バイデン氏、ウクライナ停戦協議言及 ねじれ議会意識か

バイデン氏、ウクライナ停戦協議言及 ねじれ議会意識か
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『【ワシントン=坂口幸裕、北松円香】バイデン米大統領は1日、ロシアがウクライナへの侵攻を終結させる意思があるのならプーチン大統領と対話する用意があると表明した。ロシアの撤退を改めて要求したが、ロシアのペスコフ大統領報道官は2日、撤退が条件の協議は拒否すると述べた。

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バイデン氏は訪米したマクロン仏大統領との共同記者会見で、「戦争を終わらせる方法は1つだけだ。プーチン氏がウクライナから撤退することだ」と指摘した。

「すぐに連絡を取る予定はない」と前置きしつつ「もし戦争を終結させる方法を探っているなら、プーチン氏と話す用意がある」と言及した。その際はフランスを含む北大西洋条約機構(NATO)加盟国と相談すると語ったが、現時点でロシア側に撤退や停戦に応じる兆候はないとも付け加えた。

マクロン氏は共同記者会見でプーチン氏との直接協議に意欲を示し、「われわれは(紛争が)激化するのを防ぎ、具体的な成果を得ようとしている」と説明した。仏大統領府の関係者によると、マクロン氏は帰国後にプーチン氏との電話協議を検討する。

一方、ペスコフ氏はモスクワで記者団に「バイデン氏は事実上、何と言ったか。協議はプーチン氏(ロシア軍)がウクライナから出て行った後にだけ可能だと言った」と指摘し、「もちろん、軍事作戦は続く」と強調した。

ペスコフ氏はまた「プーチン氏は過去もいまも今後も、接触や協議の用意がある」とも語った。ロシアに有利な条件で停戦交渉をしたい考えも示唆した。

ロシア大統領府によると、プーチン大統領は2日、ドイツのショルツ首相と電話で協議した。米欧諸国によるウクライナへの兵器支援や兵士の訓練を破壊的な方針だと批判した。支援の停止を要求した。

ウクライナは全土の奪還をめざす方針を堅持する。交渉での歩み寄りは自国領の一部をロシアが支配するのを事実上認めることにつながりかねず、ウクライナの出方が焦点になる。

バイデン氏はこれまでウクライナの自衛力を強化するため武器支援を続ける方針を示す一方、ロシアとの停戦協議に入るかどうかは「ウクライナが決めることだ」と繰り返してきた経緯がある。

バイデン氏が停戦協議に言及した背景には国内の政治情勢が絡んでいる可能性がある。米国では11月8日の中間選挙で与党・民主党が上院の多数派を維持したが、下院は野党・共和党が4年ぶりに過半数を奪還。上下両院の多数派が異なる「ねじれ議会」となり、ウクライナ向け巨額予算の見直しを主張する共和に配慮せざるを得ない。

バイデン政権がウクライナへの武器支援を続けるのは「戦果を上げ続けることで(将来のロシアとの停戦)交渉が有利になる」(ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官)との計算がかねてあった。

紛争が長期化すれば、これまで通り潤沢な予算を確保できるか見通せなくなる。ウクライナ南部ヘルソン州の要衝から撤退に追い込まれるなどロシアが劣勢を強いられている現状を踏まえ、ウクライナが停戦協議を優位に進められるとの判断に米国が傾く余地はある。

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