途上国債務返済8.5兆円 世銀総裁「何百万人が貧困に」

途上国債務返済8.5兆円 世銀総裁「何百万人が貧困に」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06D6D0W2A201C2000000/

『【ワシントン=高見浩輔】世界銀行は6日、途上国の債務返済が2022年に前年比35%増の620億ドル(約8.5兆円)を超えそうだと発表した。金利上昇や対ドルの通貨安で返済負担が重くなる懸念があり、マルパス総裁は「債務危機が激化している。対策を怠れば多くの国が財政危機や政情不安に直面し、何百万人もの人々が貧困に陥る」と警鐘を鳴らした。
同日公表したリポートで最貧国の債務を分析した。対外債務残高は21年時点で9兆ドルと約10年前の2倍に膨らみ、21年の債務返済額は462億ドルだった。輸出額に対する比率は約10年前の3.2%から10.3%に拡大しており、支払い負担は重くなっている。

世銀は最貧国の約6割が債務危機のリスクが高いか、すでに危機に陥っているとみる。2023年は金融引き締めで世界同時不況に陥る可能性が高いとも指摘した。

最貧国は中国やインド、中東からの借り入れが増え、日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)からの借り入れ比率は低下している。多国間の協調が必要な債務再編は難航しがちで、マルパス氏は「債務を削減し、透明性を高め、迅速な再編を促進するために、包括的なアプローチが必要だ」と指摘した。
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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ひとこと解説

①米国金利上昇によって高金利通貨国への投資の魅力はなくなり、資金が流出する。
②中国の景況感が冴えず、新興国に影響をもたらす。加えて、
③ロシアとウクライナの状況が改善せぬまま、エネルギーや食料品価格は依然高い。

そもそもがコロナ禍後、山火事や洪水など自然災害の頻発もあり、外貨準備がもともと多かったか、観光や資源など回復軌道に乗りやすい何かがある場合を除き、新興国の状況は苦しいはずである。

スリランカがデフォルトして久しいが、中国とIMFや日本との間で債務返済スケジュールの詳細は不明。新興国の間での差も激しくなっており、いくつかの国では特に注意が必要である。
2022年12月7日 9:48

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

リーマンショック以降の異常な金融緩和(ゼロ金利+量的緩和)は米国経済を救ったのだが、その代償をいつかだれかが払わないといけない。

猛烈なインフレを恐れているFRBは利上げを急いでいるが、途上国は外債を減らすスピードが遅いため、そのしわ寄せが襲ってきた。

IMFや世銀が警鐘を鳴らすのは当然だが、これから先は重要なのは世界主要国が金融政策を取るとき、自国の都合だけでなく、世界経済にも配慮しなければならないということである
2022年12月7日 7:49』