台湾、軍用ドローンの自主開発を強化 最新鋭機を初公開

台湾、軍用ドローンの自主開発を強化 最新鋭機を初公開
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM147OL0U2A111C2000000/

『【台中=龍元秀明】台湾の国防部(国防省)は15日、開発中の大型軍事用ドローン(無人機)を一部メディアに初めて公開した。台湾への軍事圧力を強める中国がドローンの開発・配備を進めている。台湾は中国への対抗を念頭に、蔡英文(ツァイ・インウェン)政権が進める自主開発の進展をアピールした。

公開したのは、空軍向けに開発中の大型ドローン。半径最大約1100キロメートルの範囲で操縦でき、20時間の滞空が可能で、長距離の偵察や電子情報の収集といった任務を想定している。2023年中に機体の評価作業を終えた後、量産に移る見通しだ。

国防部はさらに、陸軍向けに量産段階に入った小型ドローンの飛行訓練もあわせて公開した。操縦範囲は半径最大約30キロ、滞空時間は1時間で、市街地や沿岸の監視に用いる。

ドローンは戦闘機などに比べ低コストで、危険な任務に対応できる利点があり、相手とは異なる戦い方で優位に立つ「非対称戦」の鍵となる。ロシアのウクライナ侵攻でも双方が活用し、改めて注目が高まっている。

台湾がドローン開発を急ぐのは、軍事圧力を強める中国への対抗が念頭にある。中国は8~13日、広東省珠海市で開いた中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)で最新鋭のドローンを多数展示した。

8月初旬のペロシ米下院議長の訪台以降、中国軍は戦闘機に加え、ドローンも用いて台湾海峡の事実上の停戦ライン「中間線」越えを続けている。将来の軍事侵攻を見据えた訓練との見方もある。

台湾国防部のシンクタンク、国防安全研究院の蘇紫雲所長は「ドローンは非対称戦のツールとして重要で、自主開発にあたっては台湾に集積する電子産業を生かせる」と指摘する。

台湾は8月、自主開発に向けた産業基盤の強化を狙い、台湾南部・嘉義県で官民によるドローンの研究開発拠点も開設した。蔡氏は開設式典で「台湾の防衛力を高める上でドローン産業の育成が重要になる」と指摘した。国防部も同月に米国製の軍事用ドローン4機を総額約168億台湾ドル(約760億円)で購入すると発表。米国から導入する高性能のドローンと自主開発ドローンを組み合わせて配備を進める。』