欧を批判した。米欧が世界のあらゆる分野で「支配」を維持しようとしているという従来の主張を繰り返した。

CISとSCOの軍事協力については「防衛分野での緊密なパートナー関係は(加盟国の)権威と影響力を高める」と主張。具体的な協力の項目として、平和維持活動、情報交換、武器供給をはじめとする軍事技術をあげた。

CISはロシアが主導する緩やかな地域協力組織で、SCOはロシアや中印などがユーラシア地域での協力を強化するために創設した国際的な枠組みだ。両組織の加盟各国は米欧による対ロシア制裁には加わらず、同国との関係を維持している。』

米共和党、新議会で政権の外交を監視 大統領選にらむ

米共和党、新議会で政権の外交を監視 大統領選にらむ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08BIK0Y2A201C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米野党の共和党は、11月の中間選挙の結果を受けて2023年1月に始まる議会でバイデン政権の外交政策を厳しく監視する方針だ。共和党が過半数を得た下院では外交委員長への就任が有力視されるマイケル・マコール氏が前面に出る見通しだ。中国やアフガニスタン、ウクライナ政策に照準を合わせる。24年の大統領選をにらんで与野党の攻防が激しくなる。

次期議会での下院議長に立候補した共和党トップのケビン・マッカーシー院内総務は8日、「中国特別委員会」を設置すると重ねて明言した。ツイッターで「米国にとって最大の脅威は中国共産党だ。中国の攻撃に対処して勝利しなければならない」と力説した。議会が特定国に対象を絞って委員会を立ち上げるのは異例だ。

下院外交委員会に所属する共和党のヤング・キム議員は8日、日本経済新聞の電話取材でバイデン政権の対中国政策について「約束を確実に守るという観点でもう少し決意を見せる必要がある」と述べた。台湾への武器の引き渡しが円滑に進んでいないと指摘。スピードアップのため「バイデン政権の説明責任を問い続ける」と言及した。

バイデン大統領の元側近は「共和党は中国に弱腰と受け取れる政権のあらゆる言動や政策を批判するだろう」と予測する。米政権が目指す気候変動対策などでの中国との協力は進めにくくなる可能性がある。共和党はバイデン氏の息子ハンター氏が不適切に中国ビジネスに関与したと主張し、詳細な調査に乗り出す構えで揺さぶる。

共和党は、中国に強硬姿勢を打ち出せば24年の大統領選で優位に立てるとみる。保守派団体の首脳は「旧ソ連はイデオロギーを巡る敵国だったが、中国は経済をめぐる敵国だ」と主張。「あらゆる問題は最終的に経済問題に集約される」と語り、中国への強硬姿勢が労働者層の票の確保につながると強調する。

共和党は米軍のアフガン撤収に関する混乱でもバイデン政権を追及する。21年8月の撤収完了間際に自爆テロで米兵13人が犠牲になり、20年間にわたって抑えつけていたイスラム主義組織タリバンの復権を許した。米軍撤収の混乱をきっかけにバイデン氏の支持率は急落した。

キム氏は「撤収のやり方は明らかに米国の弱さを映した」と述べ、中国やロシアの挑発行為を促したと批判した。バイデン政権はアフガン戦争で米国に協力したアフガン人の国外退去を十分には実行できなかった。キム氏は「(中ロは)米国が協力者を見捨てたとみなした」と断じ、国際社会で米国の信頼が傷ついたと考える。

12年にリビア東部ベンガジで起きた米領事館襲撃を巡っては共和党が特別委員会を立ち上げ、当時のオバマ政権の不備を糾弾した。バイデン氏は同政権で副大統領を務めていた。だが、アフガン撤収についてはトランプ前政権も同意しており、共和党が追及の決め手を欠くとの見方もある。

共和党はトランプ氏が外交政策の理念とした「米国第一」が色濃く残り、同盟国に負担を公然と求める傾向が強い。

マコール氏は日経新聞の書面取材で、米国は中国による台湾侵攻を抑止するために武器支援を含む「全ての手段を使う」とした。「ほかの民主主義国も同じアプローチをとるよう奨励する」と訴え、武器支援で連携を促した。

米国の同盟国は台湾と国交を持たず実行のハードルは高いが、マコール氏の発言からは米国だけで台湾支援を引き受けられないとの思いがにじむ。

マコール氏はウクライナ支援でも「欧州に公平な負担をするように要求する」と明言した。共和党には、バイデン政権はウクライナの国境をめぐる紛争より、メキシコとの国境から米国に入国する不法移民への対策を優先すべきだとの声があがる。批判をかわすためバイデン政権が欧州に負担増を迫らざるを得なくなる公算が大きい。』

https://nkis.nikkei.com/pub_click/174/xF-tQMYculbskFDWRoLnSZ_oD0i4ZV1i_iI0An1VQVxFIQJKuwvluhSvz3hcfeRm7G9Fnb_w3DCXpnF9d9BVWa4Uo36Osm3QzZ02ILIwGinoZoZZ7_DguD_T6FL-hbKLjzdvU7p9tidd53Vy6uNjN7aP4TOGIBqrPBphSdvOWehj8GFMMvLSRow0mV2HZuDwq2S2Mv5FrOGdEfSTaYWedKqqMA-DyR574wAg_EJw6JaOkpb07LmNjQ25ssJgXj7INj6KFWrXVxiVURQjN4HZgZ0qzDfvWdNMWWg_pO1Oz70JHtC-RCqoAaEV_IVr_AP3gsdm0x2L5bNlB1TDqy_RgpAyLCNJ7jJOWuIhP3spV3ppi2kj7AJ73BW6M7KMS9i-cNtncOMN-lvG7e9r0tBKrkhop7DPhQAAEGSxFGdzDQLya7SOXMG3YCAT6nBEfAexsYj-lFFLd7Byo3bBIDCLay2bm26tJoFQaLmGjreDrThRu3BKjlrnAkL2sCcM//113417/151712/https://www.nikkei.com/promotion/campaign/line_friend/?n_cid=DSPRM1DP01_2022lineb

江沢民は習近平の最大の恩人

江沢民は習近平の最大の恩人
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221209-00327535

『江沢民元国家主席の追悼大会は、かつてない壮大な規模で行われた。習近平が2012年に総書記に、翌年国家主席になれたのは江沢民のお陰だが、それにしても弔辞での江沢民への礼賛の仕方が尋常ではない。なぜか?

◆習近平の江沢民への弔辞における礼賛が尋常ではない

 11月30日、江沢民元国家主席(96歳)の訃報が伝えられると、半旗が掲げられ、中国のネットは一斉にモノクロになった。追悼大会は12月6日午前10時に人民大会堂で行われ、習近平国家主席が弔辞を読み上げたが、追悼大会に合わせ中国全土のありとあらゆる地点で全国民に3分間の黙祷を指示し、その間、車も船も警笛を鳴らし、中国全土にサイレンが鳴り響いた。6日、すべてのテレビ・ラジオの娯楽番組だけでなく、スマホでのゲームまでも中止された。大会には5000人が出席し、ラジオ・テレビやニュースサイトで中継された。

 午前10時から始まった習近平の江沢民への弔辞は、50分を超えたのだが、江沢民に対する礼賛の仕方が尋常ではない。

 「江沢民同志は全党・全軍・全国各民族が認める崇高なる威信を持った卓越した指導者で、偉大なるマルクス主義者、偉大なる無産階級革命家、政治家、軍事家、外交家、長い間の試練に耐えてきた共産主義戦士であり・・・」から始まり、「えっ?」と驚くような賛辞が、哀悼に満ち満ちた荘厳な雰囲気の中で、50分間にわたり響き渡った。

 違うだろうと思った個所などをいくつか列挙すると、以下のようなものがある。

●習近平:江沢民は青少年のころから革命に身を投じてきた。

 いやいや、そんなことはない。日本が敗戦するまで、江沢民の父親は「大日本帝国」の傀儡政権・汪兆銘政府の官吏だったため、江沢民は日本軍が管轄する南京中央大学に学んでおり、ダンスやピアノなどに明け暮れていた。日本語も少し話せる。酒が入ると「月がぁ出た出たぁ―、月がぁ出たぁ―」と歌い始めたことで有名だ。

●習近平:江沢民は1946年4月に中国共産党に入党した。

 そう、その通り。日本軍が敗戦したのは1945年8月15日。その翌年になって、ようやく、「これではヤバイ」ということから中国共産党に入党し、大富豪の長男であったにもかかわらず、父の弟の極貧の革命分子が死亡しているのを口実に、その家の養子になるという設定で、「革命分子の子供」という演出をしてきたのである。このようなことは誰でもが知っている事実だ。そうでなかったら、日本敗戦後に初めて共産党に入党したことの整合性がない。

●習近平:江沢民は反腐敗運動と闘った偉大なる指導者。

 これ以上に嘘八百な賛辞はない。中国共産党の腐敗が底なしの極限にまで達したからこそ、習近平は反腐敗運動に着手したはずだ。腐敗の巨大なネットワークを創り出したのは江沢民ではないか。胡錦涛元国家主席がどんなに反腐敗を叫ぼうと、それが実現できないように、江沢民は胡錦涛政権の政治局常務委員に刺客を送って阻止した。刺客の人数分だけ常務委員が2人多くなって9人になったので、筆者は「チャイナ・ナイン」と名付けた。そこまでしてでも腐敗を深めたために、胡錦涛は習近平政権に反腐敗運動を託したのではなかったのか。だからこそ、習近平は政権発足と同時に反腐敗運動を大々的にやらざるを得ないところに追い込まれたではないか。

 だというのに、「江沢民同志は反腐敗運動と闘った偉大なる指導者」と言ったのを聞いた時には、ああ、これはもう、何を聞いても「虚言」であり、中国共産党独特の「事実の歪曲による党の礼賛」でしかないので、ほどほどに聞こうと思った。

 と同時に、故人に対して批判を書くのも好ましくないので、江沢民逝去に関しては、しばらく書くのを控えていたという事情もある。

◆習近平を出世させたのは江沢民

 拙著『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』第一章の新チャイナ・セブン「男たちの履歴書」で書いたように、習近平が現在の「習近平」になり得たのは、ひとえに江沢民のお陰である。

 胡錦涛政権中(2003年~2013年)、何とか胡錦涛を打倒してやろうと策略を練っていた江沢民は、上海市の書記・陳良宇を使ってクーデターを起こす計画を実行しようとしていた。2007年10月の第17回党大会までに胡錦涛政権を転覆させることを試みていたのである。 

 ところが全国に張り巡らせているスパイ網が、クーデターを事前にキャッチし、2006年9月、胡錦涛は陳良宇を大規模汚職事件で逮捕したのだ。胡錦涛最大の手柄はこの逮捕劇だったと位置付けていい。

 手駒を失い途方に暮れていた江沢民に「習近平はいかがですか?」とささやいたのは、江沢民の大番頭・曽慶紅だ。曽慶紅は、1979年に習近平が当時の副総理および中央軍事委員会常務委員の耿?(こうひょう)の秘書を国務院弁公庁および中央軍事委員会弁公庁で務めていたときに、習近平と親しくなった。習近平は曽慶紅のことを「慶紅兄さん」と呼んで慕っていた。

 その曽慶紅は、このたびの第20回党大会ではひな壇で元気な姿を見せていた。習近平をこの世界に送り出してあげたのは「この俺だ!」と言わんばかりの、微動だにせぬ自信をのぞかせていた(『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』のp.51に写真掲載)。

 そこで習近平は江沢民に呼ばれて上海へ行き陳良宇に代わって2007年3月に上海市書記に就任するのである。こうして2007年10月の第17回党大会閉幕後の一中全会で、習近平は一気にチャイナ・ナインへと躍り出る。

 このとき胡錦涛は李克強を推薦し、江沢民は習近平を推薦していたのだが、チャイナ・ナインの中に送り込んだ江沢民の刺客の方が多かったので、「習近平が党内序列6位で、李克強は党内序列7位」となり、この「1位の差」がその後の中国の運命を決定づけた。

 2008年3月の全人代で、「習近平は国家副主席、李克強は国務院副総理」となり、2012年第18回党大会では習近平が中共中央総書記に、翌年3月の全人代で国家主席に就任することが決まる布石を打った瞬間でもあった。

 2007年の第17回党大会一中全会における党内序列の「6位と7位」という「1」ランクの違いがなかったら、こんにちの「習近平」はいない。

 それくらい、江沢民は習近平にとっては大恩人なのである。

 その江沢民と習近平が権力闘争で憎み合っていたというような分析がいかに間違っているかが、このことからもお分かりいただけるだろう。

 習近平が反腐敗運動を徹底したのは、主として軍部に巣くっている腐敗の巣窟を撤去して中国軍のハイテク化と強化を狙うためで、事実2015年の軍事大改革以来、中国軍は突然強大化し、今では日本だけでなくアメリカにも脅威を与える存在になっているではないか。権力闘争をしているのなら、ハイテク国家戦略「中国製造2025」も断行されることはなかっただろう。

 それを見誤るから、日本は中国に追い抜かれていくのである。

◆習近平はなぜ、江沢民が中央委員会委員を辞退したことを礼賛したのか?

 習近平は弔辞の中で、江沢民が第16回党大会(2002年)の準備作業段階で、(中共)中央委員会委員を辞任すると表明したことを大きく扱い、礼賛した。

 日本の一部の中国研究者は、「自分が三期目まで続投して辞任しなかったのに、なぜ江沢民が自ら辞任したことを礼賛したのか、不思議でならない」という趣旨のことを書いているが、読みが浅い。

 習近平が礼賛したのは江沢民が政権を去るに当たって「中央委員会委員」を辞任したことを指しているのだ。

 つまり、第20回党大会に焼き直せば、李克強が「中央委員会委員」に残らなかったのが如何に正当であるかを言いたいのである。

 中央委員会というのは比較的年齢層の若い者が次の段階である「政治局委員」や「政治局常務委員」を目指して頑張る組織なので、そこに李克強が戻るのはあり得ないことだと言いたいわけである。

 その証拠に、習近平は「江沢民が中央委員会委員を辞退した」と言った後に、「新老の交替を促すのに利した」と付け加えている。

 事実、第20回党大会において、これまでの習近平政権のチャイナ・セブンの中で中央委員に残らなかった人には栗戦書や韓正など、非共青団系列もいて、政治局委員となると、第20回党大会で中央委員にならなかった人物は大勢おり、共青団系列でない名前を何人か挙げれば「劉鶴、許其亮、孫春蘭、楊潔?、陳全国、郭声?……」などがいる。

 習近平が言いたいのは、海外メディアからの「共青団のみを排除した」という批判に対する回答であった。

◆習近平はなぜ弔辞で天安門事件に触れたのか?

 習近平はこのたびの弔辞で、敢えて天安門事件に触れている。

 もちろん事件の名称に関しては言わず、中国政府側で定着している呼称である「風波」という表現しか使ってないが、50分間の弔辞の間に、2回も言及している。1回目と2回目の発言内容を以下に略記する。

 1回目:1989年の春から夏にかけてわが国は深刻な政治的「風波」が発生したが、江沢民同志は社会主義国家権力を擁護し、明確な立場で混乱に反対するという党中央の正しい決定を断固として支持し、実行し、人民の根本的利益を守り、上海の安定を維持した。

 2回目:20世紀80年代後半から90年代初頭にかけて、深刻な政治的「風波」が国際(社会)と国内で発生し、世界の社会主義は深刻な紆余曲折を経験した。一部の西側諸国は、いわゆる「制裁」を中国に課したが、私の国の社会主義事業の発展は、前例のない困難とプレッシャーに直面した。党と国家の未来と運命を決定するこの重要な歴史的節目に、江沢民同志は党の中央指導集団を率いて、全党、全軍、全国各民族の人民と密接に寄り添い、如何なる揺るぎもなく、経済建設を(中略)堅固に守った。

 この「風波」に関して発したシグナルは読み解きやすい。

 これは、11月下旬に起きたゼロコロナに対する「白紙運動」と通称される抗議活動に対する牽制(けんせい)で、「断固鎮圧する」という意思表示と、中国は経済建設を重んじていくのだというシグナルである。

 「国内外」と言わずに「国際と国内」という中国語を用いたのも、「敵対勢力が操作している」ことを示唆している。

 西側諸国が行った「制裁」にめげず「経済建設」を守れたのは、日本が制裁を解除したからだ。それを思うと、何とも苦々しい気持ちになる。

◆死してなお、江沢民は習近平の「大恩人」!

 「白紙運動」が台湾の民進党が敗北した11月26日から起こり、それを抑えるかのように30日に江沢民が逝去した。

 中華人民共和国建国以来の弔意表明の規模の大きさは、江沢民が死してなお、習近平を救ったことを表している。習近平の弔辞演説は、「荘厳」と言っていいほどの「悲痛さ」と「誠意」を湛(たた)えており、習近平は二度にわたって江沢民に救われたことを感謝しているにちがいない。

 ここまで荘厳に執り行えば、人民は誰一人、「江沢民の死をきっかけに全国的な抗議運動を展開する」という方向には動けない。それを計算し尽くしての「荘厳」さではあっただろうが、その計算を差し引いてもなお、習近平の三期目は、ほぼ運命的であったのかとさえ勘違いしてしまうほどの出来事であった。

記事に関する報告

遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』(2022年12月中旬発売。PHP新書)、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』

ウクライナの今後の戦局と戦況

ウクライナの今後の戦局と戦況
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5394263.html

『ウクライナの攻撃がロシア本土の基地に及び、それをウクライナが認めた今、プーチンロシアが報復に出ているが、戦術核の使用という荒業に出るのではという記事が多い。
FireShot Webpage Screenshot #2383 – ‘UKRAINE_ Situation

しかし、すでにプーチン氏は、ロシアが先に核を使う事は無いと言い、米シンクタンク、戦争研究所(ISW:Institute for the Study of War)は2022年9月30日、それを裏付ける様な、ロシアによるウクライナ東南部4州併合後の核兵器使用の脅威に関する特別報告を発表している。

それによれば、ロシアが仮に核攻撃に踏み切っても全土の占領はできず、ウクライナ軍の反撃を抑止するためには複数の戦術核を使用する必要があると指摘。欧米からの報復リスクも高まるため「大きな賭け」になるとし、仮にロシアが主要都市や基幹インフラを核攻撃しても、ウクライナが降伏する可能性は低いとの見方を示した。

また、核攻撃に踏み切れば、欧米は通常兵器でロシアの拠点を攻撃する可能性が高く、士気が低いロシア軍部隊では対応できないと指摘した。参照記事 参照図

、、、、この分析はロシアも各国首脳陣も目を通しているはずで、これに沿って、米国及び各国は通常兵器以上の支援は控える一方、周辺国の軍備増強をし、米国はミサイルも防衛に絞り、ロシア本土へ届く長距離弾道ミサイルは支給しない方針だ。

ロシアも、前大戦後、初の核兵器使用国になる究極の選択は行わないだろうと言われている。

プーチン氏の最近の動きから、調停の仲介を模索しているように見えるが、そのタイミングをすでに逸しており、今ではウクライナが徹底抗戦を言っても、面と向かって誰も非難しない状況になっている。

ロシアはすでに、自ら仕掛けた戦争で軟着陸はできず、戦後賠償を含む、大きな譲歩をするしかないように見える。戦争研究所は12月4日、ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍が、冬の間も反攻を緩めず、奪還作戦を継続する可能性が高いと分析した。

参照記事
FireShot Webpage Screenshot #2386 – ‘Ukraine InteracFireShot Webpage Screenshot #2384 – ‘Russian Observat12月9日投稿の映像:ウクライナの第 1 特殊目的旅団が公開したビデオは、ロシアとウクライナの国境にある Tishanka(露:Тишанка)-Budarky間の 交差点近くのロシア側監視所の(無人機攻撃による?)破壊を捉えている。 過去ブログ:2022年12月プーチンに同盟国からも異論噴出と緊張高まるウクライナ周辺 最近の東部ドネツク州でのウクライナ軍の精密砲撃の映像 』

Boyko Nikolov 記者による2022-12-9記事「Japan begins production of Patria AMVXP 8×8, replacing Type-96」

Boyko Nikolov 記者による2022-12-9記事「Japan begins production of Patria AMVXP 8×8, replacing Type-96」
https://st2019.site/?p=20691

『Boyko Nikolov 記者による2022-12-9記事「Japan begins production of Patria AMVXP 8×8, replacing Type-96」。

 小松のAFV事業撤退により、「96式装輪装甲車」の後継8×8IFVは、フィンランドのパトリアAMVXPに決まった。これはパトリア社が公式発表した。

 パトリアAMVは2004からフィンランド軍が使っている。フィン軍によってアフガニスタンに持ち込まれていた他、サウジ軍が買ったものが対イエメン作戦でも使われている。すなわちコンバットプルーフが完全に済んでいる。折紙付きだから安心できる。

 陸自はパトリアに次のような注文をしたという。105mm砲や120ミリ重迫を搭載しようと思えばできること。また、パワートレインは日本で勝手に選択するから。

 基本、AMVには、3種類のディーゼルエンジンが用意されている。「DI 12 スカニア」か「DC 12 スカニア」か「DC 13 スカニア」。弱いやつは480馬力。強いやつは600馬力だ。

 AMVXPは路上では時速100km出せる。10km/時で浮航もできる。満タン燃料にて600kmから1000km走れる。

 完成品輸入ではなく、ライセンス生産になるようだ。

 ※バルセロナにあるニッサンの巨大工場で、8×8IFVの「ドラゴン」を生産してスペイン軍が調達するという報道が2021-12にあったのだが、続報は聞かぬ。』

ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役を準備する

ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役を準備する | ロシア海軍情報供給部
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-7711.html

『 2022/12/10 09:24.29 カテゴリ:プロジェクト941重戦略原子力水中巡洋艦(タイフーン級)

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『タス通信』より
2022年12月10日7時39分配信
【戦略原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」はロシア海軍からの退役を準備している】
モスクワ、12月10日/タス通信

重戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」はロシア連邦海軍からの退役が予定されており、現在は技術保守要員が潜水艦へ留まっている。
『タス通信』は『全ロシア海軍支援運動』のトップ、ウラジーミル・マリツェフより伝えられた。

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「ドミトリー・ドンスコイをロシア海軍の戦闘編制から除外する指示が出されました。
主な乗組員は潜水艦を去り、技術保守要員が形成されました」
彼は話し、海軍旗は未だ艦に残されている事を明らかにした。

以前にマリツェフは、「ドミトリー・ドンスコイ」は少なくとも2022年12月1日まで、即ち「軍」年度の終わりまで戦闘演習任務を果たすと『タス通信』へ伝えた。
彼によると、艦の今後の運命に関する決定は2022年末に下されるだろう。
選択肢の1つによると、12月1日以降は技術保守要員が艦に留まる。

9月に『タス通信』は「ドミトリー・ドンスコイ」がプロジェクト885M(「ヤーセン-M」)多目的原子力潜水艦「クラスノヤルスク」とプロジェクト955A(「ボレイ-A」)戦略用途原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の試験の支援任務を成功裏に果たしていると報じた。
これにより、潜水艦はこの時点では完全な技術的準備態勢に在ったと言える。

[潜水艦について]

原子力艦「ドミトリー・ドンスコイ」(コード名「アクラ」)は1980年9月29日に進水し、1981年12月29日に海軍へ加入した。

当初、巡洋艦の主要兵装は大陸間弾道ミサイル複合体D-19だった。

2002年に巡洋艦はプロジェクト941UMの下での近代化が行なわれ、その後、ミサイル複合体「ブラヴァー」の試験に関わった。

2017年夏、巡洋艦はバルト海への艦隊間移動を行ない、主要海軍パレードへ参加した。
合計6隻のプロジェクト941が海軍の為にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)で建造された。

全ての艦は、北方艦隊でザーパドナヤ・リツァ(ニェールピチャ湾)に駐留していた。

現在までに、この内の3隻はアメリカ合衆国の資金で解体された。

2隻~「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」は海軍から除籍され、処分を待っている。

一時期「ドミトリー・ドンスコイ」は世界最大の寸法(全長172メートル、幅23メートル)の水中原子力艦であった。

現在、それは特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」と見られている。
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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦(タイフーン級)は、1981年~1989年に6隻が就役しましたが、現役に留まっているのは1隻のみであり、既に3隻が解体されています。

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プロジェクト941巡洋原子力潜水艦の1番艦TK-208は、セヴェロドヴィンスクのセヴマシュ造船所で1976年6月30日に起工されました。
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1980年9月27日に進水し、1981年6月から8月まで工場航行試験を行ない、1981年11月から12月末まで国家試験を行ないました。
1981年12月27日には、初めて弾道ミサイルR-39の発射に成功しました。

1977年7月25日付でプロジェクト941は「重戦略用途ロケット水中巡洋艦」に類別変更されました。

1981年12月29日に受領証書へ署名されてソ連海軍へ納入されましたが、翌1982年10月までは弾道ミサイルR-39(SS-N-20)の発射試験に従事し、総計で18回の発射に成功しました。
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R-39の戦力化の目途が立った事を受け、1982年12月14日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソ連海軍へ就役し、北方艦隊の第18潜水艦師団へ編入されました。
同年12月21日に母港となるザーパドナヤ・リツァのニェールピチャ基地へ到着しました。
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その後は戦闘勤務(戦略核パトロール任務)や弾道ミサイルR-39の発射試験に従事しました。

1988年9月20日にセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』へ到着し、新型弾道ミサイル「バルク」を搭載するプロジェクト941U改装が行なわれる事になり、翌1989年1月20日には予備役に編入されました。

しかし、1991年12月のソ連邦解体により資金供給は止まり、TK-208の工事はストップしました。

1992年6月3日付で「重戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。

その後、弾道ミサイル「バルク」の開発は中止され、新たにモスクワ熱技術研究所が開発する「ブラヴァー」を搭載する事になった為、今度はプロジェクト941UM改装を受ける事になりました。

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2000年10月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。

2002年6月26日に再進水し、6月30日から係留試験を開始し、翌2003年に洋上試験を行ないました。
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洋上試験は2004年12月初頭に完了し、ロシア海軍へ再就役しました。
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2005年から2010年まで潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験に従事しました。
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2010年10月29日の発射試験を最後に「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]

その後は洋上試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
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2013年には新造原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」と「セヴェロドヴィンスク」の洋上試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2014年にも、新造原子力潜水艦の洋上試験の支援任務の為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]

2015年6月26日から7月16日まで白海へ出航しました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]

2015年9月3日から10日まで、再び白海へ出航しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た]
[ロシア海軍の重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

その後、暫く動向が報じられなかった「ドミトリー・ドンスコイ」ですが、2017年5月27日にセヴェロモルスクへ到着しました。
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[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動した]

2017年7月中旬、「ドミトリー・ドンスコイ」は、クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはバルト海へ向かった]

「ドミトリー・ドンスコイ」と「ピョートル・ヴェリキー」は、2017年7月25日にクロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットへ到着する]

2017年7月30日の『ロシア海軍の日』、サンクトペテルブルクとクロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
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[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の他に、潜水艦「ウラジカフカス」もクロンシュタットの観艦式へ参加しました。

「ドミトリー・ドンスコイ」と「ピョートル・ヴェリキー」は、主要海軍パレード終了後の翌7月31日にクロンシュタットを出航しました。

[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットを去った]

北方艦隊艦船部隊は、8月7日までに北海へ入りました。

[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船は北海へ入った]

その後、北方艦隊艦船部隊はバレンツ海で演習を行なった後、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

「ドミトリー・ドンスコイ」は、暫くの間セヴェロモルスクに留まっていましたが、9月初頭に出航し、9月4日に母港セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ帰港しました。
[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

2017年9月には北方艦隊の演習へ参加しました。
[タイフーン級戦略原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2017年12月15日には就役35周年記念式典が開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表

2017年12月15日10時4分配信
【世界最大の潜水艦は35周年を迎えた】

2018年~2019年にはオーバーホールを行ない(2018年初頭から6月までロスリャコヴォの大型浮きドックPD-50へ入渠)、2019年6月20日から白海で航行試験を行ない、深度200メートルまで潜航しました。
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セヴェロドヴィンスクへ帰投する「ドミトリー・ドンスコイ」(2019年7月23日)
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2021年6月20日、白海でセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)に駐留する小型対潜艦の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で対潜戦闘訓練へ参加した]

7月15日にも白海海軍基地の小型対潜艦2隻の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で小型対潜艦の訓練の敵役を務めた]

2021年8月23日に起工されたプロジェクト955A(ボレイ-A)戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の内の1隻は、「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

これに伴い、今の「ドミトリー・ドンスコイ」は、「名無し」のTK-208として現役に留まる事になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は2020年代半ばまで現役に留まる]

(2022年7月下旬に一部メディアで同艦が退役すると報じられたが、8月中旬にロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ提督が否定した)

TK-208は2022年6月末~7月初頭頃に出航し、約1ヶ月間の海上行動を終えて7月26日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ帰投しました。
TK-208は、新造潜水艦2隻~「クラスノヤルスク」と「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の白海での洋上試験の支援任務に就いていたようです。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は約1ヶ月間の洋上行動を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

8月1日、TK-208は白海海軍基地から出航しました。
目的は「戦闘演習任務」としか言われていませんが、おそらくは新造原子力潜水艦の洋上試験の支援でしょう。

[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海へ出航した]

9月中旬も「クラスノヤルスク」と「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」はバレンツ海で洋上試験を続けており、TK-208はアメリカの原子力潜水艦がこの2隻に近付かないように監視していたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はバレンツ海で新造原子力潜水艦クラスノヤルスクとゲネラリーシムス・スヴォーロフの洋上試験の支援任務に就いている]

ロシア連邦軍の新年度は12月1日から始まりますが、その2022年12月上旬、『全ロシア海軍支援運動』会長ウラジーミル・マリツェフ氏は、TK-208は乗組員を削減し、退役を準備していると述べました。

ただ、技術保守要員だけは残すとの事ですから、完全に除籍するわけでは無いようです。
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エジプトと韓国がT-50/FA-50の現地製造で合意、アラブ工業化機構が協定に署名(2022.12.2)

エジプトと韓国がT-50/FA-50の現地製造で合意、アラブ工業化機構が協定に署名(2022.12.2)
https://grandfleet.info/middle-east-afria-related/egypt-and-south-korea-agree-on-local-production-of-t-50fa-50/

『 エジプト空軍が導入を進めていた高等練習機/軽攻撃機を巡り韓国とインドが争っていたが、アラブ工業化機構は韓国航空宇宙産業とT-50/FA-50の現地製造で合意して協定に署名したと発表した。

参考:?????? ??????? ?????? ??????? ???????(※ アラビア文字、変換できないもよう)

まだ合意内容が不明なのでよくわからないがインドのLCA-LIFTが敗れたことだけは確実だ
エジプト空軍が導入を進めていた高等練習機/軽攻撃機の導入は詳細(情報源によって内容に差がある)がよく分かっておらず、韓国(T-50/FA-50)とインド(テジャスMK.1ベースのLCA-LIFTやテジャスMK.1A)が争っているということだけは把握していたが、アラブ工業化機構(AOI)は韓国航空宇宙産業(KAI)とT-50/FA-50の現地製造で合意して協定に署名したと発表した。

出典:?????? ??????? ?????? ??????? ???????(※ アラビア文字、変換できないもよう)

この合意はエジプト空軍の需要だけでなくはAOIで生産されたT-50/FA-50をアラブ諸国に輸出することも視野に入っており、エジプトが現地製造するK9のエジプト陸軍仕様K9A1EGYと同じものだと思われる。

エジプトが韓国が締結した16.5億ドルの契約にはK9のエジプト陸軍仕様K9A1EGY、弾薬補給車輌K10、エジプト陸軍の要望で開発されるK10ベースの射撃統制車輌K11の現地製造が含まれ、モルシー軍需生産相は「エジプトが製造するK9は自国軍のニーズを満たすだけでなく中東・アフリカ諸国へ輸出を望んでおり、世界で最も新しい自走砲システムを入手したいと考える中東諸国やアフリカ諸国と既に2ヶ国間交渉を始めている」と言及していた。

出典:Photo by ROKAF/ CC BY 2.0 FA-50

つまり韓国はT-50/FA-50の現地生産に協力することで中東地域に同機の製造・保守拠点を確保、エジプトは中東諸国やアフリカ諸国への影響力を生かしてT-50/FA-50の売り込みを担当するという意味だだろう。

高等練習機/軽攻撃機に対するエジプト空軍の需要は100機前後になるという事前情報があるものの、まだ合意内容が不明(飽くまで導入の枠組についての合意で本契約ではない)なので断定できないが、インドのLCA-LIFTやテジャスMK.1Aが敗れたことだけは確実だ。

関連記事:K9を製造するエジプト、中東・アフリカ諸国への輸出交渉を開始
関連記事:インド、エジプトに国産戦闘機「テジャスMK.1A」の現地生産を提案か
関連記事:インドの国産練習機LCA-LIFT、豪空軍のHawk127後継機争いに敗れる

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※アイキャッチ画像の出典:????????(※ アラビア文字、変換できないもよう)

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投稿者: 航空万能論GF管理人 中東アフリカ関連 コメント: 26  』

パトリア(会社)

パトリア(会社)
https://en.wikipedia.org/wiki/Patria_(company)

『(※ 翻訳は、Google翻訳)

祖国 (※ patriaとは、ラテン語で「国(くに)」という意味らしい)(会社)
論文 話
Missing in 日本語

自動翻訳
助ける

Patria Plc (フィンランド語: Patria Oyj、スウェーデン語: Patria Abp ) は、フィンランドの防衛、セキュリティ、航空ライフサイクル サポート サービスのプロバイダーです。パトリアは、フィンランド政府が 50.1%、ノルウェーの防衛グループKongsberg Defense & Aerospace ASが 49.9% を所有しています。

パトリアグループ
パトリア wordmark.svg
タイプ
公開 有限会社
業界
防衛、セキュリティ、および航空技術
前任者
Valmet、Lapua、Vihtavuori、Oy Sisu Ab、Vammaskoski工場
設立
1921年; 101年前
本部
ヘルシンキ
, フィンランド
サービスエリア
世界的に
重要人物
パヌ・ルティラ(会長)
エサ・ラウタリンコ(CEO兼社長)
収益
増加 5 億 4,770 万ユーロ(2021 年)
当期純利益
増加6,120万ユーロ(2021年)
オーナー
フィンランド政府(50.1%)
Kongsberg Defence & Aerospace AS (49.9%)
就業者数
3,097?(2021)
Webサイト
http://www.patriagroup.com
コンテンツ

パトリアは2021年に創立100周年を迎えました。記念のテーマは「確かな未来への礎」でした。歴史は、安全な未来、成長、協力、成功のための強力な基盤を提供します。[1]

Patria は 2022 年の初めに、2025 年末までの野心的な成長を目指す新しい成長戦略を開始しました。また、成長戦略をサポートする新しいオペレーティング モデルも準備され、2022 年初めに使用されました。パトリア全体は、すべての人事グループと会社の間の良好な協力の下で行われました。[2]

2021 年のフィンランドの将来の F-35 戦闘機に関する決定は、パトリアにとって重要な機会であり、同社はフィンランド国防総省と HX プログラムをサポートする準備に積極的に関与してきました。主な任務は、供給の国家安全保障、設備の維持、および産業協力の要件を満たすことでした。戦闘機の調達決定により、パトリアは世界の F-35 サプライ チェーンにアクセスできるようになります。[3]

2021 年、フィンランドとラトビアは、共同 6×6 装甲車両システムの生産段階の管理についてパトリアとフレーム契約を結びました。さらに、ラトビアとパトリアは、共同開発プログラムで開発された 200 台を超える 6×6 装甲兵員輸送車の納入契約を締結しました。これには、サポートおよびトレーニング システムも含まれます。納車は 2021 年から 2029 年の間に行われる予定です。フィンランドとパトリアは、フィンランドの将来の連続納車に関する同意書にも署名しました。[4]

欧州防衛産業開発プログラム (EDIDP) の一環として、パトリアは、2021 年に将来の装甲プラットフォームを開発し、既存の地上戦闘能力をアップグレードする防衛産業コンソーシアムを率いるために選ばれました。コンソーシアムは、さまざまな EU 諸国の 19 の主要な防衛企業で構成されています。[5]
歴史

パトリアの歴史は、1921 年にスオメンリンナにフィンランド空軍航空機工場が設立されたことに始まります。事業は、ドイツのハンザ・ブランデンブルク航空機の認可を受けた製造から始まり、1922 年から 1926 年までの総生産量は 120 機に達しました。Patria の 100 周年記念号は、会社の歴史を説明しています。[6]

2016 年 3 月、ノルウェーの防衛グループKongsberg Defense & Aerospace AS がPatria の 49.9% の株式を購入する条件に合意したことが発表されました。Kongsberg の最高経営責任者である Walter Qvam は、ノルウェーの弾薬メーカーNammoにおける Patria の 50% の所有権を含む、この取引から得られる新たな利点を活用したいと考えていると述べました。[7]この取引により、パトリアに総額 2 億 8,350 万ユーロの価値がもたらされました。[8]

2001 年、パトリアはNHIndustries NH90ヘリコプターの後部胴体、後部ランプ、スポンソン、引き戸などのいくつかの要素を製造する契約を結びました。同社はまた、ヘリコプターとそのエンジンの両方の最終組み立てを行う覚書に署名しました。[9] 2008 年 3 月、フィンランドの NH90 の納入が開始されました。[10]納入は最初の 2004 年の日付から遅れていたため、さらなる遅延を最小限に抑えるために、ヘリコプターは最初に初期運用構成 (IOC-) および準運用構成 (IOC+) で納入され、後にパトリアによって最終運用構成に変更されました。構成 (FOC)。[11] [12]2011 年 9 月、フィンランド国防軍とパトリアは、NH90 艦隊全体の搭乗員に弾道保護を提供する契約に署名しました。[13] 2015 年 6 月 18 日、最終的なフィンランド NH90 の納入が行われました。[14]

Patria は数多くの航空機メーカーの部品を製造してきました。世界最大の旅客機であるエアバス A380の部品を製造しているほか、エアバス A320 ファミリーとエンブラエル ERJ-145の長期的なサプライヤーでもあります。[15] [16] [17]パトリアはまた、欧州宇宙機関が率いる複数のプログラムのコンポーネントも作成した。[18] [19] 2004 年後半、同社はエアバスのA350 XWBとA400M アトラス、およびボーイングの787に関する作業を精査していた。[15]

Patria は、さまざまな航空機のサポートおよび保守、修理、運用(MRO) サービスも提供しています。2009 年には、フィンランド空軍の 49 BAE Systems Hawk 51/51As をCMC Electronicsの Cockpit 4000 アビオニクス スイートで近代化する契約を獲得しました。[20]か月後、パトリアは 18 機のフィンランド ホーク 66 のアビオニクスをアップグレードする 2 番目の契約を獲得しました。[21]さらに、 2011 年のポーランド空軍への入札を含め、外国の事業者にホークスの供給とサポートを申し出ました。[22] 2014 年 3 月、同社はスイスの航空宇宙会社RUAGと提携しました。世界中のマクドネル ダグラス F/A-18 ホーネットオペレーターに MRO サービスを提供します。[23] 』

ほくそ笑む中国、競合が脱落していくアルゼンチン空軍の次期戦闘機導入(2022.09.23)

ほくそ笑む中国、競合が脱落していくアルゼンチン空軍の次期戦闘機導入(2022.09.23)https://grandfleet.info/north-america-related/china-gloating-argentine-air-force-introduces-next-generation-fighter-as-competitors-drop-out/

『アルゼンチンが進めている次期戦闘機の導入候補にはJF-17、F-16、MiG-35、テジャスMK.1Aが挙げられ、空軍はF-16導入を希望しているものの諸事情でJF-17導入が最も有力視されており、中国は米国の裏庭に足場を確保する可能性が高い。

参考:Argentina eyes $664 million for fighter jets

競合が次々脱落していくためJF-17をねじ込むためのディスカウントすら不要なのかもしれない

アルゼンチン政府は下院議会の質問に答える形で「空軍保有の空中給油機と互換性があり、AESAレーダー、戦術データリンク、電子戦装置を搭載する多用途戦闘機の調達に約6億8,400万ドルを費やす予定だ」と明かし、検討中の候補には中国のJF-17、米国のF-16、ロシアのMiG-35、インドのテジャスMK.1Aが含まれているらしい。

出典:РСК ≪МиГ≫ MiG-35

米国のディフェンスメディアはアルゼンチン軍関係者の発言を引用して「政治的にも物理的にもロシアのMiG-35を選択する可能性は非常に低く、英国が拒否権をもつ部品や技術が使用されているテジャスMK.1Aも同様だ」と報じており、テジャスMK.1Aは費用対効果に優れているものの搭載レーダーの一部に英国の技術が使用され、空中給油装置や射出座席も英国製で、これを非英国製に変更することは可能だが「高くつく」と指摘している。

アルゼンチン空軍はF-16を好んでいるものの米国政府はイスラエル製兵器の統合を拒絶しているため、アルゼンチン軍関係者は「これは英国のせいで米国政府は非常に限定された条件下でしかF-16の売却を許可しない。このような態度はJF-17調達に有利に働く=アルゼンチンの中国に接近を加速させるという意味」と述べており、英国がアルゼンチンに対する禁輸措置を守れば守るほど中国は米国の裏庭=南米に足場を確保できるという意味だ。

出典:Aldo Bidini/GFDL 1.2

因みにアルゼンチンにJF-17を売却して得られる目先の利益は中国の優先事項ではなく、長期的に引き出せる政治的(主要な武器供給国としての影響力)+経済的(石油やリチウムなどの天然資源に関する利権や農作物など)利益が目的だと目されていたが、競合が次々脱落していくためJF-17をねじ込むためのディスカウントすら不要なのかもしれない。

関連記事:アルゼンチンがJF-17調達を決断、中国は米国の裏庭に主要な武器供給国として足場を確保か

関連記事:アルゼンチン空軍の次期戦闘機は三つ巴、インドが英国製部品を排除したテジャスMK.1Aを提案

?※アイキャッチ画像の出典:Pakistan Air Force

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投稿者: 航空万能論GF管理人 北米/南米関連 コメント: 30  』

アルゼンチンの次期戦闘機調達が急展開、大統領が計画の中止・凍結を示唆

アルゼンチンの次期戦闘機調達が急展開、大統領が計画の中止・凍結を示唆
https://grandfleet.info/north-america-related/argentinas-next-generation-fighter-procurement-moves-rapidly-president-suggests-canceling-or-freezing-the-plan/

『アルゼンチンのフェルナンデス大統領は「空軍の戦闘機を調達に資金を投資する余裕はない」と発言したため、JF-17、F-16、テジャスMK.1Aなどが争っている次期戦闘機調達計画が「中止もしくは凍結されるのではないか」と報じられている。

参考:Argentina urges EU to renegotiate South American trade pact
参考:Alberto Fernandez descarta la compra de aviones militares para las Fuerzas Armadas Argentinas

政府が大統領の発言を修正しないと本当に次期戦闘機の導入がポシャるかもしれない

アルゼンチンが進めている次期戦闘機の導入候補にはJF-17、F-16、テジャスMK.1Aが挙げられ、空軍はF-16導入を希望しているものの諸事情でJF-17導入が最も有力視されており、中国は米国の裏庭に足場を確保する可能性が高いと見られていたが、フェルナンデス大統領はFinancial Times紙とのインタビューの中で「戦闘機の購入よりも重要な分野に資金を分配しなければならない」と述べた。

出典:Ministry of Defence / GODL-India テジャスMK.1

フェルナンデス大統領の発言は公式プレスでも繰り返し引用されているため「政府の優先すべき課題において安全保障の重要性が(相対的に)低下している」と受け止められており、南米のディフェンスメディアなどは「フェルナンデスが軍用機の調達を否定した(次期戦闘機の調達を中止もしくは凍結したという意味)。ブラジル、チリ、ペルー、コロンビアなどが軍備増強に取り組んでいることを考慮するとアルゼンチンの政治的指導者は安全保障に対する意思や理解が掛けている」と辛辣に批判している。

どちらにしても大統領の発言は空軍が進めている近代化計画に大きな疑問を投げかけているため、政府が大統領の発言を修正しないと本当に次期戦闘機の導入がポシャるかもしれない。

関連記事:ほくそ笑む中国、競合が脱落していくアルゼンチン空軍の次期戦闘機導入

?※アイキャッチ画像の出典:Public domain パキスタン空軍のJF-17
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投稿者: 航空万能論GF管理人 北米/南米関連 コメント: 19 』

国産か海外か?陸上自衛隊、次期装輪装甲車の座を巡って三つ巴の争い(2019.09.14)

国産か海外か?陸上自衛隊、次期装輪装甲車の座を巡って三つ巴の争い(2019.09.14)
https://grandfleet.info/japan-related/gsdf-three-way-battle-over-the-next-armored-car-seat/

『防衛省は9月10日、陸上自衛隊の96式装輪装甲車の後継車両(次期装輪装甲車)選定について、各企業から提案のあった3種類の試験用車種を選定したと発表した。

参考:次期装輪装甲車の試験用車種の選定について

次期装輪装甲車に海外勢の参加は予想されていた

防衛省傘下の防衛装備庁は、96式装輪装甲車の後継として輸送性や機動性を有し、防護力等の向上を図った装輪装甲車(改)の開発を小松製作所が行い、試作車を2017年1月10日に納入した。

しかし、試作車の防弾板等に不具合があるとして、開発期間の延長を発表したが、その後2018年6月、開発計画が白紙になったと発表し、その後7月に開発計画中止を正式に発表した。

出典:防衛装備庁 装輪装甲車(改)

開発中止の表向きな理由は、小松製作所が要求性能を満たせなかったためとされている。
防衛装備庁は2019年5月、96式装輪装甲車の後継車両(次期装輪装甲車)の試作車を提案可能な企業を探すための説明会を開催した。

2019年1月に後継車両に関する情報提供を呼びかけていた際、挙げた条件は以下の通りだ。

装輪装甲車に関する研究、開発、製造等の実績を有する企業
装輪装甲車の開発又は製造等に関する知識及び技術を有することを証明できる企業
日本国内において装輪装甲車の輸入・販売に関する権利を保有する企業又は権利を獲得できる企業

防衛装備庁が挙げた条件の中には、国内開発という制限がなく、これは事実上、後継車両の国内開発を断念、もしくは海外企業へ門戸を開いたという意味として受け取れ、2019年5月に開催された後継車両に関する説明会は、海外の装甲車開発企業向けの説明会だった可能性が高いと見られていた。

試験用車種に選ばれたのは日本提案と、海外提案が2案の3車種

今回、96式装輪装甲車の後継車両(次期装輪装甲車)に提案を行ったのは、日本の三菱重工業、フィンランドのパトリア、カナダのGDLSに加え、ドイツのARTEC GmbHの4社だ。

しかし、ARTEC GmbHが提案した装輪装甲車「ボクサー」は、他の3車種との比較の結果、試験用車種の選定から脱落してしまい、次期装輪装甲車の座を巡って争うのは、三菱重工業提案の「機動装甲車」、パトリア提案の「AMV」、GDLS提案の「LAV6.0」の3車種だけとなった。

三菱重工業提案の「機動装甲車」については正式な情報がまったくないが、恐らく三菱重工業が開発した16式機動戦闘車の技術を流用して自主的に開発を進めていたMAV(Mitsubishi Armored Vehicle)をベースにしたものを出してくる可能性が高い。

MAV自体は2014年、フランスで開催された展示会「ユーロサトリ」で発表されている。

出典: Ex13 / CC BY-SA 3.0 AMV

パトリア提案の「AMV」は、八輪式または六輪式の多目的装輪装甲車で、主な主要コンポーネントはモジュール設計を採用しているので、採用国の要求に応じて異なる砲塔、武器、センサー、通信システムを組み込むことができ、特に「AMV」は地雷攻撃に対する保護に優れており、最大でTNT火薬10kgの爆発に耐えることが可能と言われている。

AMVは、開発国であるフィンランド陸軍以外にも、ポーランドやスウェーデンなど8ヶ国の陸軍が採用し、計1,900輛以上を受注実績を誇る装輪装甲車だ。

出典: New Zealand Defence Force / CC BY 2.0 ニュージーランド陸軍のLAV III

GDLS提案の「LAV6.0」は、F-16開発で有名な、米国のジェネラル・ダイナミクスの子会社「ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(General Dynamics Land Systems)Canada」が開発した装輪装甲車「LAV/ピラーニャ III」の近代改修型と同じでもので、カナダ陸軍以外にも、ニュージランドやサウジアラビア、コロンビアなどが採用しているが、何と言っても米陸軍が同車を4,000輛近く採用しているため、特に有名な装輪装甲車だ。

補足:ピラーニャを元々開発したのはスイスのモワク社で、同社をジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズが傘下に収めため、現在はカナダ製/LAVとなっている。

日本に提案された「LAV6.0」は、ベースとなった「LAV/ピラーニャ III」の近代改修型なので、地雷や即席爆発装置(IED)に対する保護力が強化され、射撃管制や火力、センサーシステムもアップグレードが行われているため、重量25トンと「LAV/ピラーニャ III」よりも8トン近く重くなってしまい、350馬力のエンジン出力を450馬力へと強化してある。
選ばれるのは国産か?それとも「実績」と「経験」に優れる海外勢か?

防衛省は選定した3種類の試験用車種を各2輛づつ購入し、2021年から1年間、評価試験を行い最終選定を行う予定だが、この中に三菱重工業提案の「機動装甲車」が含まれているため、国産装輪装甲車誕生の可能性も残っている。

しかし、実戦で培われた「実績」と「経験」を元に改良が重ねられてきた海外勢の装甲車に対し、どれだけ技術で三菱案が勝ったところで「実績」と「経験」だけは、どうにもならないだろう。

国産開発の意義については十分に理解しているつもりだが、このように海外企業に門戸を開いた以上、公平に評価しなければ、今後、日本がコンペティションを行っても「どうせ国産」という目で見られてしまうことに成りかねない。

国産兵器では、どうしても得難い「実戦・実績・経験」を持つ海外勢の装甲車より、日本の国情に見合った「機動装甲車」の方が優れているのなら三菱案を採用すればいいが、安易に「国産」を優先させるために三菱案を採用するぐらいなら、端から後継車両の条件に「国内開発」をつけておけば良いのだ。

今回、国内開発という枷を外して行われた「次期装輪装甲車」選定は、三菱重工業にとっても、国産という大義名分がない環境で、本当の実力を試せる絶好のチャンスだと考え、是非とも頑張ってほしい。

出典: Graham Robson-Parker / CC BY-SA 4.0 オーストラリア陸軍のボクサー

余談だが、試験用車種の選定で、ドイツの「ボクサー」だけがなぜ脱落したのか詳細は明らかになっていないが、管理人の予想では価格が高すぎたのと、重量が重すぎるからではないかと思っている。

ドイツ国内でも「ボクサー」は高価だと批判(高価になった理由については失念)されている記事を読んだことがあり、実際、スロベニアが48輛のボクサー調達に3億600万ユーロ(約367億円)を要求されており、1輛あたりの導入単価は約7.6億円で、オーストラリアは、211輛のボクサー調達に21億600万ユーロ(約2,510億円)も支払っており、1輛あたりの導入単価は約12億円に達する。

一方、AMVを4億ユーロ(約480億円)で81輛調達するスロバキアはの場合、1輛あたりの導入単価は約5.9億円で、LAV6.0の価格は不明だが、米国が導入したLAV/ピラーニャ IIIの派生型「ストライカー」の単価は500万ドル前後(約5.4億円)だと言われている。

導入条件が異なるため一概に比較は出来ないが、それでも「ボクサー」が非常に高価な装輪装甲車だというのは事実だろうし、もう一つの問題は、ボクサーは戦車並の防護力を要求された結果、戦闘時の重量が36トンから38トンもあり、あまりにも重すぎるのだ。

もし日本がボクサーを導入すれば、約26トン程度の16式機動戦闘車も重い装輪装甲車が誕生することになっていた。

かなり話は脱線してしまったが、2年後、日本の次期装輪装甲車の座を獲得しているのは、果たして日本企業か、海外企業か、非常に興味深い。

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※アイキャッチ画像の出典:陸上自衛隊 96式装輪装甲車
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投稿者: 航空万能論GF管理人 日本関連 コメント: 10  』

陸自の次期装輪装甲車はパトリア、性能とコストで三菱重工を上回る評価

陸自の次期装輪装甲車はパトリア、性能とコストで三菱重工を上回る評価
https://grandfleet.info/japan-related/gsdfs-next-wheeled-armored-vehicle-is-the-patria/

『パトリアは9日「陸上自衛隊の次期装輪装甲車にAMVXP8×8が選ばれた」と発表、防衛省も「最終的な評価点が最も高かったAMVXP8×8を次期装輪装甲車として採用してライセンス生産で調達を行う」と発表した。

参考:Patria AMVXP 8×8 vehicle selected by Japan as a new Wheeled Armored Personnel Carrier (WAPC) for Japan Ground Self-Defense Force

参考:次期装輪装甲車(人員輸送型)の車種決定について
基本性能と経費の評価でパトリアのAMVXP8×8が三菱重工の機動装甲車を上回る

96式装輪装甲車の後継車輌として小松製作所が開発を進めていた装輪装甲車(改)は耐弾性能が要求要件を満たせず、開発期間を延長して問題の解決を図ったものの耐弾性、重量、量産コストに関する目標を満たせる見込みが立たなかったため計画を中止、仕切り直された次期装輪装甲車は三菱重工の機動装甲車、パトリアのAMVXP8×8、GDLSのLAV6.0による競争入札で争われることになった。

出典:防衛装備庁 装輪装甲車(改)

ただGDLSは入札期限内に陸自向けのLAV6.0を納品できなかったため機動装甲車とAMVXP8×8の一騎打ちになり、両社の提案は必須要求事項のクリアを確認する第一段評価をクリア、3つの評価項目を加点法で審査する第二段評価では後方支援・生産基盤は概ね同等、しかし基本性能と経費でAMVXP8×8が機動装甲車を上回ったため次期装輪装甲車にパトリア案が選ばれたらしい。

因みにAMVXP8×8はライセンス生産で調達を行う予定だが、どの日本企業が担当するのは不明だ。

関連記事:国産か海外か?陸上自衛隊、次期装輪装甲車の座を巡って三つ巴の争い

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※アイキャッチ画像の出典:CC BY-SA 3.0/Jorchr スウェーデン軍のPatria AMV
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投稿者: 航空万能論GF管理人 日本関連 コメント: 58  』

中国がサウジアラビアを訪問、石油や天然ガスの取り引きを元で決済しようと提案

中国がサウジアラビアを訪問、石油や天然ガスの取り引きを元で決済しようと提案 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202212100000/

『中国の習近平国家主席は12月7日にサウジアラビアのリヤドを訪問した。ペルシャ湾岸6カ国の首脳と会談することが目的だが、8日にはパレスチナのマフムード・アッバス大統領とも会い、パレスチナを支持すると語った。

 サウジアラビアはイスラエルと同じようにイギリスが作り上げた国であり、米英にとって地政学的に重要。アメリカのドル体制を支える国でもあるが、ロシアに続いて中国とも関係を深め、BRICSへの参加に興味を示している。

 その?サウジアラビアを含むペルシャ湾岸の産油国に対し、習主席は上海石油天然ガス取引所を使い、決済を元で行おうと提案?した。また中国とサウジアラビアは自由貿易圏を作る意向のようだ。

 イランともサウジアラビアは関係を修復しようとしてきた。両国の交渉を仲介していたのはイラク。2020年1月3日にはイランからサウジアラビアへの返書を携え、コッズ軍の司令官だったガーセム・ソレイマーニーがバグダッド国際空港を訪れるのだが、そこでアメリカ軍はUAV(ドローン)で暗殺した。イスラエルから提供された情報を利用したと言われている。ソレイマーニー暗殺はアメリカやイスラエルにとって中東における和平の流れを断ち切る作戦だったのだろうが、成功したとは言えない。

 一方、中国も1970年代からアメリカとの関係は緊密だった。その始まりや言うまでもなく1972年2月にリチャード・ニクソン大統領が北京を訪問してから始まる。それ以降、中国は新自由主義を取り入れるが、そのイデオロギーの教祖的な存在であるミルトン・フリードマンが1980年に中国を訪問している。

 1984年に鄧小平を後ろ盾とする趙紫陽はホワイトハウスでロナルド・レーガン米大統領と会談、88年に「経済改革」を実施、つまり新自由主義化を推進するが、これは深刻なインフレを招く。社会は不安定化し、胡耀邦や趙紫陽は窮地に陥った。そして1988年には妻を伴って再び中国を訪問、趙紫陽や江沢民と会談している。

 新自由主義の推進を望んでいた中国のエリート学生はジーン・シャープの指揮で反政府活動を展開したが、ジョージ・ソロスともつながっていた。

 そのソロスと緊密な関係にあったショール・アイゼンベルグは第2次世界大戦中の1940年にヨーロッパを脱出、上海経由で40年、あるいは41年に神戸へ上陸している。当時19歳か20歳だ。

 その若者を世話したのが山田忠義。渋沢敬三の秘書などを経て1952年に八幡製鉄へ入社している。山田忠義の息子である山田忠孝はグラクソスミスクライン、ビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団を経て武田薬品に迎えられた。

 日本でアイゼンベルグはこうした政財界の大物に世話されたほか、大戦後にはアメリカ第8軍の司令官だったロバート・アイケルバーガーに可愛がられ、ペニシリンの販売で大儲けしたという。

 その後、アイゼンベルグは日本から追い出されるが、イスラエルの情報機関モサドの幹部としてさまざまな秘密工作を実行、イスラエルと中国を結びつけたと言われている。そのアイゼンベルグと緊密な関係にあったソロスは新自由主義から離れようとした中国政府を転覆させようとしたわけだ。

 それでも中国とイスラエルは結びついていると考えられていたが、ここにきて離れ始めたのかもしれない。』

米民主党のシネマ上院議員が離党表明 多数派は維持

米民主党のシネマ上院議員が離党表明 多数派は維持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09CB90Z01C22A2000000/

『【ワシントン=芦塚智子】米民主党のキルステン・シネマ上院議員は9日、民主党を離党して無所属になる意向を自身のツイッターで表明した。上院(定数100)は6日の南部ジョージア州の決選投票で民主党現職が勝利し、民主党が過半数の51議席を確保した。シネマ氏が離党しても上院の多数派を維持する。

西部アリゾナ州選出のシネマ氏はCNNテレビのインタビューで「どの政党の箱にも収まりきることができなかった」「アリゾナの無所属として登録する」と説明した。同氏は中道派で、マンチン上院議員(ウェストバージニア州選出)と共に党の政策や方針にたびたび反対してきた。今回の中間選挙では非改選だった。

上院ではサンダース議員とキング議員も無所属だが、民主党会派に属しており同党の議席に数えられている。シネマ氏は民主党会派に残るかどうかは明言しなかったが、民主党が割り当てる委員会の席は維持したい考えを示した。シネマ氏が会派入りしない場合も、上院議長を兼ねるハリス副大統領を含めて民主党が多数派を保つ。

ジャンピエール大統領報道官は9日、声明を発表し、シネマ氏はバイデン政権の政策を進める重要法案で主要なパートナーになってきたと指摘。シネマ氏が離党しても新議会の上院での民主党多数派は変わらないと強調し、引き続き協力していくと述べた。』

中国国産機C919が初納入 COMAC、約15年の開発完了

中国国産機C919が初納入 COMAC、約15年の開発完了
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM092A10Z01C22A2000000/

『【広州=比奈田悠佑】中国の航空機メーカー、中国商用飛機(COMAC)は9日、国産旅客機「C919」の初号機を同国航空大手の中国東方航空に引き渡した。約15年間にわたる開発が完了した。

9日午前、中国東方航空のロゴを塗装したC919が、上海市東部の浦東国際空港から西部の虹橋国際空港へ納入フライトを実施した。中国メディアによると、中国東方航空は今後、C919の運用現場での確認作業を進め、2023年春にも商用飛行を始める。

COMACの開発機では、座席数78~90席のリージョナルジェット機「ARJ21」が16年に商用飛行を始め、中国内の都市間を運航している。C919は158~192席と一回り以上大きく、旅客需要がより大きな路線での運航が見込まれている。

C919の開発は、中国共産党の最高指導部にあたる中央政治局常務委員会が07年に正式承認してスタートした国家プロジェクト。米欧メーカーがほぼ独占する旅客機市場にくさびを打ち込むための「戦略機」だが、現時点では国外での安全認証を取得しておらず、当面は主に国内向けに生産していくことになる。

新型コロナウイルスの流行後、厳しい感染対策を敷いた中国では旅客市場の低迷が続き、中国東方航空など大手航空会社も財務に打撃を受けた。ただ習近平(シー・ジンピン)指導部は足元で移動制限などを大幅に緩和しており、旅行や出張需要の回復が期待されている。』

中国・海警トップに海軍出身者 東シナ海担当経験

中国・海警トップに海軍出身者 東シナ海担当経験
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB09BIR0Z01C22A2000000/

『【北京=共同】中国海警局トップの海警局長に、海軍出身の郁忠少将が就任したことが8日分かった。郁氏は海警で東シナ海を管轄する東海分局の局長を務めた経歴もある。沖縄県・尖閣諸島の周辺領海で侵入を繰り返す海警艦船が動きを活発化させないか注目される。

海警は行政組織の一つだったが、2018年に軍最高指導機関、中央軍事委員会の指揮下にある武装警察に編入された。王仲才前海警局長も海軍出身者で、海警の「第2海軍」化が一層進むとみられる。

海警は今月7日、ベトナム・ハノイで同国の海上法執行機関とハイレベル協議を開いた。海警の発表文は郁氏を海警局長と紹介しており、就任が明らかになった。

中国メディアなどによると、郁氏は海軍で参謀部訓練局長を務め、中国初の空母「遼寧」の軍事演習に関わった。その後、海警で法執行部門の部長や、東海分局の局長を歴任した。

前任の王氏は中将に昇進し、東シナ海を担う軍東部戦区の海軍司令官に転出したと今年夏に伝えられた。

中国の習近平指導部は21年2月、海警に武器使用を認める海警法を施行した。今年11月には過去最大とみられる76ミリ砲を載せた海警艦船を尖閣周辺の領海に侵入させた。尖閣の領有権を主張し、日本が実効支配する現状の変更を狙っている。〔共同〕』