米中間選挙の期日前投票、過去最高の勢い 関心高く

米中間選挙の期日前投票、過去最高の勢い 関心高く
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『【ワシントン=坂口幸裕】11月8日に迫る米中間選挙で、郵送投票を含む期日前投票の利用者が過去最高を更新する勢いだ。米調査会社ターゲットスマートの調べでは、3日時点で前回2018年選挙の同時期より5%増えた。インフレの高止まりなどで有権者の関心が高まっているのが一因とみられ、全体の投票率を押し上げる可能性がある。

バイデン大統領は2日、首都ワシントンで演説し「全米で記録的な投票率になっており、良いことだ。期日前・郵便投票をする人がますます増えている」と述べた。共和党支持層に比べて期日前投票をする有権者は民主党支持層で多い傾向にあり、改めて投票を呼びかけた。

ターゲットスマートによると、3日までに期日前投票を終えた人は3000万人を超えた。そのうち50%が民主支持層、39%が共和支持層、10%が無党派になっている。18年の中間選挙の期日前投票は投票総数の4割ほどを占めた。

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最近の米国の大型選挙では投票率が上がっている。18年の中間選挙は14年比11㌽増の53%で、米メディアによると1914年以来最も高かった。一般的に大統領選の投票率が60%台なのに対し、過去の中間選挙はおおむね40%台で推移してきた。押し上げたのは若年層で、18~29歳の投票率は14年の20%から18年は36%に上昇した。

20年の大統領選でも期日前投票の増加が高い投票率につながった。米国勢調査局によると、投票率は66.8%で120年ぶりの高水準だった。郵便投票を含む期日前投票が全体の7割を占めた。トランプ前大統領の政治姿勢を問う戦いに注目が集まっただけでなく、新型コロナウイルスのまん延に伴う郵便投票の要件緩和も影響した。

米調査会社ギャラップが22年10月3~20日に実施した調査によると、今回の中間選挙で期日前投票をすると答えた割合は41%だった。中間選挙前に同じ質問を始めた10年以降で最も多く、18年より7ポイント上昇した。

選挙戦では足元の歴史的なインフレで経済への対応のほか、米連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた判決を覆したのを機に中絶問題にも焦点が当たった。

上下両院選や知事選でトランプ氏が多くの推薦候補を擁立し、20年大統領選を争ったバイデン氏率いる民主の候補と再び対決する構図になったことも関心を高める要因になっているとの見方がある。

期日前投票を導入する州は全米で徐々に増えている。米選挙分析サイト「バロットペディア」の集計では、今回は全米50州のうち46州と首都ワシントンDCが対象になる。

その投票方法をめぐり与野党は対立する。トランプ氏は「郵便投票は不正の温床」などと主張し、共和が強い州で投票規制を強めた。

コロナ禍に伴う期日前投票の規制緩和で人種的マイノリティー(少数派)が投票しやすくなり、民主党のバイデン氏の勝利に結びついたとの見方がある。保守的な知事が率いるフロリダ州やテキサス州は郵便投票用紙の請求要件に身分証明書の提示を加えた。

選挙制度に詳しい米ハーバード大のスティーブン・アンソラバヘア教授は「期日前投票の利用者が急増する傾向にあるが、トランプ氏が期日前投票を政治利用したことが選挙戦にどう影響するかは読みにくい」と話す。「共和支持層の間で期日前投票の利用者が増えれば民主党には不利に働く」と分析する。

米中間選挙2022 https://www.nikkei.com/special/us-election?n_cid=DSREA_2022usmidterm 』