[FT]EU、気候対策の補助金規制見直しへ 米政策に対抗
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0616V0W2A201C2000000/
※ 「気候変動対策」を表(おもて)に掲げた、「自国産業保護・育成政策」だな…。
※ 「自由貿易」体制とは、真逆の「自国産業保護・育成、補助金政策」だ…。
※ 日本が、散々叩かれた、「自国産業保護・育成」策だ…。
※ 民主党政権は、これがあるからな…。「労組」が支持基盤なんで、そういうことになる…。
※ そして、各国はそれへの「対抗策」を、取ることになる…。
※ その中身は、同じように、「自国産業保護・育成」策となる…。
※ そうやって、どんどんエスカレートして、結局最後は、「ブロック経済」「閉鎖経済」へと、なだれ込んで行きかねない…。
※ TPP11とかの重要性が、ますます高まる成り行きの感じだな…。
『欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は4日、3690億ドル(約49兆5800億円)を投じる米国の新たな気候変動対策がEUの競争力に与える影響に対処するため、EU加盟国の国家補助に関する規則を「簡素化および適正化させる」必要があるとの認識を示した。
フォンデアライエン氏は、「競争相手が新たに推進している積極的な産業政策には、構造的な対応が必要だ」と述べた=ロイター
これは、米国がグリーンエネルギー関連事業に補助金を支出しようとしていることに対するフォンデアライエン氏による初の公式コメントで、欧州は「公的資金の支出を容易にするため自らのルールを調整すべきだ」と述べた。EU首脳は米国の動きは欧州企業に米国移転を促すもので、米欧の結束を「分断」しかねないと批判している。
米国の措置は米欧関係の悪化を招いており、EU加盟国からは競争力の強化につながる行動を求める声が高まっている。こうした動きが両者の貿易戦争に発展しかねないとの懸念も広がっている。
フォンデアライエン氏は、「競争相手が新たに推進している積極的な産業政策には、構造的な対応が必要だ」と述べた。
EUレベルでの新たな資金の必要性も検討
フォンデアライエン氏の提案は広範な影響をもたらす可能性があるが、それには米国の歳出・歳入法(インフレ抑制法)に対するEUの強い懸念が反映されている。EUと米国の当局者は5日にこの問題について協議した。
バイデン米大統領はグリーンエネルギーへの補助金が盛り込まれたインフレ抑制法について、気候変動問題に取り組むために米国がこれまでに講じた「最も積極的な行動」だとしている。だが欧州諸国は、電気自動車などに対する税額控除や補助金支出といった措置は米国に拠点を置く企業を不当に優位にし、EU企業に移転を促すことになるとして不満を表明している。
フォンデアライエン氏は4日、EUは米国の措置に対処するため、公的投資に関する規制を見直すとともに、「EUレベルでの新たな追加資金」が必要かどうか再検討する必要があると指摘した。さらに、争点を解消するため、EUは米国にインフレ抑制法の調整を要求し続ける必要があると述べた。
フォンデアライエン氏は「インフレ抑制法は不公正な競争を招き、市場を閉ざし、重要なサプライチェーン(供給網)を分断する恐れがある」とした上で、「競争条件を調整し、国家補助の枠組みを改善するため、EUは行動しなくてはならない」と述べた。
さらに、「我々は、欧州市場にゆがみが生じるのを避けるため非常に慎重に行動している。しかし、クリーンテクノロジーをめぐる世界的な競争激化にも対応しなければならない」と付け加えた。「戦略的分野への投資がEUから流出すれば、それは欧州市場を弱体化させるだけだ。だからこそ、我々は今、国家補助に関する規則の簡素化と適正化について検討している」
EU大統領も対応呼びかけ
他のEU首脳も、米国の措置への集団的な対応を呼びかけている。ミシェルEU大統領はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙に対し、共通の資金調達について改めて議論する必要があるとの考えを示した。
EUの競争力は、ロシアのウクライナ侵攻に起因するエネルギー価格の急騰やインフレ抑制法に盛り込まれた補助金制度によって打撃を受けている。ミシェル氏は、一部の加盟国には苦境に陥っている産業を支援する資金力があるが、その余力がない国もあり、EUの新たな資金源に関して議論を求めるのは正当な要求だと指摘した。
また、「一部の加盟国が経済発展を支援するため資金を活用する可能性があるのは好ましいが、それによって欧州市場にゆがみが生じるのを避けることが非常に重要だ」と述べた。
ミシェル氏は、EUの資金を新たに投入すべきかどうかという議論は、異例のコロナ復興基金の創設につながった議論の再現だとした上で、問題になるのは「資金を活用する準備ができているのかいないのか、必要な資金をどのように調達するのか」という点だと付け加えた。
フォンデアライエン氏による国家補助ルールの見直し要求は、新型コロナのパンデミックやエネルギー危機を受けた民間企業への支払い制限緩和など、制度の合理化を目指してEUがここ数年講じてきた一連の緊急措置に続くものだ。
しかし、ドイツをはじめとする資金力のある国が多額の支出をした場合、欧州市場にゆがみが生じかねないとの懸念があることを踏まえれば、ルール緩和に向けたさらなる措置は、加盟国間で大きな論争となりそうだ。加盟国の中には、債務残高の対GDP比率が少なくとも100%に達し、財政的な余力がほとんどない国もある。
フォンデアライエン氏は「補助金競争」に発展するリスクを認めながらも、米国との貿易戦争は誰の利益にもならないとして、「競争と協力はコインの裏表になり得る」と語った。
さらに、「もちろん、欧州は常に欧州にとって正しいことを行う。そのため、(米国の)インフレ抑制法に対して適切かつ十分に調整した方法で対応することになる」との考えを表明した。
「しかし、それは実際に(編集注、ウクライナで)戦争が起きている中、米国とコストがかかる貿易戦争を争うことを意味するわけではない。それは我々の利益にならず、米国民の利益にもならない」と付け加えた。
バイデン大統領もEUの懸念を認識
バイデン米大統領は1日、フランスのマクロン大統領を迎えた際、EUの懸念に前向きに対処する考えを示した。
ホワイトハウスの報道官は4日、「(バイデン)大統領は、欧州の懸念に対処する方法があることを明確にした。これは、欧州側との実質的な協議を通じて取り組んでいる問題だ」と述べた。
「我々は、米欧双方がお互いに犠牲を払うことなく高賃金の雇用を創出し、気候危機に取り組むことができると確信している」
Henry Foy and Sam Fleming
(2022年12月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
クリックするとビジュアルデータへ
ゲームであなたが挑戦 「カーボンゼロ」実現への道
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/climate-change-game/
https://nkis.nikkei.com/pub_click/174/DQ1oHy9Ou2DR8J88h61w_IY8M1n2PCEe5uRXUzbp3z06_z58X1JeLbNFGpAUWUK2-sbnO6t4qiZXmwuQeIQxRbxzGDocKt03fNXFY2Vbz0voOozQDlbkOMKtTYhnx-3ho4LndepZjq74PBIG2lcWiKYl6_Hql4EVkxWGosxy5UwtadpMAmIYLIhWEiOYplY5t0Hi9EDqqaKOEcHvyTYWyP9eEJs7VuKcR9DkEooQpIDSSm_AKdkBRb4lxV2Uzet6t2JkZ_VmC705Dak8HALql_wScPj131YIbITc3_ZS8oL5Jf0bszufELKrdO3owJw_mJGXW976UAQ2zkcDn-wCRpUqMFj8qwwI9qcZbOEeBoaT0n-C5KuVAboeWVv8o24dpld_dkRUJ4yCUko4B6ALQHaO4G4jjg3cMiJZBZ5z5Flr8sB1tuLSjRniSl5sLpGoddIzBroSvMDPxH9SV2XRn97_qIh3THc2Zg3yAB1tcR1pZYJ5uwR_NZ0FSJtV//113417/151711/https://www.nikkei.com/promotion/campaign/line_friend/?n_cid=DSPRM1DP01_2022linea 』