米仏首脳会談、対中国・ロシア政策を擦り合わせ

米仏首脳会談、対中国・ロシア政策を擦り合わせ
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『【ワシントン=坂口幸裕、北松円香】バイデン米大統領は1日、国賓として訪米中のフランスのマクロン大統領とホワイトハウスで会談した。対中国政策での協調やロシアが侵攻したウクライナへの支援などを協議する。

バイデン氏は会談に先立つ歓迎式典で「フランスと米国は勝利の時代も試練の時代も同じように未来に向かう強固な友人だ」と表明。「同盟は相互防衛に不可欠であり続ける。欧州の平和を再び打ち砕いたウクライナに対するロシアの残虐な戦争に立ち向かっている」と訴えた。

マクロン氏も「ウクライナの主権と領土の十分な尊重とともに、持続可能な平和を築くための新たな仕組みが必要だ」と語った。

1日の首脳会談では対中国政策のすり合わせが「大きなテーマの一つになる」(米政府高官)。首脳会談に先立ち、オースティン米国防長官とフランスのルコルニュ国防相が11月30日に協議後、両軍の連携を深めることを柱とする声明を発表した。

声明は軍事威圧を強める中国の抑止を念頭に、インド太平洋地域で米仏軍の相互運用を強化する作戦上の協力の深化を表明した。マクロン氏は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にも参加。ニューカレドニアなどの仏領土がある同地域に積極関与する方針を明確にした。

ブリンケン米国務長官は30日、米CNNのインタビューでフランスを含む欧州と「ウクライナ、中国、気候、食料安全保障、エネルギーなど最も重要な問題への対処で一致している」と述べた。

北米生産の電気自動車などへの優遇措置が盛り込まれた「インフレ抑制法」について、欧州各国は企業が北米に生産拠点を移すとの懸念を強めている。ブリンケン氏は同法について「欧州のパートナーから懸念の声があった」事実を認めた。そのうえで「欧州連合(EU)と作業部会を立ち上げ、懸念に対応している」と説明した。

米仏関係は21年に一時悪化した。同年9月、オーストラリアへの原子力潜水艦供与を軸に、英米豪の安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」が発足すると、豪州はフランスとの潜水艦建造計画を破棄したからだ。その後、ローマでの米仏首脳会談などを通じ関係改善を進めてきた。

欧州にとって米国との連携は一段と重要になっている。ウクライナ支援や対中政策は米国との協調なしでは十分な効果が望めない。仏大統領府筋は米国のウクライナ支援を評価し「米国は不可欠なパートナー」と位置づける。一方、AUKUS発足時の事情については「裏切られたとの認識は今も変わらない」と漏らす。』