米海軍・陸軍、豪州で巡回配備拡大へ 台湾有事にらむ

米海軍・陸軍、豪州で巡回配備拡大へ 台湾有事にらむ
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『【ワシントン=中村亮】米国とオーストラリアは6日、米首都ワシントンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開いた。米国の海軍や陸軍が豪州に戦力の巡回配備を拡大することで合意した。台湾有事をにらみ、日本を交えた3カ国の防衛協力も深める。

ブリンケン米国務長官は共同記者会見で「台湾海峡の平和と安定に我々の利益がある」と力説した。豪州のウォン外相も台湾情勢をめぐり「我々は一方的な現状変更が起きないことの重要性を明確にしてきた」と語った。

中国への対処に向けて米海軍は豪州で戦力の配備を増やす。艦船や潜水艦を念頭に置く。在豪米国大使館は11月末、原子力潜水艦ミシシッピが豪州西部の海軍基地に到着したと明らかにした。米国のキャロライン・ケネディ駐豪大使は「我々の船員はともに訓練し、ともに航行し、平和や自由、法の支配に関する約束を共有する」と強調した。

米陸軍は中国の脅威に対処するため「マルチドメイン・タスクフォース(多領域部隊)」を立ち上げている。ミサイルや防空、電子、サイバーといった能力を一体的に扱う部隊で、豪州軍と関係を深めていく可能性がある。

米空軍は2021年の2プラス2を踏まえ、戦闘機や爆撃機の巡回配備を増やしてきた。22年にステルス爆撃機B2スピリットを豪州に初めて配備した。豪州は米軍の戦略爆撃機B52ストラトフォートレスの受け入れ拡大に向けたインフラ整備を進めている。

米豪は共同声明で豪州で弾薬や燃料の備蓄を拡大するとした。共同演習を通じて軍の補給活動についても協力を強めていくと言及した。

米戦略国際問題研究所(CSIS)のチャールズ・エデル豪州部長は「豪州は地理的に米軍の分散戦略に大きく貢献できる」と指摘する。

米軍は台湾海峡や南シナ海をめぐる有事の際に、中国軍に攻撃対象を絞らせないため部隊を西太平洋で分散させる戦略を進める。豪州は日本の小笠原諸島や米領グアムを経由してパプアニューギニアに至る第2列島線の外側に位置し、中国軍のミサイル攻撃を受けにくい強みがある。

共同声明は「安全保障に関する具体的で実用的な取り組みと整合させて日米豪は3カ国の防衛協力を向上させる」と言明した。豪州のマールス副首相兼国防相は9日に東京で開く日豪2プラス2に触れ、日本を米豪の軍事演習に招待すると明らかにした。

日本の海上自衛隊は11月、米豪の海軍との共同訓練で安全保障関連法の「武器等防護」を実施した。艦艇などを警護する活動を指す。マールス氏は詳細に触れなかったが、こうした3カ国の実戦に近い訓練の頻度を増やし、練度を高めていくとみられる。

米国防総省高官は日豪について「インド太平洋地域で最も志を同じくして能力も高いパートナー国だ」と強調する。

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