ロシアの核使用はあるか イアン・ブレマー氏

ロシアの核使用はあるか イアン・ブレマー氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1726T0X11C22A1000000/

 ※ やはり、「クリミア」の帰趨がカギとなるか…。

 ※ 領土問題に、スッキリとした「解決」というものは、無い…。

 ※ 一旦、「棚上げ」にして、とりあえず「戦闘行為」「攻撃」は止めて、「鉾をおさめる」辺りが落としどころか…。

 ※ 一方的に併合した、4州はどうするか…。

 ※ こっちの方も、難しい…。

 ※ ロシア占領地域の「帰趨」を棚上げしたところで、電力供給、水供給、交通サービスの供給(提供)を、全く「切り離す」ということが、困難だろうからだ…。

 ※ そういう「住民のライフライン」を、ロシアは「提供すること」ができるのか…。

 ※ 結局は、ウクライナ側の「設備・施設」に、ある程度は頼らざるを得ないだろう…。

 ※ それなのに、ミサイル攻撃とかで、せっせと「インフラ破壊」してるんだから、ヤレヤレだ…。

 ※ そういう「戦後処理」「占領後の処理」とか、全く「考えないで」「何らの対策が無い」のに、闇雲に「侵攻」「破壊」するから、困るよ…。

 ※ まあ、そうしたところで、「問題先送り」なだけで、「抜本的な解決」じゃ無いから、いずれまた、「再燃する」だろうがな…。

 ※ 「核使用」だけは、止めてもらいたい…。

『ロシアはウクライナで核の使用に踏み切るのか――。西側の情報当局が絶えず目を光らせ、西側の首脳が慎重に検討を重ねている問題だ。ロシアのプーチン大統領はその権利を留保していると警告している。威嚇に思えるとしても核戦争の脅威は1962年のキューバ危機以降、最も高い。

 Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。53歳。ツイッター@ianbremmer、フェイスブックhttps://www.facebook.com/ianbremmer/

プーチン氏に紛争で勝つ策はほとんどない。侵攻当初の数週間で制圧した地域の一部は維持できるかもしれないが、新たな領土を奪う力はなさそうだ。ロシアは「プーチンの戦争」に勝てず、優勢なウクライナに妥協の理由はない。

それでもプーチン氏の発言は「覇権主義的な」目的を維持しているのがうかがえる。米国はロシアの力をそぐためにウクライナを利用し、ロシアを救うにはウクライナ全土を制圧して「大ロシア」に再統合するしかないと主張している。表立って妥協を探る動きはなく、だれも妥協を申し出ていない。しかもロシアのメディアは政府や軍の高官の意見を含め、核の脅威を増幅する主張で満ちている。

だが、状況は思い通りに運んでいない。プーチン氏は軍の崩壊を防ぐために30万人の予備役の招集を命じざるを得なくなった。徴兵を回避しようと若者などの出国が相次いでいる。つまり、プーチン氏は窮地に追い込まれている。

ウクライナへの核兵器の使用は窮地を脱する手段をもたらすのか。プーチン氏はこれまで「空脅し」を連発してきた。フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟する考えを初めて明らかにすると、ロシア政府高官は何らかの悲惨な結果を招くと警告した。フィンランドとスウェーデンは加盟を申請したが、ロシアはほとんど何もしなかった。有効な策がなかったのだろう。

また、プーチン氏はウクライナ4州を一方的に併合すると宣言した。4州がロシアの一部になったと主張することで、この地域での戦闘がロシア軍の強硬な対応を招くと強調した。さらに黒海艦隊の基地がドローン(無人機)による攻撃を受けると、ウクライナ産穀物を輸出する合意への参加停止を表明した。しかし、貨物船の航行は続き、プーチン氏は他の国に向かう貨物船を攻撃しても無益だと気付いて方針を再び転換した。

こうした敗北やはったりの無視、屈辱がどの時点に達すれば、プーチン氏は〝考えられないことを考える〟ようになるのだろうか。真の「レッドライン(越えてはならない一線)」は、ロシアが2014年に併合したクリミアの境界だろう。もしくは、ウクライナがヘルソンを奪還したときが試金石になる。ウクライナがヘルソン州を支配下に置けば、クリミアへの水の供給を制限できるからだ。

ウクライナが放射性物質を含む「汚い爆弾」を使う恐れをロシアは主張する。西側諸国はこの主張が虚偽だと見透かしているが、ロシアは自らがこうした兵器を使った場合に国際世論に反論できるようにするためだとの懸念もある。

さらなる疑問は、ロシアが汚い爆弾や戦術核の使用に踏み切った場合に西側がどう対応するかだ。政界のリーダーは口にしないが、軍事専門家は米国が核兵器で対応したり、ロシア国内を攻撃したりすることはないとみている。ウクライナ国内にあるロシアの拠点を攻撃し、黒海艦隊の基地に打撃を与えるか壊滅させ、速やかに戦争を終結させるだろうと指摘する。

この実に悲惨なシナリオでは、世界は未知の領域に足を踏み入れることになる。事態は1962年の危機よりもずっと深刻だ。

ウクライナは数週間後には冬に入る。両国軍の動きは緩慢になり、戦闘はおおむね凍結するだろう。だが、これは核のリスクについての慎重な検討を先延ばしするだけにすぎない。しばらくの間、このリスクと共存することになる。

重み増す米国の仲介

ロシア軍に核兵器使用の選択肢は現状ないはずだ。それでもプーチン大統領が使用をほのめかすのは、戦況が追い詰められている表れといえる。大統領のあたまの中は分からないが、はったりだけではない危うさが漂う。

プーチン氏は負けを認めるわけにはいかない。認めれば「強いロシア」という自らが築き上げたはずの国家像が崩壊するだけでなく、自らの政治生命が絶たれる可能性が高いからだ。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領も領土奪還を訴え、譲歩する姿勢は見せない。

もはや両国だけで和平を模索するのは無理だ。核戦争までエスカレートするのを防ぐには、第三者が仲介役となる必要がある。

その重要なカギを握るのは米国だ。ウクライナは米国の支援なしで戦い続けるのは不可能で、同国の意向には従わざるを得ない。

一方で米国はロシアの力による現状変更を認めるわけにもいかない。落としどころをどこに置くかが最大の難題だが、米ロが高官を通じて対話のチャネルを維持していることが明らかになったのは朗報といえる。(編集委員 坂井光)』