[FT]中国のゼロコロナ抗議、背景に若者の高い失業率

[FT]中国のゼロコロナ抗議、背景に若者の高い失業率
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『北京の清華大学の学生は11月25日から26日にかけて、習近平政権が推し進めてきた「ゼロコロナ」政策に対する怒りの抗議集会を開いた。しかし、中国の学生たちの間には、経済状況に対する不満も積もっている。

中国の学生たちの間には、経済状況に対する不満も積もっている=ロイター

「ロックダウン(都市封鎖)のせいで経済は停滞し、自分の家族の経済状態も悪くなった」と清華大学での抗議集会に参加した学生は不満の声を上げた。

「経済状況が悪ければ、両親が私の留学費用を払うことが難しくなる」とこの女子学生は言った。「コロナ政策の行方は私の将来を大きく影響する」

若者の失業率、20%近辺を推移

全国規模の抗議行動は、新疆ウイグル自治区ウルムチで発生し10人が死亡したとされる火災について、「都市封鎖の影響から消火活動が遅れた」との情報が拡散したことで発生した。その主役は、経済の暗い見通しに直面する若者たちだ。若年層の失業率は今年、過去最高水準に達した。

中国経済は全体として、近年まれに見る弱さを示している。新型コロナウイルスの完全撲滅を目指す習氏のゼロコロナ政策は、2020年と21年初め頃までは、中国経済を外の世界から遮断することで感染の抑制に成功したが、今年に入ってからはその経済的悪影響が顕著になり始めた。

変異型ウイルス「オミクロン型」の感染拡大に対応するロックダウンを各地で実施したことで、消費は落ち込み、経済成長率は、すでに何十年か振りの低い政府目標である年率5.5%を下回っている。

特に目立った影響は、若者の失業の増加だ。上海でロックダウンが実施された後の7月には、失業率が20%にまで上昇した。全体の失業率が5.5%にとどまっているのと対照的に、若年層の失業率は、その後も20%近辺で高止まりしている。政府が18年から発表している若者の失業率は、パンデミック前に12%前後で推移していたが、その後急激に上昇した。

「若者は働いた経験がないので労働市場で最も弱い立場にある」と豪投資会社マッコーリーで中国担当主任エコノミストを務めるラリー・フー氏は指摘する。若者の高い失業率は、中国経済全体の弱さを反映しているという。

ゼロコロナは「若者を多く雇用するサービス部門に重くのしかかっている」

ゼロコロナ、経済に広範囲な影響

上海で25~26日に抗議の声を上げた参加者の多くは若者だった。ある学生は、若者の高い失業率を特に強調した。北京に先月掲げられた横断幕に書かれたスローガンに言及しつつ、自由に対する規制の影響など、政治的な問題に触れる参加者もいた。

ゼロコロナ政策は経済に広範囲な影響を及ぼしている。上海では、春に2か月間のロックダウンが実施されたことで、企業の体力が落ちた。しかも、いまだに感染防止策のための厳しい規制を導入している。濃厚接触者を追跡するシステムにより、市民はいつ隔離されるかもしれない状況に置かれている。

若者にとっては、長時間労働と激しい競争という以前から厳しかった労働環境がさらにつらいものになっている。上海でマーケティングの仕事をするジョセフィーヌ・リーさんは、過重労働から逃れるために20年8月からフリーランスとして働き始めた。

しかし、今年のロックダウン以降、収入が30%ほど減少してしまった。彼女が仕事を請け負っていた会社からは、正社員にする約束を8月にほごにされた。

「あれ以来、就職の機会を必死に探してきたが、面接にこぎつけたのは2件だけ」だと話す。

抗議行動をきっかけに、中国経済における自分たちの役割について深く考え始めた若者もいる。深圳でテクノロジー関係の仕事に就く26歳の女性は、29日にデモに参加したが、警察が集まっているのを見てすぐに現場から離れた。

「仕事がないわけじゃないし、お金を稼ぐことは大事だから」と彼女は言った。「でも、ここ数年は目に見えない強大な力に操られていたという深い感覚がある」と語った。

「操り人形になるために一生懸命勉強して仕事をしているわけではない」

大きな社会不安の予兆

12月1日に発表された購買担当者景気指数(PMI)は、製造業全体の弱さが11月になっても続いていることを示している。その前日には、日々の新規感染者数が数万人を記録する中、中国政府は厳格なコロナ政策の部分的な緩和を示唆した。

中国政府は、1年以上にわたって不安視されてきた不動産市場の危機にも直面している。

上海やその他の都市で警察が大規模に動員され、政府が「敵対的な勢力」を厳しく取り締まると警告していることで、25~26日のような激しい抗議活動が再び起こるとは考えにくい。しかし、コロナ政策に対する不満よりも、むしろ経済低迷によって、抗議デモが続いて行くという見方も出ている。

「中国の経済は落ち込む可能性が高く、貧富の差はさらに広がるだろう」と前述の清華大学の学生は言う。「大きな社会不安が起こる可能性が高まっている」

By Thomas Hale and Arjun Neil Alim

(2022年12月1日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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