[FT・Lex]ポーランド国債利回り急騰、経済不安を反映

[FT・Lex]ポーランド国債利回り急騰、経済不安を反映
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『ポーランドの長期国債の利回りは直近のピークから低下したものの、投資家の不安は依然大きい。同国の経済政策への懸念と欧州連合(EU)との軋轢(あつれき)によって、この不安感は当面続く見通しだ。

ポーランド国立銀行(中央銀行)は10月、政策金利6.75%で引き締めサイクルに終止符を打ったが、この水準はインフレ率をはるかに下回る=ロイター

同国の財政はドル高で弱体化し、すでに危険水域にある政情不安をさらに悪化させる恐れがある。こうした状況はポーランドだけではない。

ポーランド10年物国債の利回りは10月下旬に9%を上回り、現在も約8.4%と20年ぶりの水準にある。利回りは今年に入ってから2倍以上になったが、特にこの3カ月間で大きく上昇した。

投資家にはいくつもの懸念がある。まず中央銀行が10月、政策金利6.75%で引き締めサイクルに終止符を打ったが、この水準はインフレ率をはるかに下回る。9月までの1年で消費者物価は17%強上昇したのだ。

ポーランド国立銀行(中央銀行)は国内総生産(GDP)成長率の減速を懸念していると述べた。この決定に市場は動揺し、金融政策委員会の会合での意見対立が公になった。利上げ終了に反対したある委員は2日、来年にはインフレ率が24%に達する可能性があると警告した。

政府は経済問題の解決よりも23年の議会選挙を重視して政策決定しているのではないかと投資家は懸念している。各閣僚が財政赤字の拡大を顧みずに賃上げや減税を約束しているからだ。

大衆に迎合する余裕なし

ポーランドは司法制度改革により司法を政治の支配下に置こうとしているため、EU基金の分配が取り消される可能性もある。財政出動と金融緩和のポリシーミックスはポピュリズム(大衆迎合主義)の匂いがするが、ポーランドにその余裕はない。

ポーランドの短期債の利回りは今年初め、長期債を上回る勢いで急上昇した。買い手はきょうの金利上昇があすのインフレ率を低下させると考えた。その後の10年債利回りの急上昇は将来の同国経済への信頼感の低さを示している。

ポーランドの政府債務のGDP比は55%と比較的低い。だが政府は債務の急拡大を食い止めるのに十分な基礎的財政収支の大幅黒字を達成できないだろうと投資家は危惧している。ポーランドの政治を見ると、投資家の見方が正しいようだ。

(2022年11月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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