トルコ、中央アジアで存在感 ロシアの影響力低下にらみ

トルコ、中央アジアで存在感 ロシアの影響力低下にらみ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2403Q0U2A121C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】トルコが言語・文化の近い中央アジア地域で存在感を高めている。同国が主導する「チュルク諸国機構」は地域機構として初めて11月中旬に開いたウズベキスタンでの首脳会議で、加盟国の共同事業の原資とする基金の設置や、貿易拡大に向けた手続きの簡素化などで合意した。

トルコを除く加盟4カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、アゼルバイジャン)はいずれも旧ソ連の一部だったが、ウクライナ侵攻後にロシアの影響力が低下している。

首脳会議で設立を決めた基金は「初の主要な共同金融機関」と定義された。規模は明らかにされていないが、物流網などの分野で主に中小企業を支援する。トルコのエルドアン大統領は域内の不法移民や難民対策を念頭に「共通の安全保障の概念づくりを目指したい」と述べ、機構の機能強化に意欲を示した。

首脳会議では、トルコだけが国家承認する「北キプロス・トルコ共和国」にオブザーバー資格を与えると決めた。

中央アジアにはソ連崩壊後もロシアが経済、軍事の両面で協力してきた。石油や天然ガスといった資源に恵まれ、食料生産も盛んなカザフのような国もある。だが、2月にウクライナ侵攻を始めたロシアはこの地域への対応がおろそかになった。

「力の空白」を埋めるように、広域経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国が進出を強める。トルコもこの地域で利益を得ようとする。

チュルク諸国機構はかつて「チュルク評議会」という名称の緩やかな協力枠組みだったが、2021年の首脳会議で地域機構として再出発すると決めた。』