プーチン氏、動員兵の損失に焦り 1個大隊500人全滅か

プーチン氏、動員兵の損失に焦り 1個大隊500人全滅か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR0874U0Y2A101C2000000/

『ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍で、この秋に招集したばかりの動員兵の損失が拡大している。ウクライナ東部では動員兵の1個大隊の500人以上がほぼ全滅したと報じられた。ロシア国防省は8日、動員兵の待遇改善策を発表した。同国のプーチン大統領は近く、動員兵の問題を市民と直接協議すると発言した。焦りを隠せなくなっている。

ロシア国防省は8日、10月末までに招集を終えた約30万人の動員兵について、月額の最低給与19万5000ルーブル(約47万円)に対し、任務内容により上乗せすると説明した。支払時期や所得税の免除措置なども明示した。一部で給与の遅延があったといわれている。

プーチン氏は7日、西部トベリ州知事との協議で、動員兵にもっと配慮する必要があるとの見方を示した。そのうえで「私も人々と会って、この問題を話し合う」と表明した。動員兵の家族らと会い、装備、訓練、待遇の問題を話し合う見通しだ。

動員兵に気を使う背景には、死者の急増を伝える報道で兵士や家族に不満や動揺が広がっている現状がある。動員兵が明確な命令や作戦の意味を伝えられず、装備や訓練が足りないまま戦場で死亡しているとの批判は少なくない。

一部の独立系メディアは5日、東部ルガンスク州の前線で動員兵による1個大隊500人以上の大半が死亡した可能性があると伝えた。

生き残った兵士の証言では、急きょ前線に送られ、塹壕(ざんごう)を掘るよう命じられた。わずかなスコップしか与えられず、多くは手で掘った。その際にウクライナ軍の激しい攻撃を受けた。司令官は逃げたという。

この報道をロシア国防省は7日、「扇動的」などと否定した。だが、ウクライナ東部の別の前線では、親ロシア派の軍幹部が、多くのロシア兵が「友軍の攻撃」で死亡していると語ったと伝えられた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日夜のビデオ演説で「(東部)ドネツク州ではロシア兵が毎日、何百人も死んでいる」と指摘した。ロシア軍の士気を下げる狙いだ。』