「ASEAN式握手」復活せず 東アジア首脳会議

「ASEAN式握手」復活せず 東アジア首脳会議
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『【プノンペン=井上航介】東アジア首脳会議など東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議が13日、閉幕した。3年ぶりの対面での首脳会議となったが、ある光景がみられなかった。首脳が両腕を交差させる独特な握手だ。

一体性や連帯を意味するこの握手は「ASEAN式握手」などと呼ばれ、壇上の各国首脳が横一列になり、ひとつにつながる。新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)前で会議がオンラインになる前は、ASEAN関連の会議の写真撮影でほぼ毎回行われてきた。

東アジア首脳会議では各国首脳がASEAN式握手をするのが恒例となっていた(2019年11月4日、バンコク)=ロイター

ASEAN関連の首脳会議ではこれまで、加盟国以外の首脳もこの方式で握手していた。2017年にマニラで開かれた会議に途中まで参加したトランプ米大統領(当時)は、握手の仕方がわからず困惑する様子がカメラに捉えられた。

トランプ前米大統領は在任中、独特な握手に戸惑った様子を見せた(2017年11月、マニラで開かれたASEAN関連首脳会議の開会式)=ロイター

新型コロナウイルスの流行で感染対策が必要になると、ASEAN式握手も一時とりやめとなっていた。今年8月にプノンペンで開いたASEAN外相会議では復活したが、11日に始まったASEAN首脳会議など一連の会議では首脳が並んで手を振っただけだった。

13日の東アジア首脳会議は各国首脳がステージに上がることなく始まった。冒頭で記念撮影すらしないのは異例だ。議長国カンボジアのフン・セン首相は記者会見で「最初から予定されていなかったからだ」と述べるにとどめ、詳細な説明を避けた。

米国とロシア、中国などの対立関係が影響しているとの臆測もある。仏メディアの記者は「米国などの西側諸国が(ロシアの)ラブロフ外相と並んで撮影されるのを嫌がったのでは」と推測する。

ASEAN加盟国では21年2月のクーデターで全権を掌握したミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官も招待されなかった。各国の関係が複雑さを増すなかで、友好的な雰囲気を演出するのは難しいとの判断が働いた可能性がある。

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