米中間選挙に世代交代の波 Z世代は民主、高齢者は共和

米中間選挙に世代交代の波 Z世代は民主、高齢者は共和
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0906G0Z01C22A1000000/

『【この記事のポイント】

・生まれた年代で支持政党が異なる「分断」浮き彫りに
・気候変動や銃規制巡り若者は民主支持、高齢者は共和
・有権者の世代交代、アメリカの政治勢力図に影響も

【ワシントン=飛田臨太郎】8日投開票の米中間選挙は、生まれた年代によって支持政党が異なる米国社会の「分断」が浮き彫りになった。気候変動対策や銃規制を巡り若者が民主を支持する一方、高齢者は共和に傾く。有権者の世代交代は米国の政治勢力図に変化をもたらす可能性を秘める。

AP通信の出口調査によると、民主に投票した人は18~29歳が53%で共和より13ポイント多かった。30~44歳も52%と共和を9ポイント上回った。逆に45~64歳は共和が54%と民主に11ポイント差をつけた。65歳以上も共和が民主を大きく上回る。

民主を支持したのは「ミレニアル世代」(26~41歳)や有権者の年齢に達した「Z世代」だ。気候変動対策や銃規制の強化などリベラルな政策を好む。南部フロリダ州でZ世代初めての下院議員として当選確実となった25歳のマックスウェル・フロスト氏はツイッターで「Z世代の歴史をつくった」と喜んだ。

トランプ前大統領を含む共和は保守的な価値観で「ベビーブーマー世代」(58~76歳)など高齢者の支持をつかんでいる。世代間の分断は今回の中間選挙で大勢判明まで時間がかかる接戦を演出した。

女性が民主候補に入れた割合は50%と共和を4ポイント上回った。2020年の大統領選挙と18年の前回中間選挙では10ポイント以上の差があったが、今回は縮まった。

バイデン大統領は人工妊娠中絶の権利擁護を訴え、女性支持層の拡大を狙ったが、高インフレが最大の争点となり女性票を思うように取り込めなかったとみられる。

これから加速する有権者の世代交代は米政治の勢力図を塗り替える力を持つ。21年時点ではベビーブーマー世代がおよそ7000万人程度。ミレニアル世代は既に上回っている。共和支持が多いベビーブーマー世代は30年代にかけて存在感が薄くなる。

人種別では白人の共和支持が改めて鮮明になった。共和支持が57%、民主が39%と18ポイントの開きがでた。黒人は8割、中南米系の6割弱が民主に票を入れた。移民の流入が進み、人種の多様性が大きい若年層で民主の支持者が多い理由だ。

世代交代が民主に有利に働く保証はない。キーストーン大学のジェフ・ブラウアー教授は「Z世代は社会問題でリベラルを志向する一方、経済政策は保守的だ。その時々の重要な課題に応じて政党支持を変えるだろう」と解説する。投票率の低い若年層の政治参加がどこまで進むかも見通せない。

共和が挽回する余地はある。出口調査によると民主でも共和でもない「その他」の候補者に投票した24歳以下の割合は8%だった。20年の大統領選から4倍に増えた。25~29歳でも5%いる。共和にとって若年層をつかむ政策を打ち出せるかがカギとなる。

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米中間選挙2022 https://www.nikkei.com/special/us-election?n_cid=DSREA_2022usmidterm 』