米、オピオイド拮抗薬を市販薬に切り替えへ 死者急増

米、オピオイド拮抗薬を市販薬に切り替えへ 死者急増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06DIN0W2A201C2000000/

『【ニューヨーク=西邨紘子】米製薬のエマージェント・バイオソリューションズは6日、現在は処方薬として販売認可を受けているオピオイド拮抗薬「ナルカン」(ナロキソン塩酸塩)鼻スプレーを市販薬として販売する申請を、米食品医薬品局(FDA)が優先審査の対象に指定したと発表した。早ければ2023年3月の承認取得を見込む。

オピオイドは過剰摂取すると、呼吸停止により死亡する危険がある。ナロキソンはオピオイドの作用を一時的に停止する効果を持ち、過剰摂取時の素早い投与が救命につながる。ただ、これまでは処方薬のため緊急時の入手が難しいなどの課題があった。FDAは11月、一部のナロキソン製品について、市販薬への切り替えを検討すると発表。同製品を処方薬として販売する製薬会社に、切り替えの申請を「強く推奨する」としていた。

米国では、安価で致死性が高い合成オピオイドのまん延などを背景に、過剰摂取による死亡が急速に増えている。米疾病対策センター(CDC)によると、合成オピオイドの過剰摂取による死者は21年に7万1000人に達し、2年前からほぼ倍増している。

ニューヨークなど一部の州はこれまでに、オピオイド中毒者や周囲の人に緊急時の備えとしてナロキソンを配布したり、刑務所などの公共施設に同薬の自動販売機を設置するなど、同薬へのアクセスを広げる取り組みを進めていた。』