トルコの爆発は「テロ」 北欧2カ国NATO加盟に逆風

トルコの爆発は「テロ」 北欧2カ国NATO加盟に逆風
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR146BL0U2A111C2000000/

 ※ なるほど…。そういう「要素」も、あるな…。

『【イスタンブール=木寺もも子】トルコ最大都市イスタンブールで13日に起こり、少なくとも6人が死亡した爆発で、同国政府は14日、隣国シリアなどで活動するクルド系武装勢力のテロだと断定した。複数の容疑者を拘束した。北大西洋条約機構(NATO)の一員のトルコは、テロリストの保護を理由にフィンランド、スウェーデンの新規加盟に難色を示しており、テロが新たな逆風になる可能性がある。

警察は14日、爆弾を置いて現場を離れたとみられる女のほか、関係する46人を拘束したと発表した。シリア国籍の女はトルコで非合法とされるクルド労働者党(PKK)の工作員で、シリア北部に拠点を持つPKK系勢力の指示を受けて犯行に及んだと自供したという。PKK系の軍事組織は14日、ウェブサイトで犯行を否定した。

トルコのソイル内相は事件後、対過激派組織「イスラム国」(IS)の戦いでシリアのクルド系武装勢力と協力する米国を強い言葉で非難した。米国が示したおくやみのメッセージに対して「犯行現場に(やじ馬に紛れて)戻ってきた殺人犯のようだ」と言い切った。

北欧2カ国が目指すNATOの早期加盟には逆風になりそうだ。トルコはPKK系の活動家らが資金集めの拠点として北欧を活用していると主張し、両国の加盟を認めていない。NATOに新規加盟するにはトルコを含む30カ国のメンバー全ての批准が必要になる。

トルコ大統領府のアルトゥン通信庁長官は14日、ツイッターを通じ「我が国に対するテロ攻撃は、テロ組織を直接・間接的に支援する国々が存在するため起きている」と非難した。「トルコの友情を期待したいのならば、いますぐにやめなければいけない」と述べた。北欧2カ国や加盟を後押しする米国を念頭に置いているのは明らかだ。

スウェーデン、フィンランドはトルコに対しPKKを支援しないと約束し、これまでのシリアへの越境軍事作戦を巡る制裁を解除した。だが、トルコがテロリストだと決めつける活動家らの引き渡しには同意していない。

トルコは2016年以降、クルド系武装勢力の掃討を目的にシリアへの越境軍事作戦を繰り返してきた。エルドアン大統領は21年秋にも新たな軍事作戦を実施する考えを表明したが、クルド系武装勢力を支援する米国や、シリアのアサド政権の後ろ盾であるロシアの反対で踏みとどまっている。

トルコでは15~17年を中心にISやPKKによるテロが頻発した。しかし、大きな都市では近年、治安が安定していた。13日に爆発が起こった場所はイスタンブール随一の繁華街だ。エルドアン政権が新たな越境軍事作戦を検討した場合、世論が後押しすることも考えられる。

クルド人はトルコのほかシリア、イラク、イランなどに居住する少数民族だ。トルコでは主に東部で暮らし、同国人口の2割を占めるといわれる。トルコ語とは異なるクルド語が母語で、かつては公の場所での使用を禁じられていた。

1980年代からは、分離・独立を求めるPKKと政府の激しい衝突が相次ぎ、死者は計4万人を超えたとされる。エルドアン氏は一時、PKKとの和平を探ったが、支持基盤の保守層の反発を受け、姿勢を強硬に転じた。』