アメリカ海軍は将来、艦載機の6割をドローンにする

アメリカ海軍は将来、艦載機の6割をドローンにする…空母搭載の無人機初飛行から80年
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『アメリカ海軍は空母に搭載するドローンに多額を投じている。

公式の声明でも、空母に搭載する艦載機の60%をドローンにしたいと述べている。

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アメリカ海軍が空母に搭載した無人機の運用を初めて試みたのは、80年前のことだ。

アメリカ海軍は空母にドローンを導入するため、懸命な取り組みを行っている。同海軍は公式に、空母に搭載する艦載機に占めるドローンの割合を、これまでは40%を目標にしていたが、大幅に増やして60%を目標にすると述べている。

これをリードするのがボーイングの無人空中給油機「MQ-25スティングレイ」で、最終的には機密情報収集などの新しい役割を担うようになるという。

MQ-25は2025年9月までに初期の運用能力に到達し、2026年には空母に配備される見込みだ。

これは海軍で運用される初の空母を拠点とした専用機になるが、アメリカ海軍が甲板で運用する初の無人機というではない。

空母から始めて飛び立ったアメリカ海軍のドローンは、ネーバル・エアクラフト・ファクトリー(Naval Aircraft Factory:NAF)のTDN‐1で、1943年8月10日に飛行している。
最初のドローン「TDN‐1」

1940年代には、無人の乗り物は新しいコンセプトではなかった。

アメリカ海軍はすでに10年以上、銃撃や爆撃の訓練にラジコン操縦の標的船を使用してきた。ラジオやテレビの技術革新によって、無人航空機も現実的になっていた。

TDN‐1は、第一次大戦中に設立され、海軍専用の航空機を製造していた海軍が所有する企業、NAFが設計した。

1942年1月、アメリカが正式に第二次世界大戦に参戦した直後、NAFは爆弾や魚雷を搭載して空母に搭載できる無人航空機の製造の任務を課された。

1カ月後、NAFのプロトタイプは生産が承認された。

プロトタイプは全長37フィート(約11.3m)、翼幅48フィート(約14.6m)で、地上または、近くを飛行する別の航空機から操縦可能だった(随伴機は複数のTDN‐1を一度に操縦できた)。パイロットが必要な場合に備え、コックピットも設けられていた。

大部分は木製で、先端にはカメラを装着し、コックピット後方の胴体部分にはラジコン操作装置を搭載していた。2000ポンド(約900kg)の爆弾または魚雷を1つ、あるいは小型爆弾を2つ搭載可能だった。

アメリカ海軍は1942年3月に「攻撃ドローン」と呼ぶTDN‐1を100機オーダーした。そして8月10日、3機のTDN‐1がミシガン湖の訓練空母「セーブル」から飛び立ち、歴史にその名刻んだのだ。

最初のTDN‐1は、通常の離陸より急な角度で飛び立ったのち、飛行に成功した。2機目はさらに急な角度で離陸し、失速して海に落ちた。3機目の離陸は完璧に成功した。

その後、1機目と3機目のドローンは近くの基地に着陸した。

1944年10月31日、6機のTDN‐1が特殊空挺部隊とともに空母「チャージャー」から飛び立ち、再び歴史を作った。

最終的にTDN‐1は配備されることはなかった。この技術は大量生産するにはあまりにも複雑で高価なことがわかり、このプロジェクトは中止となったのだ。多くの残されたTDN‐1は、訓練の標的として使われた。

だがTDN‐1が行ったことは、第二次世界大戦の終了間際に太平洋で限定的に使用されたインターステート社の攻撃ドローン「TDR‐1」の設計に生かされた。』

『MQ-25スティングレイ

それから80年が経ち、アメリカ海軍は艦載機に固定翼のドローンを再び取り入れようと試みている。

MQ-25は、1万5000ポンド(約6.8t)の燃料を約500海里(約920km)運べるよう設計され、航続距離が約300マイル(約482km)のF/A-18やその他の航空機の航続距離を延ばし、主に空中給油の任務を担うF/A-18Fを他の用途に使えるようにすることができる。

このドローンは、空中での燃料補給が可能であることを示し、有人と無人のチーム編成テストや空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」に搭載してデッキハンドリングテストなどを行ったが、空母からの離着陸はまだ行っていない。

ボーイングは2021年9月、この春に行われたバーチャルデモンストレーションでMQ-25と地上管制ステーションが、戦闘機F/A-18と哨戒機P-8A、早期警戒機E-2Dとともに任務を遂行できる能力を示したことを発表した。

海軍の担当者は、MQ-25のテストは、将来の無人機が戦闘機とどのように連携し、空母でどのように運用されるか、また1人のオペレーターを有するスティングレイの地上管制ステーションがどのように他のドローンを操縦できるのかについて理解するのに役立ったと、9月のテールフック協会のシンポジウムでAviation Weekに語っている。

担当者は艦載機の60%を無人機にするという新しい目標についても説明した。

無人航空機と兵器に関するアメリカ海軍のプログラムエグゼクティブオフィサーを務めるステファン・テッドフォード(Stephen Tedford)准将は9月、Insiderに対して、MQ-25がオンラインになり、兵士がより熟達してくれば、「複数の異なる役割を担うために空母に搭載する無人機の割合を大きく増やす」と語っていた。

[原文:80 years after launching the first drone from an aircraft carrier, the US Navy is planning to fill its flattops with them]

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

Benjamin Brimelow 』