国連総会、ロシアに賠償要求の決議採択 94カ国が賛成

国連総会、ロシアに賠償要求の決議採択 94カ国が賛成
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14CQ40U2A111C2000000/

『【ニューヨーク=吉田圭織】国連総会は14日、ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求する決議を採択した。日米英など94カ国が賛成し、インドや南アフリカなど73カ国が棄権した。反対はロシアや中国など14カ国だった。ロシアのウクライナ侵攻以来、国連総会での決議採択は5回目となる。

決議は、ロシアによるウクライナ侵攻が国連憲章や国際人道法に違反し、ウクライナに人的損害などを与えたため、賠償を含む法的責任を負うべきだと指摘した。さらに「賠償を管理する国際的な仕組み」が必要で、損害の記録を作成するよう推奨した。加盟国に対して損害の証拠探しを促し、協力するよう呼びかけた。

決議採択後にウクライナのキスリツァ国連大使は記者団に「ロシアには(ウクライナ侵攻をめぐり)損害賠償の責任があると国際社会が明示したことが重要だ」と述べた。

総会会合で英国のウッドワード国連大使は「ウクライナが国際法に従って正義を求めるための重要な第一歩だ」と述べた。オランダのブラント国連大使は「戦争の混乱や時間の経過で証拠が消えてしまう可能性がある」として損害記録を作成する重要性を強調した。国連総会の決議に法的拘束力はないが、国際社会の総意を示す。

一方、今回は棄権や無投票が目立った。インドのカンボジ国連大使は「決議の法的効力が不明確ななかで、十分に検証せずに国連と国際経済制度に影響を及ぼすような仕組みや前例をつくってはいけない」と棄権した理由を説明した。

棄権したブラジルのコスタ国連大使も「法的基準の面で不明瞭な点が多かった」と説明し、決議内容を議論する時間が不十分だったと指摘した。「新たな仕組みづくりを推奨することで、すでに実施されている国際刑事裁判所(ICC)などの取り組みを無視し、弱体化させる」とも指摘した。』