ロシアの情報戦、ポーランドのウクライナ西部併合は正義の回復だ

ロシアの情報戦、ポーランドのウクライナ西部併合は正義の回復だ
https://grandfleet.info/russia-related/russian-information-warfare-polands-annexation-of-western-ukraine-restores-justice/

 ※ 「陸続き」の「国境」というものは、その都度その都度の「王朝」や「帝国」の力関係によって、取ったり取られたりして、「変動」したものなんだろう…。

 ※ しかし、それが高じて、一次大戦、二次大戦につながった…。
   各陣営に合従連衡して、「領土」「地域」を「取り合った」…。

 ※ その反省に立って、「戦後の世界秩序」なるものが、形成された…。

 ※ そして、その秩序は、「戦場」にならず、「生産能力」と「戦力」が丸々残っていたアメリカが中心となって描いたものだった…。アメリカが、「戦後の世界秩序」のあり方を、「グランドデザイン」した…。

 ※ しかし、その「御威光」にも、相対的に「陰り」が見られるようになってきた…。

 ※ つまり、「戦後秩序」の「強制力」が、弱まって来た気配が感じられるようになってきた…。

 ※ それで、「世界的な領土の再配分」というような話も、語られるようになってきた…。

 ※ まあ、そういう風な「構造」なんだろう…。

『ロシア対外情報庁のナルイシキン長官が「ポーランドはウクライナ西部併合のため住民投票の準備中」というフェイクニュースをぶち上げたが、国営メディアも「ポーランドが進めているウクライナ西部の併合は正義の回復だ」と煽っている。

参考:Польская мечта о Западной Украине близка к исполнению

ポーランドに急いで行動を起こせとけしかけつつ、一時的に影を潜めているウクライナ人が抱くポーランド人への不信感を煽っている

ロシア対外情報庁のナルイシキン長官が「ポーランドはウクライナ西部を併合するため住民投票の準備を加速している」というフェイクニュースをぶち上げたが、これに便乗してロシア人アナリストや国営メディアもポーランドによるウクライナ西部併合を次々と取り上げ始めており、政治アナリストのイリーナ・アルクスニス氏は「ポーランドの野望は実現に近づいている」という持論をRIAノーボスチで披露した。

出典:Дмитрий Медведев メドヴェージェフ元大統領が示したウクライナ領の分割案

ポーランドが密かに進めていた領土拡張計画が公の場で言及されたのは初めてのことで、リヴィウ、イバノフランコフスク、テルノピリといった地域の権利を主張しているのは「ここが元々ポーランドの土地であった」という信念に基づいている。元々ポーランドの土地であったというのは「相対的な概念」に過ぎないが、この地域が長い間に渡ってポーランドの一部であったという事実に異論の余地はなく、これを回復させるという行為はポーランドにとって「正義の回復」だ。

ポーランドはウクライナの民族主義者によって引き起こされた「ヴォルヒニア虐殺」に対する補償を受け取っておらず、この地域の返還を要求するのに十分な量の公文書を持っていると信じている。

出典:Pakkin Leung/CC BY 4.0 ポーランドが受け入れたウクライナ難民の様子

ポーランドはロシアと戦うウクライナに膨大な軍事支援を行い150万人ものウクライナ人難民の受け入れており、この数字は約250万人(占領地域から強制的に連れ出した人数も含まれているが数字自体は自称)を受け入れたロシアに次ぐ規模で、客観的に見てもウクライナ支援のためポーランドが支払う負担は相当重い。

それにも関わらずキーウ政権はウクライナ軍の誤射でポーランド国民を殺しても謝罪はおろか「自分達とは無関係である」と装い続けており、逆にポーランドは西側諸国とウクライナの連帯を維持するため「キーウ政権の態度」を飲み込まざるを得なかった。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

このような背景を考えるとポーランド人が「手厚い補償を受け取る権利がある」と考えるのは理解でき、ウクライナ西部の返還を求めるのも頷ける話だが、これは欧米が主張する「法に基づいた和平」と矛盾するもののポーランドは偽善的な西欧諸国とは違い「世界的な領土の再配分」という現実を否定しておらず、寧ろ領土の再配分競争に参加する意思を隠してしない。

西側諸国とロシアの交渉時期が熟しているため、ここで何らかの原則的な合意がなされるとポーランドの野望は次の機会まで達成できなくなる=ポーランドが割り込む余地がなくなる恐れがあり、この機会を逃すのは勿体ないと考えるポーランドはロシアの手法を見習い「住民投票によるウクライナ西部併合」を考えているが、現時点で現地住民の積極的な支持は得られないだろう。

出典:Lowdown/CC BY-SA 3.0 ウクライナ蜂起軍に殺害されたポーランド兵の紀念碑

ただウクライナ人は本質的に「ポーランド人は何世紀にも渡り自分達を奴隷として扱ってきた」と考えており、現代でもポーランドの雇用主のウクライナ人労働者に対する扱いが良くないこと、ウクライナ人はヴォルヒニア虐殺を引き起こした民族主義者=ウクライナ蜂起軍を英雄と称え、この報復として実行されたヴィスワ作戦(ポーランド南東部に住むウクライナ系住民の強制移住や虐殺)を非難するためポーランド人と衝突するのは必定だ。

そのためポーランドがウクライナ西部で行動を起こす場合、地元住民の支持を引き出すため「何らかの手段を講じる」と予想しておく必要があり、ポーランドを含む西側諸国がウクライナに提供した武器の量を考えると非常に血なまぐさいものになるだろう。

出典:President.gov.ua/CC BY 4.0

以上がアルクスニス氏が披露した持論の要約で、ウクライナ侵攻は世界的な領土の再配分の一貫であり、西側諸国とロシアが交渉で合意に至れば「ポーランドの野望や潰えるので急いで行動を起こせ」とけしかける内容で、一時的に影を潜めているウクライナ人が抱くポーランド人への不信感を煽っているとも言える。

しかしウクライナとポーランドは過去の歴史よりも「目の前の脅威は誰なのか」という点で一致しているため、ナルイシキン長官がぶち上げたフェイクニュースが西側諸国の結束に何らかの影響を与えることはないと個人的には思っているが、歴史問題が絡む問題は当事国以外には理解できない部分があるのでウクライナ人やポーランド人がフェイクニュースに何を思っているのかは分からない。

関連記事:ロシア対外情報庁、ポーランドがウクライナ西部を併合するため住民投票を計画

 ※アイキャッチ画像の出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0』

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ポーランド分割
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