[FT・Lex]Apple、容易でない中国依存脱却

[FT・Lex]Apple、容易でない中国依存脱却
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB040K30U2A101C2000000/

『別れるのは難しい。米アップルに聞いてみればいい。アップルは、同社にとって3番目に重要な市場で、ほとんどの製品が組み立てられている中国への依存度を引き下げようとしている。新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)がサプライチェーンに大きな混乱をもたらしたことから、すでに一部の製品の生産をベトナムとインドに移管した。
アップルが中国依存を下げるべき理由は多くあるが、実行は容易ではない(北京)=ロイター

それでも、米国で時価総額が最大のアップルは、中国に過度に依存しているというのが現実だ。中国当局が「ゼロコロナ政策」に固執していることから、同国におけるアップルの問題は繰り返される恐れがある。

アップルの主要サプライヤーのひとつ、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン)の従業員が工場で集団隔離されたため、まるで脱獄するようにフェンスを乗り越えて逃げ出す動画は、このことをタイムリーかつ鮮明に思い起こさせる。

世界生産の10%以上に影響か

アナリストによると、河南省鄭州市にある「iPhoneシティー」として知られる製造施設は、フォックスコンのiPhone組み立て能力の約60%を占める。

フォックスコンは、他の工場に生産を移管する準備をしていたと言う。この混乱は、アップルが新製品の「iPhone14」を発売した直後、最も重要な年末商戦の前に発生した。ある推計によると、iPhoneの世界生産能力の10%以上に影響を及ぼした可能性がある。

アップルの2022年7~9月の決算を見て、最近のサプライチェーンの混乱は何でもないと考える向きもあるだろう。大手テクノロジー企業にとっては厳しい四半期決算となったが、アップルの売上高と利益の伸びはともに予想を上回った。だがこの伸びのかなりの部分は、前四半期の販売に支障をきたした生産のボトルネックによってもたらされた。

人件費の上昇、中国経済の減速、貿易や台湾をめぐる米国との緊張の高まりは、中国への依存度を引き下げる多くの理由をアップルに与えた。公平を期して言えば、アップルはすでに多くの部品を他国から調達しているが、製品の大部分は今でも中国で組み立てられている。

中国の信頼できるエネルギー網と効率的な輸送インフラ、そして言うまでもなく現地サプライヤーのネットワークは、アップルが中国と縁を切るのを特に難しくしている。

(2022年11月1日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

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