台湾地方統一選挙、野党「国民党」が各地で勝利

台湾地方統一選挙、野党「国民党」が各地で勝利

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)11月27日(日曜日)
       通巻第7536号  
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 台湾地方統一選挙、野党「国民党」が各地で勝利
  与党(民進党)、台南、高雄、屏東、澎湖で勝利、基隆は惜敗
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(速報)
 11月26日に投開票の台湾地方統一選挙、野党「国民党」が各地で勝利する一方、与党(民進党)は台南、高雄、屏東、澎湖で議席を守ったが、基隆は惜敗だった。
 接戦を伝えられた台北市は蒋介石の四代目にあたる蒋万安が当選し、漁夫の利を得た。国民党は台北と新台北市に強く、しかも台北市は与党側の分裂選挙となった。

 結果を受けて、蔡英文総統は民進党の党首を辞任した。なお嘉義市は候補者死亡のため、12月8日に投票は持ち越されたが、おそらく民進党候補が市長のポストを得そうだ。
国民党は朱立倫・党首が優位な立場にたち、2024年総統候補に立候補する意欲を見せた。民進党は次期統選に、現在の党内事情からすれば?清徳(副総統、前首相)が選ばれる趨勢にある。

      ☆□☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□  

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)11月28日(月曜日)
        通巻第7537号  
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 蒋万安(台北市長に当選)は蒋介石のひ孫ではあるが。
一つの中国に反対、同性婚には反対せず、教養はアメリカ的
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 台北市長の得票率をみると蒋万安が『漁夫の利』だったことが明瞭となる。
 蒋万安  42・3% (国民党)
 陳時中  31・9  (民進党)
 黄珊珊  25・1  (民衆党)

 つまり二位と三位を足せば、57%だから、候補者が絞られていたと仮定すれば、蒋万安の当選は可能ではなかった。2000年総統選で国民党が分裂したため、陳水篇が漁夫の利を得た。あのときのネガフィルムである。

 もともと台北市は国民党が強く蔡英文も一度挑んだが、国民党の基礎票田を覆せなかった。今回の選挙結果では蔡英文のレイムダッカ化が進むことになる。
 
 さて蒋介石のひ孫にあたる蒋万安とはいかなる人物か。

かれは国立政治大學からペンシルバニア大学へ留学して博士号、その後、シリコンバレーへ移住して弁護士事務所で活躍した。台湾へ帰国後、立法委員(国会議員)に立候補し二期連続当選を果たした。

 一つの中国に反対、同性婚には反対せず、教養はアメリカ的で、率直に言って蔡英文の考えと変わらないのである。

 蒋介石の系図をみると、蒋万安は嫡流ではない。蒋介石は三人の妻とひとりの側室がいた。最初の妻・毛福梅との間に生まれたのが蒋経国である。

蒋介石がもっとも愛したのは陳潔如(二番目の正妻)だが、宋美齢と結婚するために「アメリカへ五年行ってくれ」と懇願し、手続き的に離婚し、宋美齢とは仮面夫婦を演じた。
 さて最初の妻との間に生まれた蒋経国は、成長しソ連へ留学、その地で巡り会ったロシア美人(中国名を蒋方良と名乗った)。

経国と方良の間には四男があるが、三人は早世した。

 戦線が拡大し戦地を移動中、蒋経国は秘書の章亜若を熱愛し、生まれたのが章考慈と章考厳である。正式の結婚ではないので、章姓を名乗ったが、蒋介石が台湾へ移動し、かなりの歳月を経てから、章考厳が蒋介石家の跡取りとして「章」から「蒋」に姓を復元させた。

 その蒋考厳は外相、副首相、国会議員三期をつとめたベテラン政治家で国民党名誉主席を兼ねた。その蒋考厳と結婚した黄美倫との間に生まれたのが蒋万安である。

 蒋万安はセレブ、長身のイケメンだが修羅場を経験していない弱さ、戦闘力の欠如をこれから如何に補うか? 将来の台湾総統候補であるとすれば、これからの政治力量が問われる。

 2024年の総統選は国民党が朱立倫(党主席)、民進党は?清徳(副総統)での一騎打ちとなる可能性が高い。

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