欧州委員会の委員長がウクライナの将兵10万人以上が戦死したと発言、すぐに削除

欧州委員会の委員長がウクライナの将兵10万人以上が戦死したと発言、すぐに削除 | 《櫻井ジャーナル》 – 楽天ブログ
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『欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は11月30日、演説の中でウクライナの将兵10万人以上が戦死したと語った。9月後半にロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣はウクライナ兵の戦死者数はロシア兵の10倍にあたる6万1000人以上だと語っている。すでにウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー政権は45歳以上の男性を戦場へ投入しているともいう。

 ライエンの推計は間違っていないだろうが、彼女の発言はすぐに削除された。アメリカのジョー・バイデン政権の逆鱗に触れたと少なからぬ人は考えている。

 そのアメリカでは統合参謀本部のマーク・ミリー議長は11月9日、ウクライナ軍がロシア軍に勝利することはないかもしれないとニューヨークの経済クラブで発言、冬が本格化する前にロシアとの交渉を始めるべきだと主張している。その際、10万人のロシア兵が「死傷」したとも語っていた。ミリー議長の発言は対ロシア戦争を推進してきた好戦派、例えばジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官を怒らせたようだが、ライエンに対してはより強く叱責した可能性がある。

 アメリカは自分たちが行った、あるいは行っている悪行を敵が行っていると宣伝するのが常套手段だが、「10万」という数字もウクライナの軍人の戦死者数から持ってきたのかもしれない。

 しかし、サリバンなどネオコンが怒っても事態は変わらない。現在、ロシア軍はウクライナの東部から南部にかけて広がるステップ(大草原)が凍結するのを待っている。戦闘車両の走行が容易になるからで、そこから新たな軍事作戦が始まると見られている。その前に話し合いを始める方が良いとミリー議長は主張しているのだ。

 今年5月に​ヘンリー・キッシンジャーはスイスのダボスで開かれたWEF(世界経済フォーラム)の年次総会でロシアとウクライナとの特別な関係を指摘、平和を実現するためにドンバスやクリミアを割譲して戦争を終結させるべきだと語っている​が、これもウクライナ軍がロシア軍に太刀打ちできないことを理解しているからだろう。それでも戦闘を続けようとすればアメリカ/NATO軍が前面に出てくるしかないが、そうなると全面核戦争になる可能性がある。

 新たな軍事作戦の前にロシア軍はミサイルでウクライナの配電施設など戦闘に必要なインフラを破壊している。すでにエネルギーの供給能力が半分に低下し、暖房だけでなく上下水道も機能しなくなった。キエフでは水道の80%が止まっていると言われている。

 ステップが凍結した後に始める軍事作戦でロシア軍はロシア領を攻撃できなくなる場所までウクライナ軍を押していくと言われている。南部ではドニエプル川を渡って100キロメートル以上は進み、北部ではドニエプル川までを制圧すると見られている。その上でドンバスとキエフ体制が支配する地域との間に非武装地帯を設置するというわけだ。キエフ体制が攻撃兵器を持つことやネオ・ナチの存在を許さないだろうと言われている。

 ネオコンは「新たな真珠湾攻撃」を目論むかもしれないが、西側の動きを見ていると、キッシンジャーやそのパトロンたちの力が強まっているように感じられる。』