中東初のサッカーワールドカップ開催国 カタールってどんな国?

中東初のサッカーワールドカップ開催国 カタールってどんな国?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2022/11/18/27238.html

 ※『カタール政府は、ワールドカップにむけて8つのスタジアムを整備しました。

いずれも特徴的な外観で、北部アルホールに建設されたアルバイトスタジアムを除いては、首都ドーハとその郊外に位置していて、地下鉄やバスで結ばれています。』…。

 ※ スゲーな…。「8つ」も「整備」したんだ(8つ中、7つが新設という話し)…。どんだけ「金(かね)」があるんだ…。

『11月20日に開幕する、サッカーのワールドカップ。日本を含む32チームが世界一をかけて競い合います。今回の開催国はカタールです。

カタールと言えば、日本サッカー界で今も語り継がれる「ドーハの悲劇」の舞台となった地です。

過去の開催国の中ではもっとも国土が小さく、宿泊施設や交通渋滞など課題が指摘されてきたカタール政府は、国をあげた準備を進め、不安の払拭につとめてきました。

大会は成功裏に開催できるのでしょうか。

(ドバイ支局長 山尾和宏)
今なお語られる「ドーハの悲劇」
終了間際の失点で悲願の初出場を逃した“オフト・ジャパン”

今回のワールドカップの開催国カタールと言えば、日本サッカーにとって特別な国です。

1993年10月28日、日本のワールドカップ初出場がかかったアジア最終予選で、日本は、首都ドーハの競技場で強豪イラクと対戦。2対1でリードし、勝てば悲願の初出場が決まるはずでした。

しかし、試合終了間際、同点に追いつかれ、日本サッカー界の夢は打ち砕かれました。

この出来事は、「ドーハの悲劇」として今も語られています。
そもそもカタールってどんな国?
首都ドーハの高層ビル群

そんな因縁の地カタールは、産油国が集中する中東ペルシャ湾に面した国です。

日本からだと、成田空港から首都ドーハの国際空港まで直行便でおよそ13時間かかります。

ドーハ中心部には、ビル1面に設置されたワールドカップの大きな広告がいくつも並んでいます。

公園や街路樹などの整備もあちらこちらで進められ、大会ののぼりなども設置。まさに市内はワールドカップ一色です。

ワールドカップのために整備されたスタジアムの周りには、マンションやオフィスビルなどが次々建設され、国際的な大会をきっかけに、都市開発が急速に進められています。

そのカタールの国土は、秋田県とほぼ同じ広さで、1930年に始まったワールドカップの開催国としては、もっとも小さい国となります。
外国人労働者が支える社会

カタールの最大の特徴は、人口に占める国民の割合の少なさです。正確なデータは明らかにされていませんが、人口およそ290万人のうち、国民は1割程度と言われています。

高級ブティックやショッピングモールが建ち並ぶ市内中心部では、白い民族衣装を身にまとったカタール人の男性グループがカフェで会話を楽しむ姿を見かけます。

一方、店で働いているのは全員が外国人で、インドやパキスタン、フィリピン、ネパールなどアジア出身の出稼ぎ労働者の姿が目立ちます。
道路拡張工事で働く外国人労働者

ドーハ郊外には、労働者が集団生活するためのアパートが建ち並び、ベランダには作業服がたくさん干され、歯ブラシや古着などの路上販売がにぎわっています。

カタールでは、労働力のほとんどを外国人労働者が支える構図となっているのです。
豊富な天然ガスが莫大な富を
天然ガスのプラント

こうした社会構造を支えるのは、豊富な天然ガスです。

カタールの沖合には、世界最大級のノースフィールドガス田があり、ここから産出される天然ガスをLNG=液化天然ガスに加工し、日本など世界中に輸出。人口のわずか1割を占める国民に、ばく大な富をもたらしています。

天然ガスによる資金力は、近年、スポーツ振興にも向けられています。
2019年のアジアカップ決勝

選手の強化をはかり、2019年のアジアカップ決勝では、日本を破って、初優勝を果たしました。

また、政府系のカタール航空がヨーロッパの強豪クラブのスポンサーとなり、ドーハに本社を置くスポーツ専門チャンネルが国際試合の放送権を獲得するなど、資金力を背景にサッカー界における影響力を増しています。
大会開幕までのカウントダウン時計

今回のワールドカップも王族が招致の責任者を務め、強い権限や経済力を駆使して、招致を成功に導きました。
ワールドカップのスタジアムは

カタール政府は、ワールドカップにむけて8つのスタジアムを整備しました。

いずれも特徴的な外観で、北部アルホールに建設されたアルバイトスタジアムを除いては、首都ドーハとその郊外に位置していて、地下鉄やバスで結ばれています。
アルバイトスタジアム

カタール北部に建設されたアルバイトスタジアムでは、大会初日となる今月20日、主催国カタールとエクアドルの開幕戦が行われます。

27日には、1次リーグで日本と同じグループの強豪チーム、スペインとドイツが対戦します。
ハリファ国際スタジアム

ドーハ市内にある、ハリファ国際スタジアムでは1次リーグで、日本がドイツ、スペインとそれぞれ対戦します。
アハマド・ビン・アリスタジアム

ドーハ郊外にあるアハマド・ビン・アリスタジアムでは、27日に日本がコスタリカと対戦します。
ルサイルスタジアム

そして、首都ドーハ郊外に新たに建設されたルサイルスタジアムは、最大8万人を収容できる国内最大のスタジアムで、12月18日に決勝戦が行われます。

ことし9月、8つのスタジアム内部を取材しました。
VVIPの観戦席

スタジアムで共通していたのは、VIP席のさらに上にあたる「VVIP」と呼ばれる特別な場所です。

VVIPの観戦席は国旗と同じような色に、国のエンブレムがついた特注品の豪華な椅子で、ソファーやバーカウンターなどが備えられた専用の待合室も整備されています。
VVIPの招待客のための専用待合室

選ばれた特別な招待客たちだけが立ち入りを認められます。

カタールで政治の実権を握る、タミム首長専用の部屋も用意され、タミム首長が特別な客と観戦しながら会談できる構造になっています。
アルジャヌーブスタジアムの首長(アミール)の部屋

カタール政府としては世界が注目する国際大会を機会に、各国の政府要人などをもてなして、外交の場に利用したい狙いもあるものとみられます。
大会の懸念 感染対策は大丈夫?

今大会の開催にあたっては、世界からさまざまな懸念が示されてきました。

そのひとつは、混雑による新型コロナウイルスの感染拡大です。

そこで、カタール政府は、入国制限を行う方針です。

カタールは通常、日本人がビジネスや観光で入国する場合、事前にビザを取得する必要はありませんが、11月1日から12月22日まで観戦チケットがないと、入国できなくなります。

そして、入国には観戦チケットを購入した上で、カタール政府が設けたインターネットの専用サイトから宿泊施設を予約し、事前にカタール政府の承認を得る必要があるのです。

入国時の新型コロナウイルスの陰性証明は必要なくなり、入国後もマスクの着用は義務づけられていません。

しかし、ワクチンの接種歴や検査結果と連動したスマートフォンの専用アプリをダウンロードしなくてはなりません。

10月下旬以降は、これまでのように、商業施設やホテルなどの入り口で、警備員にアプリを見せる必要はなくなりましたが、医療機関に立ち入る場合は提示が求められるということです。
大会の懸念 宿泊施設は足りるの?

もう1つの大きな懸念が、宿泊施設の不足です。

カタールは、観光立国のUAE=アラブ首長国連邦やエジプトなどと比べて、そもそもホテルの数が大幅に少ないのが現状です。

そんな中、カタール政府は、国民の半数近くにあたる、のべ120万人以上の観客動員を目指しているのです。

誘致が決まった当初から、観客を受け入れる宿泊施設が不足するのではないかと危惧されてきました。

そこで、宿泊施設を確保するため、カタール政府は、さまざまな手を打っています。
ドーハ市内の「キャラバン・シティ」

その1つが「ファンビレッジ」と呼ばれる、仮設の宿泊施設で、スタジアムに比較的近い8か所の空き地に建設されています。

このうち、ドーハ市内の広大な空き地に設けられた「キャラバン・シティ」を訪れてみると、現地には、数百台のトレーラーハウスが整然と並べられていました。

観客専用の予約サイトによりますと、宿泊施設は1室あたり1泊407カタールリヤル=日本円でおよそ1万6000円からです。

トレーラーハウスの内部にはベッドやテレビなどが備えられ、敷地内ではレストランや売店なども営業するとしています。
アパートをホテルとして利用(ドーハ市内)

さらに、ワールドカップにむけて、たくさんのアパートも建設され、臨時のホテルとして利用されます。

このうち、観客用のホテルとして利用される、ドーハ市内の住宅地に建設されたアパートを訪れました。

アパートの入り口には専用の受付が設けられ、大会期間中は、管理会社のスタッフが24時間体制で対応にあたるとしています。

このアパートでは、50部屋すべてが観客用のホテルとして使われるということです。

それぞれの部屋には冷蔵庫や電子レンジなどを備えたキッチンのほか、洗濯機も備え付けで用意されています。

フォークやスプーンなどやバスタオルなども完備され、アパートの管理会社では長く滞在する観客向けにすすめたいと話していました。

このアパートは、ワールドカップが閉幕したあとは、家具や家電付きの賃貸住宅として一般に貸し出されるということです。

さらに、宿泊施設の不足を補おうと、ワールドカップの期間中は、クルーズ船を外国から寄港させ、ホテルとして利用する計画です。
中東初の開催 大会は成功するのか?

ドーハ市内にあるカフェで話を聞くと、カタール人たちは、大会に向けた準備に自信を示していました。「客人をもてなす」という伝統があり、外国からの観客に楽しんでもらいたいと、意気込んでいました。

史上もっとも小さい国で行われるワールドカップにむけて、国家をあげて準備を進めてきたカタール。

いよいよ本番を迎え、壮大な準備の成果が問われることになります。

(NHKのFIFA ワールドカップ カタール 2022 特設サイトはこちらから)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/fifa_worldcup/ 』