GDP2%に名目上「倍増」する軍事費を、いったい何に使ったら、日本の経済に超絶プラスの効能をもたらしてくれるか?

GDP2%に名目上「倍増」する軍事費を、いったい何に使ったら、日本の経済に超絶プラスの効能をもたらしてくれるか?
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『それは「軍工廠」を創設することだ。

 DARPAの日本版案は、話としては悪くないが、日本の組織文化ときっと相性がわるい。相性がよければ、それは20年以上前に、とっくに実現をしていたはずである。わたしゃその頃からDARPAの発明品を紹介し続けているからね。

そして韓国やインドその他もとっくにDARPAの模倣組織を立ち上げている。90年代にそういう判断をしたのだ。

日本にはその適合土壌がないから、いつまでも、できない。今後も、うまくいくまいと予想できるよ。

 ではDARPA模倣だとうまくはいかなくて、どうして現代版「東京砲兵工廠」ならばうまくいくのか。

 それは、ベーシックな構造と機能が、日本の「町工場」の集積版・分野統合版となるからである。

 この「シン工廠」は、民業を邪魔しない。すでに大手民間メーカーが良い製品を製造できているのなら、そしてそれをこれからも続けると言っているのならば、敢てその領域に踏み入ったりはしない。民間でうまくいっているのは、民間に任せておけばいいのだ。

 「シン工廠」は、もうウチの工場では造り切れませんやと町工場から泣きが入っている、事業承継されざる裾野分野を、国営のラインで引き受けるのである。

 官営工廠は、戦争が切迫していない端境期に、ラインと職工を温存できる。もちろん明治時代から熟練工の確保には苦労をし続けた。

それを村田経芳や南部麒次郎がどうやって解決したかは兵頭の旧著が詳しい。村田は旧式小銃を改造して猟銃にして、東北のマタギに売り込んだ。それが「(猟用)村田銃」である。南部は自分が設計した自動拳銃や機関銃をシナ軍閥に売り込んだ。近代日本の工業製品輸出の第一号は、明治時代の南部の拳銃なのである。

 もちろん今では猟銃も拳銃も民間でいいものができているから、未来の「シン工廠」はそんなビジネスには手を出さない。

 戦前のように軍艦は造らないし、局地戦闘機も造らない。

 しかし温存ラインや中古機械を駆使して、民間企業がもう引き受けてくれない部品のサプライチェーンの穴を即応的に埋められる。

 いざというときには、急速増産の弾撥性を発揮してくれる。

 これは外交カードに直結する。たとえば155ミリ砲弾がどこかの海外戦線でたくさん必要になったときに、その補給を日本も部分的に分担できるのである。それはタイムリーに増産できなかったら意味がない。そして今日の大手メーカーは、製造ラインを遊ばしておける余裕がゼロである。

 「シン工廠」は日本国内に大きな雇用をもたらし、零細工場の中古機械の引き取り先にもなる。民業を邪魔せず、国家緊急のサプライチェーンを下支えし、独自に輸出で稼ぐこともできる。米国へ恩を売れる機会も多くなるだろう。「この工場があって助かったぜ」といわれるようになる。何兆円もかける価値があるはずだ。』