日中首脳会談、専門家はこう見る

日中首脳会談、専門家はこう見る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA161NA0W2A111C2000000/

『岸田文雄首相は17日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との日中首脳会談に臨んだ。台湾情勢などに懸念を示す一方で、対話による「安定的な関係」の構築を確かめた。外交・安全保障の専門家に日中関係の展望を聞いた。

「抑止のため防衛力強化を」 武居智久・元海上幕僚長

武居智久・元海上幕僚長

2027年といわれてきた台湾有事が早まる懸念があり、外交上のメッセージが重要な意味を持つ。湾岸戦争の際はイラクのフセイン大統領と侵攻前に会った駐イラク米大使の発言がフセイン氏に「米国が介入しない」と誤った印象を与えたとの指摘がある。

首相は沖縄県・尖閣諸島や台湾を巡る懸案について曖昧ではなく、今回のように明確に「今の活動は受け入れられない」と言い続ける必要がある。

習氏は日米の首脳と立て続けに会い、反応を探った側面がある。習氏にとって中国共産党大会で掲げた台湾統一はできなければ政治的な正統性に直結する。

相手の行動を抑止するには相手に脅威だと思わせる能力を持ち、その能力を使う意思があると信じさせなければならない。意思は伝えても、あわせて防衛力を強化しなければ抑止できない。

日中の装備品を比べるとアンバランスになっている。射程が長いミサイルを保有し、不均衡を改めるべきだ。米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入は現実的な手段になる。
「習政権、領土問題で妥協なく」 川島真・東大教授

川島真・東大教授

今回の日中首脳会談は新型コロナウイルス禍で交流が滞っていた関係正常化の動きを再び軌道に戻した。対面で首脳同士が話す機会は外交上の象徴的な意味がある。

中国のような権威主義体制の国では、指導者に入る情報が偏っている可能性がある。直接主張を展開し合うだけでも意思疎通の観点から意義がある。

中国は「大国」との関係の安定を重視する。経済を目的に会談したと指摘する声があるものの、海外投資を呼び込んでいたときほど西側諸国に経済的に頼ってはいない。

周辺の国々からすれば中国は軍事的な圧力をかけてくる膨張主義だ。一方で中国国内では「米国を中心に中国包囲網が敷かれ、東シナ海でも軍事的な緊張が高まっている」との見方が強い。

偶発的な衝突を避けるために日中ホットラインが準備されるのは、習氏が東シナ海で問題の管理に動いていると国内向けに訴える側面もある。

尖閣諸島周辺での中国公船の活発な動きは会談前後で変化はない。習政権が「核心的利益」の一部と捉える領土問題で妥協することは今後もないだろう。』

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