ゼロコロナ緩和進める姿勢 中国副首相、抗議受け

ゼロコロナ緩和進める姿勢 中国副首相、抗議受け
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『【北京=共同】中国で新型コロナウイルス対応を担う孫春蘭副首相は1日「防疫対策をさらに適正化する条件が整った」と述べ、厳格な「ゼロコロナ」政策の緩和をさらに進める姿勢を示した。新華社電が伝えた。各地での抗議を受けた対応とみられる。政府は変異型、オミクロン型の”弱毒化”を強調し始めている。
中国の孫春蘭副首相=共同

習近平(シー・ジンピン)指導部は抗議前の11月前半、一部緩和を打ち出していた。ただゼロコロナの看板は下ろしておらず、感染を許容する政策に一気にかじを切る可能性は低い。

孫氏は1日の衛生部門との座談会で「オミクロンの病原性の弱まり」により、コロナ対策適正化の条件が整ったと述べた。前日の座談会でも「病原性の弱まり」を提起。両日ともゼロコロナに言及しなかった。

政府はこれまで、オミクロン型は感染力が強いと強調して警戒を求めてきたが、言動を修正した形だ。

習指導部は抗議再燃を警戒し、11月に打ち出した緩和策の実行を強調している。医療体制の弱さがネックで、陽性者の徹底した洗い出しと強制隔離という対策の柱は続けている。ただ習氏の権威に直結するゼロコロナは否定できず、微調整を重ねて「出口戦略」を描くのは難航しそうだ。

人口14億で感染爆発が起きれば多くの死者が出るとして、政府はゼロコロナにこだわってきた。高齢者のワクチン接種率の低さも緩和実施の課題の一つとなっており、当局は11月29日の記者会見で、接種率の向上に本腰を入れると表明した。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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11月27日の中国の新型コロナウイルス新規感染者数は4万人を突破し、5日連続で過去最多を更新した。「ゼロコロナ」政策は感染力が強いオミクロン株の「封じ込め」には失敗していると言わざるを得ない。もっとも、同日の日本の新規感染者数は9万7679人。中国の方が人口が圧倒的に多いことも考慮すると、新規感染者数を低い水準にとどめていると言うことはできる。冬の到来でこの先感染者数が増えやすい上に、中国の医療体制は日米欧に比べ脆弱とも指摘されており、しばらくは「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和できる時間帯ではないという側面もある。この政策が抜本的に見直されるとすれば23年春以降だというのが一般的な見方だろう。
2022年12月2日 8:29

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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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このニュースの映像をみて、旧態依然の管理体制だなと思った。オミクロン株の毒性が弱くなっていることを理由にゼロコロナ政策を緩和することを示唆といわれている。オミクロンに変わってもう1年経とうとしている。政策のスピード感はあまりにも無さすぎ。それでも転換しないほうが、転換したほうがいい。1日も早くゼロコロナ政策を転換してほしい
2022年12月2日 9:25

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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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①仮に中国がゼロコロナ政策を解除すると、何が起きるのか。中国内外の専門家が2022年5月10日、英医学誌『ネイチャー・メディシン(電子版)』に試算を発表しています。
②それによると、解除後6カ月で有症者は1億1220万人、集中治療室(ICU)入院の重症者は270万人、死亡者は160万人に達する見通しです。米国のコロナによる死亡者は100万人あまりなので、半年でそれを上回る死亡者が出る勘定です。
③本質的問題は中国製ワクチンの有効性の低さにあります。だから習近平体制はゼロコロナ政策にこだわってきたはずです。今回のコロナ規制緩和で、重症者や死亡者が増えるようだと、どう対処するつもりでしょうか。
2022年12月2日 6:49

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