ロシアエリートの「プーチン離れ」 後継者は誰になるか

ロシアエリートの「プーチン離れ」 後継者は誰になるか
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/28487

 ※ いろいろ、「後継候補」の名前が上がっているようだ…。

 ※ まあ、しかし、あまり「新味」は無いな…。

 ※ 誰であっても、かまわない…。

 ※ なんとか、「核管理」「軍備管理」をうまいこと行ってほしい…。

 ※ あと、プーチン氏本人は、「穏やかに、枯れて行く」ことが、できるものなのか…。

 ※ 暴力的で、血生臭い修羅場は、あまり見たくは無いんだが…。

 ※ もう、嫌と言うほど、見聞きしたからな…。

 ※ ヘルソンの東岸へ後退後、メディアや公の場に登場していないことが、気にかかる…。

『Economist誌10月30日号が「ロシアのエリートがプーチンなき将来を考え始めている。プーチンの排除が少なくとも考えられている」との記事を掲載している。主要点は次の通り。
PeterHermesFurian / iStock / Getty Images Plus

・ロシアのエリート、官僚、実業家たちは、「次は何か。プーチン後の生活はあるのか。彼はどう立ち去るのか。そして誰が彼にとって変わるのか」といった疑問を抱いている。

・ウクライナ侵攻は、プーチンは全面戦争のリスクを冒さないと考えていたロシアの支配層にとってはショックであったが、当初の軍事的前進、ロシアの経済が崩壊しなかったこと、和平交渉への初期努力を見て、自らを落ち着かせようとしていた。

・エリートたちの考えはプーチンの「部分」動員で粉砕された。大勢の人の国外出国、広範な徴兵逃れは、この冒険を新しい「大祖国戦争」にするプーチンの試みが失敗したことを示す。

・プーチンはこの戦争に勝てない。なぜなら戦争当初から明確な目標がないからである。多くを失い、彼は深い屈辱をうけることなく、戦争を終わることはできない。

・9月までロシアのエリートはプーチンを支持するとの実利的選択をしてきたが、今や彼らは種々の敗北のシナリオの中で選択しなければならないところまで事態は進展した。

・軍事的敗北はそれを支持した者へのリスクを伴いながら、政権の崩壊につながるだろう。プーチンは安定の源泉と思われてきたが、不安定と危険の源と考えられるに至っている。

・政治アナリストのガリアモフによれば、次の数週間、数カ月で、エリートたちはシステム内でのプーチンの後継者探しを行うだろう。

・ガリアモフが挙げる後継者の候補は、ドミトリー・パトリシェフ(ニコライ・パトリシェフ安全保障会議書記の息子)、セルゲイ・キリエンコ(大統領府次官)、ソビヤニン(モスクワ市長)、ミシュスチン首相など。

・逆に、「もっと攻撃的なグループ」も既に姿を現し始めている。エヴゲニー・プリゴジンや(元刑法犯でプーチンのコックとして知られ、傭兵のワグナーグループを率いる)、ラムザン・カディロフ(チェチェンの強権指導者で私的な軍を持つ)である。二人はプーチンに個人的に忠誠である。プーチンはウクライナを破綻国家にしようと望んだが、代わりに彼はロシアを破綻国家にしかねない。

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 エコノミスト誌は相当な調査能力を持つ会社で、ロシアのエリートがプーチンとウクライナ戦争をどう見ているかという難しい問題にこの記事で取り組み、プーチン後継問題にも言及している。

 ここで描写されているロシア国内の状況はおそらく現実であると思われる。プーチン離れやプーチン批判がエリートの中で広がっていることは、ウクライナ戦争がうまく行っていない中、当然予想されることである。』

『最近、ショイグ国防相がプーチンに「30万人の動員は実現した。追加動員の計画はない」と報告した画像をロシア国営テレビは流したが、動員がロシア国内に与えたショックが如何に大きかったか、それへの反発をなくしたいとの政権側の意図は明確である。この戦争は、今やロシア国民の支持を得ておらず、ロシア軍の士気もよくなる見込みはない。
多くのオリガルヒは戦争に反対

 この戦争はプーチンが起こしたもので、彼の責任は重い。プーチンの統治への不満はこれからも高まっていくだろう。権威主義政権が権威をなくしてきていると考えても大きな間違いではない。国内のみならず、中央アジア諸国もロシア離れを起こしている。

 クセニア・ソプチャクがリトアニアに逮捕を避けるために逃げたことは特に大きな衝撃を与えた。プーチンが今の地位にいるのはクセニアの父、ソプチャク・レニングラード市長が彼を副市長にしたことが契機になっている。支配層の中で分裂が見られる。

 エリツィンの次女の夫で大富豪のデリパスカが、プーチンの戦争に起因する経済的損失が大きすぎると批判しているのが良い例だが、オリガルヒは大体戦争に反対である。

 引退後の後継者としてはニコライ・パトリシェフが最有力のようにも思われるが、上記の記事が言うように彼の息子、ドミトリー・パトリシェフが選好される可能性はある。考えてみれば、ニコライ・パトリシェフはプーチンより2歳年上であるから、後継者にはなりにくい面がある。

 ドミトリーは44歳で、農業大臣をしたほか、農業銀行の頭取をしたことがあり、経済がわかるとの利点がある。さらに自身も治安機関で働いたことがあり、父のコネもあるので、いわゆるシロビキ(治安関係者)に近い。有能とされている。

 「もっと攻撃的グループ」といわれるプリゴジンやカディロフがポスト・プーチンで力を得た場合には、とんでもないことになりかねない。われわれ自身が「プーチンはまだましだった」と懐かしむことにさえなりかねない。』